作成日
:2025.01.30
2025.01.30 15:55
メタマスク(MetaMask)は、最も人気が高い仮想通貨(暗号資産)ウォレットの一つで、イーサリアムを中心に様々なブロックチェーン上のサービスで利用できます。メタマスクにある仮想通貨を日本円に交換などする場合、メタマスクから国内取引所に送金するのが一般的です。
そこで今回Myforex編集部では、メタマスクから国内取引所のコインチェック(Coincheck)に仮想通貨を送金してみました。実際にやってみたところ、送金自体は手軽にできる一方、最低入金額が設定されている通貨があるなど、コインチェック側の設計に不便を感じたというのが率直な感想です。
この記事では、実際に送金してみた経験などをもとに、送金手順や手数料、コインチェックのトラベルルール対応状況などを紹介します。
Myforex編集部では、実際にメタマスクからコインチェック(Coincheck)に仮想通貨(暗号資産)を送金してみました。送金手順を解説する前に、メタマスクからの送金時に発生する手数料や、事前に知っておきたい注意点などを紹介します。
メタマスクで仮想通貨を送金したり、取引したりする際には、利用するネットワークのトランザクション手数料(ガス代)を支払う必要があります。例えば、イーサリアムネットワークを使う場合はETHなど、そのネットワークの基軸通貨でガス代を支払います。
また、ガス代の金額は一定ではなく、ネットワークの混雑状況などで変動します。タイミングによってはガス代が高騰している場合もあるので、送金前に確認しておくとよいでしょう。ガス代の相場はブロックチェーンエクスプローラーで確認できます。
メタマスクからコインチェックに送金する前に、以下の注意事項についても抑えておきましょう。
仮想通貨を送金する際には、トラベルルールの対応状況について確認が必要です。
なお、トラベルルールに関して、メタマスクからコインチェックには問題なく送金できます。コインチェックは公式サイトにて、メタマスクをはじめとしたプライベートウォレット間での送金・受取が可能である旨を記載しています。
取引所の顧客が仮想通貨を送金する際、送金元の取引所が送金先の取引所に一定の情報を通知するというルールです。このルールは、FATF(金融活動作業部会)が定める国際基準です。マネーロンダリングやテロ資金対策を目的としており、日本もこの基準に準拠して法整備を進めています。
コインチェックに送金する際には、最低入金額にも注意が必要です。最低入金額は、送金手数料などと同様に、各取引所が独自に設定しています。
コインチェックの場合、最低入金額を設定している通貨と、設定していない通貨があります。例えばイーサリアム(ETH)に関しては、最低入金額が0.01 ETH(約5,000円)に設定されており、それより小さい入金額の場合は合計が0.01 ETHを超えるまで反映されない、という設計になっています(2025年1月14日現在)。
一方、POL(ポリゴン/旧MATIC)やAVAX(アバランチ)などは最低入金額が設定されていないため、少額でも入金が可能です。
今回Myforex編集部では、ガス代が安価な傾向にあるPOLを使って、メタマスクからコインチェックに送金してみました。
仮想通貨の送金時には、アドレスの入力ミスなどには十分注意してください。もし、アドレスや利用チェーン(ネットワーク)選択に入力ミスがあると、送金した仮想通貨を消失(GOX)してしまう可能性があります。これらのミスを防ぐためにも、アドレスは手入力ではなく、コピー&ペーストで入力するのがよいでしょう。
また、初めての送金で少しでも不安がある場合は、まず少額でのテスト送金を行うのがおすすめです。
メタマスクからコインチェック(Coincheck)にPCで送金してみた手順を紹介します。前述の通り、今回はPOL(ポリゴン)を使ってコインチェックに送金してみました。
まず、POLを受け取るコインチェック側のウォレットアドレスを確認します。コインチェックの公式ページにアクセスし、「暗号資産の受取」を選択します。
通貨の選択画面に移動するので、通貨一覧の中から受け取りたい仮想通貨(暗号資産)を選択します。今回は「Polygon」をクリックします。
赤文字で注意事項が表示されるので、必ず目を通しておきましょう。POLの受取に関して、Polygonネットワークにのみ対応していることが説明されています。
また、注意事項の下にコインチェックの入金用アドレスが表示されます。この画面を開いたまま、メタマスクを起動しましょう。
次にメタマスクでの操作に移ります。
今回はPOLを送金するので、メタマスク上で「Polygon Mainnet」を選択します。メタマスクにアクセスしたら、画面左上にあるネットワークを選択するプルダウンをクリックします。
ネットワークの選択画面が表示されるので、「Polygon Mainnet」を選択します。
「Polygon Mainnet」を選択したら、今回送金する「POL」をクリックします。
「送金」をクリックします。
「移動先」に送金するウォレットアドレスを入力し、「続行」をクリックします。手順2のコインチェックの画面を確認しながら、コピー&ペーストで入力しましょう。
仮想通貨の送信時にウォレットアドレスを手入力すると、打ち間違いの原因になります。そのため、ウォレットアドレスは必ずコピー&ペーストで入力するようにしましょう。
ウォレットアドレスを入力すると、送金額の入力画面に移動します。送金する数量を入力して「続行」をクリックします。
