Select Language

ビットコインのレイヤー2とは?特徴・評判や主要な銘柄を解説

ビットコインのレイヤー2とは?特徴・評判や主要な銘柄を解説

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2024.02.29 11:38
ビットコインのレイヤー2とは?特徴・評判や主要な銘柄を解説

update 2024.02.29 11:38

ビットコイン(BTC)のレイヤー2とは、ビットコインブロックチェーン上に構築されたネットワークです。取引速度の向上や手数料の低減が可能で、SNSなどで注目を集めています。

本記事では、ビットコインレイヤー2の特徴や評判、主要プロジェクトなどを解説します。

ビットコインのレイヤー2とは?

ビットコインのレイヤー2とは、ビットコインブロックチェーン上に構築されたネットワークです。

レイヤーとは日本語で「層」を意味し、メインのブロックチェーンをレイヤー1(1枚目の層)として、その上にレイヤー2(2枚目の層)が存在するイメージです。

point レイヤー2

多くのブロックチェーンは、異なる役割を持つブロックチェーンが階層別に独立して相互通信する「レイヤー構造」になっています。基礎的な役割を担うブロックチェーン層をレイヤー1と呼び、レイヤー1の情報処理を助ける層をレイヤー2と呼びます。

レイヤー2

ビットコインの課題

ビットコインの取引手数料チャート
ビットコインの取引手数料チャート

画像引用:YCHARTS

ビットコインは仮想通貨で最大の時価総額を誇り、1億人以上が保有すると言われる一方、大きな課題があります。

課題とは、取引速度の遅さと手数料の高さです。当記事執筆時点(2024年2月16日)で、ビットコインの送信には40分の待ち時間が発生し、1回の取引手数料(ガス代)はおよそ7ドルです。

仮想通貨市場が過熱していた2021年4月には、ビットコインの送信に1時間以上かかり、取引手数料はおよそ60ドルでした。

ビットコイン本来の目的である「個人同士や店舗での決済」に利用することは難しいです。

スケーラビリティ問題を解決

ライトニングネットワーク

画像引用:Lightning Network

ビットコインのレイヤー2を使うと、取引速度の遅さと手数料の高さという2つの課題を解決できます。

Lightning Networkは代表的なビットコインレイヤー2で、TPS(1秒あたりの取引件数)は最大百万件です。さらに、取引手数料は0.001ドルです。

ちなみに、クレジットカードのVISAのTPSは1,500〜2,000とされており、Lightning Networkはクレジットカードに勝る取引速度です。

ビットコインでDeFiを実現

ビットコイン上のDeFi

画像引用:Stacks

レイヤー2の仕組みを使うと、ビットコインブロックチェーン上でDeFi(分散型金融)やNFTを利用可能です。

ビットコインはスマートコントラクトを実装しておらず、機能は限定的です。しかし、ビットコインレイヤー2を利用すると、ビットコインでもさまざまなDApps(分散型アプリ)を使えます。

SNS上での評判

ビットコインや関連銘柄の価格上昇を受け、ビットコインのレイヤー2はX(旧Twitter)などで注目を集めています。

なかには「2024年から2025年は、レイヤー2などのビットコイン関連プロジェクトが飛躍する」と、期待するコメントも見受けられました。

ビットコイン レイヤー2の主要銘柄一覧

さまざまなプロジェクトがビットコインのレイヤー2の開発を進めており、以下4つのプロジェクトは「ビッグ4」とも呼ばれる代表的な存在です。

  • Stacks(STX)
  • Rootstock(RIF)
  • Lightning Network
  • Liquid Network

Stacks(STX)

Stacksはビットコインブロックチェーン上に分散型アプリ(DApps)とスマートコントラクトを実装できます。Stacksとビットコインは別々のネットワークですが、互いに連携可能です。

仮想通貨STXを発行

Stacksは独自仮想通貨のSTXを発行しており、当記事執筆時点(2024年2月16日)で時価総額は約5300億円です。

仮想通貨STXをステーキングすると、報酬としてビットコインを獲得できます。

STXのチャート

STXのチャート
STXのチャート

画像引用:CoinMarketCap

STXは2021年12月に高値をつけて以来、長らく低迷していました。しかし、2023年12月頃よりビットコインの価格に後押しされるように高騰を続け、史上最高値を更新しています。

Rootstock(RIF)

Rootstockは2015年にローンチしたスマートコントラクトプラットフォームで、ビットコインレイヤー2のパイオニア的存在とも言われています。

EVMと互換性があり、イーサリアムの開発者はRootstockプラットフォーム上に容易にDAppsを構築可能です。

point EVM

EVMはEthereum Virtual Machineの略称で、日本語でイーサリアム仮想マシンと訳します。この技術を使って、スマートコントラクトの実行や管理が可能になります。

