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トルコ、外貨建て支払い禁止措置を一部緩和

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update 2022.01.27 17:36
トルコ、外貨建て支払い禁止措置を一部緩和

update 2022.01.27 17:36

貿易や金融商品取引を適用除外に

トルコ政府は、2018年9月に発令された外貨建て支払い禁止措置を緩和し、貿易関連と資本市場の金融商品取引、外国人の雇用契約の分野に関しては例外措置を設けたことを発表した。

トルコ政府は9月に、2018年の年初から38%大幅下落している通貨トルコリラを下支えする目的で、不動産販売とリースおよび賃貸契約に関しては外貨建て支払いを禁止する措置を断行していた。10月6日付の官報によると、不動産と雇用に関連した取引を除き、海外へのソフトウェア販売、船舶リース契約、そして政府機関関連の契約に関しても外貨建て支払い禁止措置の適用対象から除外された。一方で、適用除外とならなかった分野・取引に関しては、仮に契約条件を改めることができない場合、消費者物価上昇率を踏まえ、1月2日時点の為替レートで強制的にトルコリラに兌換される予定という。

なお、トルコ政府により導入された外貨建て支払い禁止措置に関しては、その内容から適用対象範囲が不明瞭であるとの懸念が広がっていた。また、足元のリラ安を背景として、特に外貨建て債務を負担するトルコ地盤の企業に大きな影響を及ぼす見込みがあり、その持続的な効果を疑問視する声が一部のエコノミストや産業界からあがっている。

トルコを襲う金融危機の発端は、2016年にトルコで起きたクーデター未遂事件に関与した疑いで米国人牧師アンドルー・ブランソン氏を拘束した報復措置として、米国ドナルド・トランプ政権がトルコの鉄鋼とアルミニウム輸入関税を倍に引き上げたことに起因している。米ドル/トルコリラ(USD/TRY)は、2018年初頭に3.8リラ付近であったが、10月1日には6.15までリラ安が進み、週末の10月5日は6.1205リラで引けていた。また、ユーロ/トルコリラ(EUR/TRY)は2018年初頭に4.5リラであったが、現在は7.08リラまで値を下げている状況だ。

なおトルコ裁判所は10月12日、米国人牧師アンドルー・ブランソン氏の出国を認める決定を下したため、トランプ政権による制裁も解除され、悪化の一途を辿っていた両国関係が改善に向かう兆しが見え始めている。[1]

release date 2018.10.12

出典元:

ニュースコメント

トルコの経済状況の改善なるか

中東の地域大国として発展してきたトルコであるが、米国との政治的な対立をきっかけに、リラ安や物価高などの経済状況の悪化に見舞われている。一方でトルコリラは高金利通貨として知られており、FXでも人気が高く、多くのトレーダーがトルコリラへの投資を行っている。トルコではMT5採用ブローカーが増加しているが、トルコ資本市場委員会(CMB)は7月にトルコ国民の国外ブローカーを禁止する規制を検討していることが明らかになっている。また、8月にはトルコリラが急落するトルコショックが発生し、ロシアの海外FXブローカーであるアルパリロシアはトルコリラの取引停止を発表するなど、トルコの経済不安が世界的に波及していた。しかし、この度の外貨建て支払い禁止措置の一部緩和措置や、米国人牧師アンドルー・ブランソン氏の解放により、米国との関係や、トルコ経済の改善への一歩が期待される。なお、トルコでは国債などの債券の利回りの急騰や株価の下落もみられており、トルコリラへの投資は、依然、大きなリスクを抱えることが予想される。


Date

作成日

2018.10.12

Update

最終更新

2022.01.27

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

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プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

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