作成日
:2017.10.26
2022.05.30 15:01
米国市場における最新の投資動向調査から、市場からFXトレーダーの流出が続いていることが明らかになった。
この調査は金融サービス業界の調査会社であるInvestment Trends(本社:23.02 Tower 3, International Towers, 300 Barangaroo Ave, Sydney, NSW 2000, Australia)が、米国の投資家8,000人以上を対象に行った調査で、2017年の米国外為市場レポートでは、2017年8月時点の市場規模を85,000(過去12ヶ月間に少なくとも1回の取引を行ったトレーダー数を表す)と査定しており、前年度と比較すると本年度の米国市場は5分の1までに縮小している。全トレーダー数は大幅に減少した一方で、新規トレーダー数は堅調に伸びていることが判明した。2017年には25,000人の米国人がFX取引を開始しており、2016年の27,000人と2015年の24,000人に匹敵する結果となった。
トレーダー流出の主な要因は、大手海外FXブローカーであるFXCM Group, LLC.(本社:55 Water Street, 50th Floor, New York, NY 10041 USA)【以下、FXCMと称す】の米国市場撤退が考えられる。FXCMは、今年2月に、顧客に対し虚偽の宣伝を行っていたことで、全米先物協会(NFA)や米商品先物取引委員会(CFTC)から700万ドル(約7.8億円)の罰金を科せられた他、米国内における営業の停止を命ぜられた。
またこの調査で、投資家が投資する商品が多様していることが明らかとなった。同調査対象者の23%が今後12カ月間に先物取引を予定していると回答し、全トレーダーの15%はすでに先物取引を開始しているという。これは、米国のブローカーの競合先が、FXディーラーから先物取引業者へとシフトしたことを示唆しているといえる。
Investment TrendsのリサーチディレクターであるDr Irene Guiamatsia氏は次のようにコメントしている。
株式の強力な動きを別にして、先般の制裁の決定が、市場のリーダーであったFXCMの撤退を引き起こしました。先物取引は、トレーダーにとって、FX同様に重要な投資商品であり、先物取引を行うFXトレーダーは、 現在、先物とFXを同じ割合で取引しています。
Dr Irene Guiamatsia, Research Director of Investment Trends
Investment Trendsは、様々な市場調査を行っているが、トレーダーが使用するデバイスに関する調査によると、ここ数年でタブレットによる取引が減少し、トレーダーの82%はモバイルから取引を行っているという。その他にも、フランス市場においては、今年初めに広告禁止規制が導入されたにもかかわらず、堅調に推移しているという調査結果を発表している。
release date 2017.10.26
作成日
:2017.10.26
最終更新
:2022.05.30
国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。
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