作成日
:2024.02.21
2024.04.24 11:48
ビットコイン(BTC)のレイヤー2とは、ビットコインブロックチェーン上に構築されたネットワークです。取引速度の向上や手数料の低減が可能で、SNSなどで注目を集めています。
本記事では、ビットコインレイヤー2の特徴や評判、主要プロジェクトなどを解説します。
ビットコインのレイヤー2とは、ビットコインブロックチェーン上に構築されたネットワークです。
レイヤーとは日本語で「層」を意味し、メインのブロックチェーンをレイヤー1(1枚目の層)として、その上にレイヤー2(2枚目の層)が存在するイメージです。
多くのブロックチェーンは、異なる役割を持つブロックチェーンが階層別に独立して相互通信する「レイヤー構造」になっています。基礎的な役割を担うブロックチェーン層をレイヤー1と呼び、レイヤー1の情報処理を助ける層をレイヤー2と呼びます。
画像引用:YCHARTS
ビットコインは仮想通貨で最大の時価総額を誇り、1億人以上が保有すると言われる一方、大きな課題があります。
課題とは、取引速度の遅さと手数料の高さです。当記事執筆時点(2024年2月16日)で、ビットコインの送信には40分の待ち時間が発生し、1回の取引手数料(ガス代)はおよそ7ドルです。
仮想通貨市場が過熱していた2021年4月には、ビットコインの送信に1時間以上かかり、取引手数料はおよそ60ドルでした。
ビットコイン本来の目的である「個人同士や店舗での決済」に利用することは難しいです。
画像引用:Lightning Network
ビットコインのレイヤー2を使うと、取引速度の遅さと手数料の高さという2つの課題を解決できます。
Lightning Networkは代表的なビットコインレイヤー2で、TPS(1秒あたりの取引件数)は最大百万件です。さらに、取引手数料は0.001ドルです。
ちなみに、クレジットカードのVISAのTPSは1,500〜2,000とされており、Lightning Networkはクレジットカードに勝る取引速度です。
画像引用:Stacks
レイヤー2の仕組みを使うと、ビットコインブロックチェーン上でDeFi(分散型金融)やNFTを利用可能です。
ビットコインはスマートコントラクトを実装しておらず、機能は限定的です。しかし、ビットコインレイヤー2を利用すると、ビットコインでもさまざまなDApps(分散型アプリ)を使えます。
ビットコインや関連銘柄の価格上昇を受け、ビットコインのレイヤー2はX(旧Twitter)などで注目を集めています。
なかには「2024年から2025年は、レイヤー2などのビットコイン関連プロジェクトが飛躍する」と、期待するコメントも見受けられました。
さまざまなプロジェクトがビットコインのレイヤー2の開発を進めており、以下4つのプロジェクトは「ビッグ4」とも呼ばれる代表的な存在です。
Stacksはビットコインブロックチェーン上に分散型アプリ(DApps)とスマートコントラクトを実装できます。Stacksとビットコインは別々のネットワークですが、互いに連携可能です。
Stacksは独自仮想通貨のSTXを発行しており、当記事執筆時点(2024年2月16日)で時価総額は約5300億円です。
仮想通貨STXをステーキングすると、報酬としてビットコインを獲得できます。
画像引用:CoinMarketCap
STXは2021年12月に高値をつけて以来、長らく低迷していました。しかし、2023年12月頃よりビットコインの価格に後押しされるように高騰を続け、史上最高値を更新しています。
Rootstockは2015年にローンチしたスマートコントラクトプラットフォームで、ビットコインレイヤー2のパイオニア的存在とも言われています。
EVMと互換性があり、イーサリアムの開発者はRootstockプラットフォーム上に容易にDAppsを構築可能です。
EVMはEthereum Virtual Machineの略称で、日本語でイーサリアム仮想マシンと訳します。この技術を使って、スマートコントラクトの実行や管理が可能になります。
Rootstockは独自仮想通貨RIFを発行しており、当記事執筆時点(2024年2月16日)で時価総額は約300億円です。
RootstockのDApps開発ツールを利用する際に、仮想通貨RIFを手数料として使えます。
画像引用:CoinMarketCap
2021年4月に高値をつけた後、2022年11月まで下落を続けました。その後上下を繰り返しながら、2023年10月以降に上昇を続けています。
Lightning Networkはビットコインを高速送信するためのネットワークです。Lightning(稲妻)という名の通り取引速度が速く、1秒間に最大百万回もの取引を処理します。
2018年にローンチしたLightning Networkは、「ステートチャネル」という技術を利用しています。特定の参加者間でチャネルを開き、その中でビットコインを送受信します。一連の取引が終了したらチャネルを閉じ、ビットコインブロックチェーン上に取引記録を残します。
