Select Language

韓国ハンファ損害保険、仮想通貨のハッキング被害を対象とした保険を開発

韓国ハンファ損害保険、仮想通貨のハッキング被害を対象とした保険を開発

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:22
韓国ハンファ損害保険、仮想通貨のハッキング被害を対象とした保険を開発

update 2021.08.31 15:22

仮想通貨取引所向けのハッキング被害を補償する新しい保険

韓国の大手保険会社、Hanwha General Insurance Co., Ltd.(本社:56, Yeoui-daero Yeongdeungpogu, Seoul, Korea[1])【以下、ハンファ損害保険】が、ハッキングによる損害を補償する新しいタイプの保険を国内の仮想通貨取引所に向けて開発していることが明らかになった。

ハンファ損害保険は、来月より、それぞれの仮想通貨取引所と交渉を開始することを計画しており、実現へ向けて保険料や保証限度などの調整を行なっていく方針だ。今まで仮想通貨取引所が加入している保険は、個人情報の漏洩などによる被害に対する補償しか行なっておらず、この保険は全く新しい試みと言え、各方面から期待されているようだ。[2]

しかし、取引所が保険に加入するためには保険会社と再保険会社が保険を設定するための多くの協議が必要となる上、補償が十分な内容でなかったり、割増価格が高すぎる設定となったりする場合は、取引所が保険に加入したがらない可能性も懸念されている。

韓国では、BTC KoreaCom Corporationが運営するBithumb(本社:17, Teheran-ro 16-gil, Gangnam-gu, Seoul, Korea[3])や、Leanus Co., Ltd.が運営するCoinrail(本社:ICT Tower, Gangnam-daero 624, Gangnam-gu, Seoul[4])などの取引所でのハッキング被害が相次いでおり、ハッキング被害を対象とした保険商品の需要が高まっている。

特に大手取引所のBithumbでは、6月末にハッキング攻撃を受け、18.7億円相当の被害を出しており、大きな危機となったことは記憶に新しい。Bithumbはすでに2種類のサイバー保険に加入しているが、補償内容は情報保守、データの紛失と盗難、サイバーの脅威及び個人情報漏洩に対するもののみとなっており、いずれもハッキングによる損害には適応されておらず、この度の新しい保険の必要性を象徴する出来事となった。

このような状況を打開すべく、韓国ブロックチェーン協会からもハンファ保険ならびに現代海上火災保険と継続的に話し合いの場を設けているが、取引所のセキュリティや信用が保険会社の懸念材料となっているようだ。[5]韓国ブロックチェーン協会は、Bithumb、Upbit、Coinone、Korbitの4大取引所を含めた23の取引所をメンバーとして抱える国内組織であり、現在協会のメンバーはすでに何らかの保険には加入しているが、前述の通り補償範囲が限られており補償額も小さい。Bithumbの補償額は最大60億ウォン(530万ドル)、Upbitは最大50億ウォン(450万ドル)、その他2社の取引所ではそれぞれ最大30億ウォン(270万ドル)となっている。

投資家を保護するにはまだまだ不十分な仮想通貨取引所の保険だが、今回のハッキング被害を対象とした新しい保険が成立すれば、暗雲立ち込める韓国市場に一筋の光明が指すことになるかもしれない。

release date 2018.9.7

出典元:

ニュースコメント

増加する仮想通貨取引所のハッキング被害

韓国では今年の6月に仮想通貨取引所のCoinrailがハッキングを受け、約44億円相当の複数のコインの盗難に遭い、続けて同月末には韓国大手取引所のBithumbもハッキングが発覚し、約18.7億円の盗難被害を受けている。Bithumbは、顧客の被害については全て補填するとし、取引手数料が無料となるクーポンも配布するなどの補償が行われるとのことだ。過去に韓国の政府機関が行った調査によると、ハッキングで盗難された仮想通貨の総額は1.1億ドル(約125億円)に上ることが明らかとなっている。日本でも、今年1月に大手仮想通貨取引所のCoinCheckがハッキングを受け、5.2億NEM(当時約580億円)の被害にあい、この事件は日本だけでなく世界の仮想通貨市場を震撼させた。また欧州でも、今年2月にイタリアの仮想通貨取引所BitGrailが約204億円のハッキング被害を報告している。仮想通貨取引所のセキュリティの脆弱性が指摘され改善が求められる中、ハッキング被害に適応できる保険への需要も高まっており、この度の韓国の新しい保険サービスの発表は世界中から注目を集めている。