仮想通貨RIFを発行

Rootstockは独自仮想通貨RIFを発行しており、当記事執筆時点(2024年2月16日)で時価総額は約300億円です。

RootstockのDApps開発ツールを利用する際に、仮想通貨RIFを手数料として使えます。

RIFのチャート

RIFのチャート
RIFのチャート

画像引用:CoinMarketCap

2021年4月に高値をつけた後、2022年11月まで下落を続けました。その後上下を繰り返しながら、2023年10月以降に上昇を続けています。

Lightning Network

Lightning Networkはビットコインを高速送信するためのネットワークです。Lightning(稲妻)という名の通り取引速度が速く、1秒間に最大百万回もの取引を処理します。

2018年にローンチしたLightning Networkは、「ステートチャネル」という技術を利用しています。特定の参加者間でチャネルを開き、その中でビットコインを送受信します。一連の取引が終了したらチャネルを閉じ、ビットコインブロックチェーン上に取引記録を残します。

2023年、大手仮想通貨取引所のBinanceがLightning Networkでのビットコイン送金に対応したことが話題となりました。

Liquid Network

Liquid Networkはビットコイン上のDeFiを実現するネットワークで、ブロックチェーン企業のBlockstreamが2018年にローンチしました。

ユーザーがビットコインをLiquid Networkに送ると、同量のL-BTC(Liquid Bitcoin)を受け取れます。L-BTCは、Liquid Network内のさまざまなDAppsで利用可能です。

ビットコイン レイヤー2の特徴

ビットコインのレイヤー2では、主に以下3種類の仕組みが利用されています。

  • サイドチェーン(Sidechains)
  • ステートチャネル(State Channels)
  • ロールアップ(Rollups)

サイドチェーン(Sidechains)

サイドチェーンは、独自のコンセンサスメカニズムを持つ独立したブロックチェーンです。双方向に行き来できる「橋」を経由して、ビットコインと接続されるイメージです。

橋のおかげで、ビットコインブロックチェーンとサイドチェーン間での資産移動が可能になります。

ビットコインの代表的なレイヤー2であるRootstockやLiquid Networkは、サイドチェーンです。

ステートチャネル(State Channels)

ステートチャネルは、特定の参加者間で「チャネル」を開き、チャネル中でビットコインを送受信する方法です。ここでのチャネルは、「データの通り道」という意味です。

チャネル内で繰り返されるビットコインの送受信はオフチェーンで記録され、ビットコインブロックチェーン上に記録されません。

このチャネルを閉じる時に初めて、参加者の開始残高と終了残高がビットコインブロックチェーンに報告され、正式に記録されます。

この方法により、ユーザーは取引のたびに高額な手数料を払うことなく、ビットコインを送受信できます。ステートチャネルは、Lightning Networkで利用されています。

ロールアップ(Rollups)

ロールアップとは、多数の取引データを1つに統合した後、ビットコインブロックチェーンに記録する方法です。Rollupは「巻き上げる」という意味で、まさに多数の取引データを巻き上げて1つにまとめるので効率的です。

ロールアップには主に「Optimistic」と「ZK(Zero Knowleage)」という2種類の方法があります。

Optimistic rollups

そうでないことが証明されない限り、統合された取引データはすべて有効であると仮定する方法です。

ZK rollups

「有効性証明」と呼ばれる暗号学的な手法を使い、統合された取引データの有効性を証明する方法です。

ビットコイン レイヤー2のリスク

ビットコインのレイヤー2にはさまざまなメリットがある反面、バグが発生するリスクがあります。例えば、2022年にLightning Networkにてノードのバグが発生し、一時的に送金できない事態に発展しました。

ビットコインブロックチェーン(レイヤー1)では、世界中に散らばった数多くのノードがネットワークを維持しています。これに対し、レイヤー2ネットワークでは、特定の送金についてわずか数人のノードしか関与しない場合があります。

ビットコインのレイヤー2は少数のノードに依存しているため、送金停止やハッキングのリスクがあります。

point ノード

ノードとはブロックチェーンのネットワークを構成するコンピュータを指し、パソコンやスマホなどを含みます。ブロックチェーンを稼働させるために、ブロックの検証だけでなく取引情報の記録や情報伝達などの機能を提供します。

ビットコイン レイヤー2の将来性

ビットコインのレイヤー2の将来性については、以下の点が挙げられます。

  • ビットコインの重要性
  • イーサリアム レイヤー2との比較

ビットコインの重要性

ビットコインは当記事執筆時点(2024年2月16日)でおよそ150兆円の時価総額を持ち、米国でビットコインETFが始まったことで、さらなる普及が見込まれています。

そんなビットコインを日常的に利用するためには、クレジットカード並の取引速度や手数料の低さが必要でしょう。つまり、将来的にビットコインが普及すればするほど、レイヤー2への需要は高まるものと想定できます。

point ビットコインETFとは

ETFはExchange Traded Fundの略称で、日本語では上場投資信託と呼ばれます。その名の通り、上場株式と同様に取引できる投資信託です。そして、ビットコインを投資対象とするETFがビットコインETFです。