2023年、大手仮想通貨取引所のBinanceがLightning Networkでのビットコイン送金に対応したことが話題となりました。
Liquid Networkはビットコイン上のDeFiを実現するネットワークで、ブロックチェーン企業のBlockstreamが2018年にローンチしました。
ユーザーがビットコインをLiquid Networkに送ると、同量のL-BTC(Liquid Bitcoin)を受け取れます。L-BTCは、Liquid Network内のさまざまなDAppsで利用可能です。
ビットコインのレイヤー2では、主に以下3種類の仕組みが利用されています。
サイドチェーンは、独自のコンセンサスメカニズムを持つ独立したブロックチェーンです。双方向に行き来できる「橋」を経由して、ビットコインと接続されるイメージです。
橋のおかげで、ビットコインブロックチェーンとサイドチェーン間での資産移動が可能になります。
ビットコインの代表的なレイヤー2であるRootstockやLiquid Networkは、サイドチェーンです。
ステートチャネルは、特定の参加者間で「チャネル」を開き、チャネル中でビットコインを送受信する方法です。ここでのチャネルは、「データの通り道」という意味です。
チャネル内で繰り返されるビットコインの送受信はオフチェーンで記録され、ビットコインブロックチェーン上に記録されません。
このチャネルを閉じる時に初めて、参加者の開始残高と終了残高がビットコインブロックチェーンに報告され、正式に記録されます。
この方法により、ユーザーは取引のたびに高額な手数料を払うことなく、ビットコインを送受信できます。ステートチャネルは、Lightning Networkで利用されています。
ロールアップとは、多数の取引データを1つに統合した後、ビットコインブロックチェーンに記録する方法です。Rollupは「巻き上げる」という意味で、まさに多数の取引データを巻き上げて1つにまとめるので効率的です。
ロールアップには主に「Optimistic」と「ZK(Zero Knowleage)」という2種類の方法があります。
そうでないことが証明されない限り、統合された取引データはすべて有効であると仮定する方法です。
「有効性証明」と呼ばれる暗号学的な手法を使い、統合された取引データの有効性を証明する方法です。
ビットコインのレイヤー2にはさまざまなメリットがある反面、バグが発生するリスクがあります。例えば、2022年にLightning Networkにてノードのバグが発生し、一時的に送金できない事態に発展しました。
ビットコインブロックチェーン(レイヤー1)では、世界中に散らばった数多くのノードがネットワークを維持しています。これに対し、レイヤー2ネットワークでは、特定の送金についてわずか数人のノードしか関与しない場合があります。
ビットコインのレイヤー2は少数のノードに依存しているため、送金停止やハッキングのリスクがあります。
ノードとはブロックチェーンのネットワークを構成するコンピュータを指し、パソコンやスマホなどを含みます。ブロックチェーンを稼働させるために、ブロックの検証だけでなく取引情報の記録や情報伝達などの機能を提供します。
ビットコインのレイヤー2の将来性については、以下の点が挙げられます。
ビットコインは当記事執筆時点(2024年2月16日)でおよそ150兆円の時価総額を持ち、米国でビットコインETFが始まったことで、さらなる普及が見込まれています。
そんなビットコインを日常的に利用するためには、クレジットカード並の取引速度や手数料の低さが必要でしょう。つまり、将来的にビットコインが普及すればするほど、レイヤー2への需要は高まるものと想定できます。
ETFはExchange Traded Fundの略称で、日本語では上場投資信託と呼ばれます。その名の通り、上場株式と同様に取引できる投資信託です。そして、ビットコインを投資対象とするETFがビットコインETFです。
画像引用:CoinMarketCap
ビットコインはイーサリアムの約3倍の時価総額を持っている一方、ビットコインのレイヤー2は小規模です。
一方で、イーサリアムのレイヤー2はおよそ380億円の時価総額を誇り、仮想通貨の代表的なセクターとなっています。長期的には、ビットコインのレイヤー2もイーサリアム並に成長する可能性があるかもしれません。
ビットコインは米国ETFの承認や半減期への期待などで、金融業界全体から注目を集めています。ビットコインをより便利にするためのレイヤー2は、これから盛り上がる可能性がある分野と言えるでしょう。
従来、レイヤー2といえばイーサリアムが中心でしたが、2024年はビットコインのレイヤー2も注目を集めるかもしれません。
作成日
:2024.02.21
最終更新
:2024.04.24
2017年に初めてビットコインを購入し、2020年より仮想通貨投資を本格的に開始。国内外のメディアやSNSなどを中心に、日々最新情報を追っている。ビットコインへの投資をメインにしつつ、DeFiを使って資産運用中。
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