作成日
:2018.11.08
2021.08.31 15:27
フランス議会では、2019年の補正予算案が提出されており、その中で、仮想通貨のキャピタルゲインに掛かる税率を36.2%から30%へと引き下げることにより、仮想通貨も不動産以外から発生するキャピタルゲインと同等の扱いとなることが明らかとなった。この予算案は、下院の金融委員会によって採択されたもので、正式に採用されるためには、まず最終版の予算案が議会で承認される必要があり、もし承認されれば、来年1月には施行されるという。
欧州で第3位の経済規模を誇るフランスでは、過去、仮想通貨に対して最高45%もの税率を課していた。しかし今年4月、同国の諮問機関である国務院が、デジタル資産から生じる利益は動産に由来するキャピタルゲインの一種と見なすべきと判断し、フランスは仮想通貨利益に対する課税率を引き下げており、このことが今回の軽減税率の政策につながっている。なお、課税率は19%へと大幅に引き下げられたが、一部例外として仮想通貨のマイニングによって発生する利益に関しては、非商業利益、または、専門的活動に起因する利益として除外されている。
フランスは、マクロン大統領の指揮の下、事業者を優遇するビジネス環境の構築を目指しているが、仮想通貨分野もその例外ではない。今年の初めに、マクロン大統領は、企業の成長と変革のための行動計画(Action Plan for Business Growth and Transformation)という法案を打ち立てており、フランスで仮想通貨による資金調達や円滑に事業を成長させるための指針とすることが計画
されている。加えて、フランス議会は今年9月に、ICOのガイドラインとなる法律を可決しており、財務大臣のBruno Le Maire氏は、これに関して法的フレームワークがフランス金融市場庁(Autorité des marchés financiers)【以下、AMFと称す】のICO認可プロセスの実効性を高め、投資家に対して保証がある正当ICOのみを実施することが可能になると発言している。AMFは、以前から、ICOに関する明確なルールが制定されていないことを懸念し、仮想通貨特有のリスクとして不用意な損出、マネーロンダリングやテロ資金供与などを招く原因になっていると指摘していたが、このフレームワークにより、ICOを実施する企業はAMFへ全ての情報の開示が求められることから、投資家に正確な情報に基づいた投資判断を促すことができ、結果的にリスク回避につながると期待されている。
急速に市場の整備と拡大へ向けての準備が進んでいるフランスだが、果たして結果はどう出るのだろうか。
release date 2018.11.08
欧州での仮想通貨市場の競争は激化しており、今回のフランス議会の決定はその流れを加速する動きで、他の欧州諸国にも少なからず影響を与えたと考えられる。欧州諸国の中で、最も先進的な仮想通貨市場を抱えているのは、クリプトバレーと称される、ツークを擁するスイスだということに異論はないだろう。スイスでは、先月末に報道された大手オンライン銀行のスイスクォートがICO投資サービスを開始、同じく大手銀行のデューカスコピーがICOの計画を発表するなど、金融業界での仮想通貨利用が積極的に進んでいる。仮想通貨には消極的と言われるイギリスも、EU加盟国などに包括的なルールを制定するように呼びかけるなど、また違ったアプローチで覇権を狙っており、東ヨーロッパ諸国に関しては、完全に仮想通貨を受け入れる方向に振り切っていると言える。一方、フランスは、2018年上期に国内で目立ったICOは実施されておらず、他国と比べるとまだまだこれからという状況ではあるが、進む法整備により今後増加していくことが期待されている。
作成日
:2018.11.08
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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