イーサリアム レイヤー2との比較

イーサリアムのレイヤー2銘柄
イーサリアムのレイヤー2銘柄

画像引用:CoinMarketCap

ビットコインはイーサリアムの約3倍の時価総額を持っている一方、ビットコインのレイヤー2は小規模です。

一方で、イーサリアムのレイヤー2はおよそ380億円の時価総額を誇り、仮想通貨の代表的なセクターとなっています。長期的には、ビットコインのレイヤー2もイーサリアム並に成長する可能性があるかもしれません。

ビットコインのレイヤー2は主役になるか

ビットコインは米国ETFの承認や半減期への期待などで、金融業界全体から注目を集めています。ビットコインをより便利にするためのレイヤー2は、これから盛り上がる可能性がある分野と言えるでしょう。

従来、レイヤー2といえばイーサリアムが中心でしたが、2024年はビットコインのレイヤー2も注目を集めるかもしれません。


Date

作成日

2024.02.21

Update

最終更新

2024.02.29

Myforex編集スタッフー仮想通貨担当ー

2017年に初めてビットコインを購入し、2020年より仮想通貨投資を本格的に開始。国内外のメディアやSNSなどを中心に、日々最新情報を追っている。ビットコインへの投資をメインにしつつ、DeFiを使って資産運用中。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

メタマスク(MetaMask)のエアドロップ確認機能とは?特徴や使い方を解説

分散型ウォレットのメタマスク(MetaMask)に、エアドロップ確認機能が追加されました。これにより、エアドロップの受け取り資格の有無を、メタマスク上で簡単にチェックすることが可能になっています。当記事では、エアドロップ確認機能の特徴や、対応しているブロックチェーン、使い方を解説します。
update2024.04.26 21:00

仮想通貨BBの将来性は?ビットコイン向けリステーキングチェーンBounceBitについて解説

仮想通貨(暗号資産)BBは、レイヤー1ブロックチェーンBounceBitのネイティブトークンです。BounceBitは、ビットコイン(BTC)をリステーキングできるインフラとして機能します。
update2024.04.25 20:00

セービングとステーキングの違いとは?仕組みや利率・やり方を解説

仮想通貨(暗号資産)を運用する代表的なサービスとして「セービング」と「ステーキング」があります。よく似た両者には、どのような違いがあるのでしょうか。当記事では、セービングとステーキングの違いや仕組み、利率、やり方などを解説します。
update2024.04.25 19:30

Zoomexがプレイ金額杯を開催!To The Moonをプレイして総額17万円相当の賞金・特典を獲得

Zoomex(ズーメックス)が、プレイ金額杯の開催を発表しました。To The Moonをプレイしてランキングに入賞すると、総額17万円相当の賞金・特典を獲得できます。キャンペーンは、2024年4月30日午前9時(日本時間)までです。
update2024.04.23 20:00

BigBossが新規ユーザー向けの入金ボーナスを提供!最大1万3,700ドルを付与

海外FX業者のBigBossが入金ボーナスの提供を開始します。今回のボーナスプログラムでは累積入金額によって付与率が変化し、最大1万3,700ドルが付与されます。入金ボーナスの付与条件や対象、注意点などをまとめました。
update2024.04.22 20:30

ThreeTraderが3周年を記念したキャンペーンを開催!

海外FX業者のThreeTraderが、3周年を記念したキャンペーンの第一弾を開催しています。キャンペーン期間中に本人確認審査を完了、または初回入金を行うと合計20ドルのキャッシュバックを受け取れます。
update2024.04.19 21:00

Bybitの新ローンチパッドに仮想通貨PBUXが登場!参加方法やPlaybuxの独自トークンについて解説

Bybitのローンチパッドに仮想通貨PBUXが登場します。PBUXは、エンターテインメントWeb3.0プラットフォーム「Playbux」の独自トークンです。計測開始日時は2024年4月18日午前9時からです。
update2024.04.18 21:00

XS.comが賞金総額100万円のデモトレード大会「Lucky Contest」を開催!

海外FX業者のXS.comが、2024年4月29日よりデモトレード大会「Lucky Contest」を開催します。上位5名などには総額100万円の賞金が贈られます。
update2024.04.17 20:00

仮想通貨OMNIの将来性は?ロールアップを統合するレイヤー1ブロックチェーンについて解説

仮想通貨OMNIは、イーサリアムのロールアップを統合するブロックチェーン、Omni Networkのネイティブトークンです。Omni Networkを使用すると、イーサリアムの流動性とユーザーにアクセスできるグローバルアプリケーションを構築できます。
update2024.04.16 21:00

メタマスクにリップル(XRP)は送金できる?メタマスクの対応ブロックチェーンについて解説

メタマスク(MetaMask)は、複数の仮想通貨(暗号資産)を管理できる人気の高い仮想通貨ウォレットですが、メタマスクにリップル(XRP)は送金できるのでしょうか。
update2024.04.16 20:00
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル