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国税庁、ハードフォークによる新規通貨取得は所得としない方針

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update 2021.08.31 15:27
国税庁、ハードフォークによる新規通貨取得は所得としない方針

update 2021.08.31 15:27

仮想通貨FAQで納税者の疑問に回答

国税庁は、今月21日に公開した仮想通貨関係FAQの中で、ハードフォークによって取得した新規仮想通貨は課税対象となるかという問いに対して、売却または消費されるまでそれらの通貨が所得として定義されないことを回答している。

この回答の中で、国税庁は所得税法の概念に触れており、経済的価値のあるものを取得した場合には、それを取得した時を基準に所得額を計算する原則について言及した。しかしそれと同時に、ビットコインなどの仮想通貨のハードフォークにおいては、その分裂が発生した時に取引相場が存在しておらず、取得した仮想通貨の価値が0円、すなわち所得が発生していないことについても説明が加えられている。回答としては、このようなケースでは、所得税や法人税の計算に算入すべき収益はないと結ばれた。[1]

また、仮想通貨関連のFAQでは、マイニング活動においてマイニングマシンや通信回線、電力消費などのコストを費用として計上できることや仮想通貨での給与支給は給与所得に該当することなどが明らかにされている。仮想通貨の相続や贈与に関しても回答が用意されており、デジタル資産である仮想通貨も通常の相続税と贈与税の対象範囲内となるようだ。これらの処理は全て、仮想通貨の取得価額が必要で、移動平均法と総平均法のどちらで算出しても良いとされているが、国税庁は総平均法の適応を推奨しているようだ。また、国外の仮想通貨交換事業者や個人間取引などは、銀行口座の履歴から仮想通貨の購入額や売却額を確認する方法が例示されている。

国税庁の要請により、国内すべての仮想通貨交換事業者が、2018年1月1日以降の年間取引報告書を利用者に提供することになっているが、この年間取引報告書の内容を入力することで自動的に税額を算出してくれる仮想通貨の税額計算ツールを国税庁は提供しており、納税者の手助けとなることが期待される。今まで、取引所を利用していても個人で情報を集めなければならないケースもあったが、ビットコインを始めとする仮想通貨の税金に関する定義が明確になったことで納税者の時間短縮につながることが予想される。

release date 2018.11.28

出典元:

ニュースコメント

税率の低い国に流れるトレーダー

2017年以降、国税庁は、仮想通貨の税金に関する方針を明確にしており、国内市場の投資家やトレーダーに税金を課すスキームは完成したように思われる。特に大きな判断となったのは、仮想通貨取引における所得への税区分で、株やFXとは違い、税率が最大45%にも達する雑所得が採用されたことだ。その反発からか、2018年2月の確定申告シーズンには、高額な税金を嫌ったトレーダーが仮想通貨の節税対策を模索していることが報道されている。特に2017年末からの仮想通貨バブルのおかげで大きな利益を得た多くの投資家やトレーダーが、税率の低い国への転出を進めたという。この流れは他国でも同様で、仮想通貨のキャピタル・ゲイン税が15%のシンガポールや香港が転出先として人気となっているようだ。悪手の対策方法としては、匿名通貨を通して所得を偽装したり、自国政府の権限が及ばないオフショアのサービスを利用するなどして、税金を回避しようとするケースも存在するという。国税庁は今後も、仮想通貨取引の適正な申告に向けた環境整備を積極的に行っていくことが予想される。


Date

作成日

2018.11.28

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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