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中国で国内最大級となる96億円相当の仮想通貨ハッキング被害

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update 2021.08.31 15:22
中国で国内最大級となる96億円相当の仮想通貨ハッキング被害

update 2021.08.31 15:22

元大手IT企業に勤務のハッカー3人を逮捕

中国の警察当局は、ビットコインなどの仮想通貨をハッキングした疑いで、3人の男性容疑者を逮捕したことを発表した。被害額は6億元相当(約96億円)に達しており、中国国内における最大の仮想通貨ハッキング事件となっている。

ハッキングのターゲットとなったのは、個人や企業のパソコンであることが明らかになっており、容疑者らは、盗難した仮想通貨の追跡を困難にさせるため、多額の仮想通貨を少額に分割し、複数の取引を繰り返して売却したことがわかっている。また、容疑者らは大手IT企業での勤務経験があることから、専門的な知識や技術を持ち合わせており、それらを悪用したとみられる。

なお、この事件は、今年3月、西安在住の男性が1億元(約1,500万ドル)相当のビットコインとイーサリアム(Ethereum)のハッキング被害に遭い、地元警察に捜査を依頼したことから発覚にいたったことが明らかになっている。捜査当局は、IT専門家の協力のもと、膨大なデータ分析を行い、容疑者3人の逮捕に至ったものの、捜査は未だ進行中であるという。

中国では昨年仮想通貨取引を禁止するという厳しい規制を導入しているが、仮想通貨は依然として高い人気を誇っており、中国の投資家達は法の抜け道を見つけて引き続き仮想通貨の取引を行っている現状がある。中国政府もブロックチェーンの重要性を認識しており、規制により世界有数のマイニング企業や仮想通貨取引所が中国国外に流出するなどしていることから、仮想通貨に関する規制緩和の必要性に迫られているようだ。一方、仮想通貨に関わる犯罪やトラブルは後を絶たず、最近は裁判所への申立件数も急増しているという。イニシャルコインオファリング(デジタル通貨やトークン発行による資金調達、ICO)や仮想通貨取引に関する規制が不明確である中国において、裁判官は対応に苦戦を強いられそうだ。

release date 2018.8.20


Date

作成日

2018.08.20

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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