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テレグラム、ICOによる資金調達額は17億ドル

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update 2021.08.31 15:23
テレグラム、ICOによる資金調達額は17億ドル

update 2021.08.31 15:23

最終的に調達資金を26億ドルに引き上げる計画も

無料メッセージアプリを運営するTelegram Group Inc(71-75 Shelton StreetCovent Garden London United Kingdom)【以下、テレグラムと称す】がICO(新規仮想通貨公開)によって、世界最大規模となる17億ドルを調達したことが明らかになった。

ICOで10億ドル以上の資金調達が可能な企業は、これまでのところ、イオス(EOS) とテレグラムのみとなる。テレグラムは、ICOに関心がある多くの投資家やICO実施企業のコミュニティによって多く活用されているため、今回実施した調達額にも多くの注目が集まっている。

テレグラムは2018年3月29日付けで、アメリカ証券取引委員会(SEC)に資金調達の状況を報告している。報告書類によると今年2月に実施した、第1ステージで8.5億ドルを調達した後、3月の第2ステージでも8.5億ドルを調達し、第1ステージと第2ステージを合わせた調達額は17億ドルに達した。また、報道によると、テレグラムは22億2500万ドルに達するまで資金調達額を引き上げることを計画しているという。

この度ICOによって調達した資金は、独自のブロックチェーンによるプラットフォーム「テレグラム・オープン・ネットワーク(TON)」の開発に充てられる他、既存のメッセージアプリの開発とメンテナンスに利用される予定である。 しかしながら、テレグラムが巨額な調達資金を元に新たなステージを迎える一方で、トークンの価値が希釈することを心配する投資家たちも出てきており、実際、テレグラムへの投資から完全に離れた投資家もいる。

仮想通貨に関するベンチャーキャピタルの責任者であり、仮想通貨投資の第一人者であるクリス・バーニスケ氏は、テレグラムによる過剰な規模の資金調達は、同社の発展に寄与する以上に経営破綻に通じかねない行為であると指摘する。

また、ベンチャーキャピタルCRVのジャスティン氏とオリビアムーア氏はテレグラムへの投資には慎重を要する必要があるとの内容を自身の運営サイト内に投稿し、投資家たちに警鐘を鳴らす。彼らはテレグラムなどのICOプロジェクトの評価・分析を専門としており、プロジェクトを様々な角度から検証し、その信憑性についても分析する。ムーア氏は、テレグラムが行った巨額の資金調達について触れ、同社が最終的に調達資金を26億ドルに引き上げる可能性があることを主張している。テレグラムのホワイトペーパーに記載の内容によれば、今後4年間で6億2000万ドルの予算を組んでいることから、調達資金を26億ドルに引き上げたとしても、テレグラムが末永く存続するには十分でない金額といえる。

この点について、ムーア氏は次のようにコメントしている。

テレグラムが収益を生み出すことができず、経費のみが増加し続けた場合、同社は最終的に破産のリスクを負うか、不利な条件で強制的に資本を追加するか、いづれかの選択をせまられるでしょう。今後、テレグラムが引き続き調達資金の引き上げを行う場合、ICO評価を大幅に超える金額への引き上げは可能ではないといえます。

Olivia Moore,VC investors at CRV

テレグラムのCEOであるパベル・デュロフ氏は、ロシア政府の圧力を受けた後も、ユーザーデータをロシア当局に引き渡すことを拒否したとしており、同行為に対して賞賛の声が集まった。しかし、引き続きロシア当局へ抵抗の姿勢を見せることは困難とみられる。

また先日、ドゥーロフ氏は、直近1カ月のアクティブユーザーの数が2億人を上回ったことを発表している。テレグラムがこれから直面する課題は未知であるが、同社が構想する独自の経済圏の設立に引き続き注目したいところだ。

release date 2018.4.3


Date

作成日

2018.04.03

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

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