Date

作成日

2018.09.07

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

Vantage Tradingが年末トレード大会を開催!ランク外でも賞金獲得のチャンスあり

Vantage Tradingが、年末恒例となる大型トレード大会「年末ミリオンジャンボ2025」の開催を発表しました。今回のイベントでは副賞も用意されているので、ランク外でも賞金獲得のチャンスがあります。この記事では、参戦を検討しているユーザー向けに、各種条件やルールを説明します。
update2025.11.28 19:00

Bitgetが代替手段に?Bybitが日本撤退で日本ユーザーの新規登録禁止

Bybitが日本ユーザーの新規登録停止を発表しました。Bybitの代替取引所としてはBitgetが挙げられ、Bybitと遜色ないサービスを利用できます。本記事では、Bitgetの特徴や海外取引所への規制動向などを解説します。
update2025.11.25 19:00

Money Charger(マネチャ)情報流出で問われるキャッシュバックサイトの運営体制と安全性

Money Chargerは2025年10月25日、ユーザーの個人情報が外部に流出したことを公表しました。キャッシュバックサイトはうまく活用すれば取引コストを抑えられる一方で、個人情報を扱う性質上、安全管理体制が極めて重要です。本記事では、安全性や透明性の観点から主要なキャッシュバックサイトを比較します。
update2025.11.17 19:00

Vantage Tradingで出金遅延、担当者が語る原因と対応

Vantage Tradingで銀行出金に関する遅延が確認されています。出金申請後に着金まで時間を要するケースが報告されており、SNS上でも混乱が発生している状況です。原因としては入金額の急増や決済システム側の処理制限が影響しているものと見られます。
update2025.10.24 19:00

豪華なのに難しい?XMTradingが開催中のクリスマス入金ボーナスプロモーションは「アリ」なのか?

XMTradingで最大$25,000を獲得できる入金ボーナスキャンペーンが開催され注目を集めています。一見すると豪華なキャンペーンにみえますが、一般的な入金ボーナスとは条件が異なり、一部では条件が厳しいとの声もあります。本記事では、参加する価値のあるイベントなのかを説明します。
update2025.11.26 19:00

Exnessの乗り換え先としてXSはアリ?スペックを比較

取引環境の良さから玄人にも人気のExnessですが、最近は出金トラブルなどが発生しており、今後の取引環境に不安を抱くユーザーも増えています。本記事では、有力な乗り換え先であるXS.comと取引環境・条件を比較し、乗り換え先として相応しいかどうかを検討します。
update2025.11.20 19:00

Funded7で出金が認められない事例が増加?ルールの不透明さが原因か

Funded7で出金拒否に関する投稿がSNS上で増加しており、利用者の間で不安が広がっています。「利益が取り消された」「短時間取引が理由で無効になった」などの報告が投稿されています。当記事では出金拒否の原因を整理し、他のプロップファームとFunded7のルールを比較します。
update2025.11.21 19:00

Vantage Tradingが入出金額の上限を変更、100万円以上の出金は自動分割

海外FX業者のVantage Tradingが、銀行振込の入出金額の上限を変更しました。今後は銀行振込で一度に出金できる額が100万円に制限されます。本記事では、変更された条件や高額送金時の注意点などを説明します。
update2025.11.11 19:00

Bybit P2P利用で銀行口座凍結・詐欺容疑者に?海外FXユーザーが知るべき巻き込まれリスクとは

Bybit P2Pを利用したユーザーが銀行口座凍結されたことに加え、詐欺容疑者として取り調べを受けたというSNS投稿が話題になっています。本記事では、話題となった投稿の内容や、海外FXユーザーがP2P取引の利用を避けるべき理由などを解説します。
update2025.11.12 19:00

bitcastleは詐欺業者?口座開設ボーナスで出金拒否多数

SNS上ではbitcastleから「出金できない」「口座を凍結された」といった報告が相次いでいます。本記事では、bitcastleで報告されている出金トラブルを紹介するほか、bitcastleは詐欺業者なのかどうか説明します。
update2025.10.21 19:30
promotion promotion

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル
close
promotion
今すぐ参加する

次回から表示しない