作成日
:2018.02.19
2021.08.31 15:23
ビットコイン(BTC/USD)は、今月上旬、売りが先行していたものの、徐々に回復し、先週末にかけて1月末以来初めて、1万1000ドルを突破した。
各国の仮想通貨への規制がますます厳しくなる中、市場での価格操作による詐欺の噂や、コインチェックのハッキング騒動などに見舞われ、今月上旬にかけて売りが続出し、昨年末から比較すると70%以上も下落していた。
しかし、先週の日曜日には、ビットコインは、1万1279.18ドルの値をつけ、2月6日の最安値となる5947.40ドルから80%以上も上昇し、1月30日以来の最高水準に達した。下落していたイーサリアム(Ethereum)やリップル(Ripple)などの他の主要仮想通貨もビットコインの上昇を受け上昇傾向に転換した。
ビットコインの主要市場である韓国では、仮想通貨取引を全面禁止とする規制の実施が懸念されていたが、先日、韓国政府が同取引を認める姿勢を示したことで、多くの投資家の考えが肯定的な方向に傾いたようだ。
今月初め、米国証券取引委員会(The US Securities and Exchange Commission)のJay Clayton議長と、米商品先物取引委員会(U.S. Commodity Futures Trading Commission )のJ. Christopher Giancarlo議長が、仮想通貨に関する見解を表明している。Giancarlo議長は規制当局について、考慮深くバランスのとれた回答であり、否定的なものではないと述べるなど、両議長が仮想通貨取引に対する新規制を支持する意向を示したことからも、厳しい規制への懸念を解消させる形となっている。
さらに、ビットコインを支持しているウォール街の投資戦略家であるTom Lee氏は、最近、ビットコインが今年中に2万5000ドルまで上昇する可能性があるとの見解を示したほか、昨年の初めに仮想通貨価格の回復を正しく予想していたSaxo BankのアナリストであるKay Van-Petersen氏は、ビットコインが10万ドルに達する可能性があるとの見解を示している。
一方で、仮想通貨が崩壊する可能性を警告する意見も多く、米国の投資銀行であるゴールドマン・サックスは、今月、ほとんどの仮想通貨の価値がゼロになる可能性が高いとの意見を述べている。また、イーサリアムの創設者であるVitalik Buterin氏も、仮想通貨は非常に不安定な資産クラスであり、いつでもゼロになる可能性があると警告している。
release date 2018.2.19
作成日
:2018.02.19
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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