作成日
:2018.02.15
2021.08.31 15:23
2月16日から3月15日にかけて実施される2018年の確定申告に向けて、一部の仮想通貨のトレーダーは節税対策を模索し、国外へ転出していることが明らかとなった。
日本では、現在すべての仮想通貨で得た利益を雑収入として申告する義務があり、他の所得と合算した額に対し、15~55%の税率が課せられる。
外国為替や株式市場取引から得た利益に関しては、最大でも20%の税率に対し、仮想通貨取引で得た利益に対しては、各種控除を差し引いた所得の合計が4,000万円を超えた場合、最大税率が課せられることから、一部の投資家の間では国税庁が制定した所得控除に対する批判が高まっている。
仮想通貨取引における利益に対して課せられる国内の高額な税率に対する節税対策として、一部の莫大な利益を得た仮想通貨トレーダーや、取引業者は、税率の低い地域への転出を進めており、今後、国内の他の仮想通貨トレーダー達も同様の行動をとるのではないかと懸念が広がっている。
一部のトレーダーは、ビットコインを含む仮想通貨に関する日本の現在の税金要件が不明確であるとの不満を訴えている。これについて、東京に本拠地を置くブロックチェーン(分散型台帳)コンサルティング会社の小宮寛行氏は、政府が課税に対する具体的な内容を明確にしていないため、現在提示されている税金要件の内容が正しいかどうか判断ができないと述べる。また、仮想通貨の所得計算を行う際に移動平均法(取引の都度計算する方法)ではなく、総平均法(1年間の平均単価を計算する方法)を用いると、課税所得を数百万円分減らすことができるという助言もしている。
昨年は、ビットコインを始め仮想通貨の価格が大きく上昇し、大きな利益を得た人も多いことだろう。確定申告に向けて、仮想通貨で得た利益の税金対策の助言を求める30代から40代の顧客が急増しているという。
release date 2018.2.15
作成日
:2018.02.15
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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