送金にかかるネットワーク手数料(ガス代)などが表示されるので、内容に問題なければ「確認」をクリックします。以上でPOLの送金は完了です。しばらくすると、送金したPOLがコインチェックに入金されます。
なお、ガス代はネットワークの混雑状況などで変動します。ガス代を抑えたい場合、画面上にあるペンマークのアイコンをクリックして、ガス代を設定することも可能です。
メタマスクからコインチェック(Coincheck)にスマホで送金してみた手順を紹介します。PCと同様に、今回はPOL(ポリゴン)を使って送金してみました。
まず、POLを受け取るコインチェック側のウォレットアドレスを確認します。コインチェックアプリを起動し、画面下部にある「ウォレット」をタップします。
「取引アカウント」をタップします。
今回はPOLを受け取るので、「MATIC」をタップします。
なお、ポリゴンはMATICからPOLへのトークン移行が行われていますが、コインチェックでは旧称の「MATIC」が引き続き使用されています(2025年1月14日現在)。
「受取」をタップします。
赤文字で注意事項が表示されるので、必ず目を通しておきましょう。POLの受取に関して、Polygonネットワークにのみ対応していることが説明されています。
また、注意事項の下にコインチェックの入金用アドレスが表示されます。この画面を開いたまま、メタマスクアプリを起動しましょう。
次にメタマスクでの操作に移ります。
今回はPOLを送金するので、メタマスク上で「Polygon Mainnet」を選択します。メタマスクアプリを起動したら、画面左上にあるネットワークを選択するプルダウンをタップします。
ネットワークの選択画面が表示されるので、「Polygon Mainnet」を選択します。
「Polygon Mainnet」を選択したら、今回送金する「POL」をタップします。
「送信」をタップします。
「To:」欄に送金するウォレットアドレスを入力し、「次へ」をタップします。手順5のコインチェックの画面を確認しながら、コピー&ペーストで入力しましょう。
仮想通貨の送信時にウォレットアドレスや宛先タグを手入力すると、打ち間違いの原因になります。そのため、ウォレットアドレスや宛先タグは必ずコピー&ペーストで入力するようにしましょう。
送金額の入力画面に移動します。送金する数量を入力したら、「次へ」をタップします。
送金にかかるネットワーク手数料(ガス代)などが表示されるので、内容に問題なければ「送信」をタップします。以上でPOLの送金は完了です。しばらくすると、送金したPOLがコインチェックに入金されます。
なお、ガス代はネットワークの混雑状況などで変動します。ガス代を抑えたい場合、画面上に表示された金額をタップして、ガス代を設定することも可能です。
メタマスクからコインチェック(Coincheck)への送金は特に難しくなく、スムーズに送金できました。PC・スマホアプリともに手順はほとんど同じで、画面通りに進めれば簡単に送金できます。
一方で、送金時間に関しては注意が必要です。今回のPOLの送金は、メタマスクで送金してからコインチェックに入金されるまでに約30分かかりました。迅速に入金を反映させたい場合には、コインチェックは少し使いにくさを感じる可能性があります。
最低入金額は通貨によって異なりますが、例えばイーサリアム(ETH)の場合、0.01 ETH(約5,000円)が設定されています(2025年1月14日現在)。メタマスクから少額の仮想通貨を送金したい際には、入金口座としてはユーザビリティを悪く感じてしまうケースがあるでしょう。
コインチェックNFTの利用など、特別な理由がある場合を除けば、他の取引所の利用を検討してみてもよいかもしれません。
メタマスクの入出金について、X(旧Twitter)では「送金ミスをしてしまった」という声が散見されました。メタマスクでの入出金ミスを防ぐためにも、ウォレットアドレスの再確認などの対策は徹底するようにしましょう。
また、コインチェックへの入金に関して、「コインチェックに入金がなかなか反映されない」「最低入金額未満を送金してしまい、アカウントにETHが反映されない」といった投稿も確認できます。Xでの声を見る限り、コインチェックでの入金に関して、ネガティブな印象を持っているユーザーが一定数いると考えられます。
コインチェックへの入金が反映されない原因として、「送金元情報登録」を入力できていないことが挙げられるかもしれません。コインチェックでは、ユーザーの仮想通貨入金が外為法(外国為替及び外国貿易法)における規制対象取引に該当しているかどうか、取引の都度確認しています。
コインチェックに入金を行った際は、以下のようにメールなどで情報開示の連絡が来るので、忘れずに情報登録を行いましょう。この情報登録をしない限り、入金は反映されないため注意してください。
メタマスクからコインチェック(Coincheck)への送金は難しくなく、簡単に送金可能です。一方、入金が反映されるまでに時間がかかったり、通貨によっては最低入金額が設定されていたりするなど、使いにくさを感じるケースがあるかもしれません。
コインチェックを使用する特別な理由がなければ、他の国内取引所の利用を検討してみてもよいでしょう。
作成日
:2025.01.30
最終更新
:2025.01.30
2017年に初めてビットコインを購入し、2020年より仮想通貨投資を本格的に開始。国内外のメディアやSNSなどを中心に、日々最新情報を追っている。ビットコインへの投資をメインにしつつ、DeFiを使って資産運用中。
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