作成日
:2017.12.20
2022.01.28 12:10
英国の規制機関である英国金融行動監視機構(The UK Financial Conduct Authority)【以下、FCAと称す】は、EU離脱後も引き続きMiFID(金融商品市場指令)パスポーティング制度を継続する声明を発表した。
パスポーティング制度とは、金融機関において、EU域内の1ヶ国で事業の認可を取得した場合、EU域内であれば事業活動が可能となる制度である。海外FXブローカーは、このパスポーティング制度を利用することにより、収益性の高い英国市場を含むEU全域をマーケティングすることができる。そのため多くのFXブローカーは、認可を受けやすいキプロス証券取引委員会(本社:27 Diagorou Str. CY-1097 Nicosia, Cyprus)のライセンスを取得し、パスポーティング制度を活用している。
FCAは、声明の中で以下のコメントを発表している。
EU離脱後、ブローカーが英国と欧州経済地域(European Economic Area,EEA)間にてパスポーティング制度の恩恵を受け続けることは既に計画に含まれていました。
FCA
金融機関が、英国のEU離脱プロセスにおいて、関心を寄せていたのは、このMiFIDパスポーティング制度の部分であった。先日、欧州証券市場監督局(The European Securities and Markets Authority)【以下、ESMAと称す】がレバレッジ引き下げなどの規制案を提示したが、ESMAの最終決定を、英国の規制当局が採用する可能性が高く、関心を集めている。
ESMAは、FX・CFD取引において最大レバレッジを30倍に引き下げる提案の他、バイナリーオプションの完全禁止、顧客へのボーナス支払いの禁止、顧客のマイナス残高保護等の規制を提案している。
FCAは、MiFID制度内に留まるためにESMAやEUの規制当局と規則内容を調和させる必要があり、これによりレバレッジ設定などいくつかの規則においては、FCAの主体性が失われることが予想される。
release date 2017.12.20
作成日
:2017.12.20
最終更新
:2022.01.28
国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。
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