作成日
:2024.02.20
2024.06.17 14:59
海外FX業者のLand-Prime(ランドプライム)が、2024年2月からスワップフリー口座を廃止しました。
スワップフリー口座はユーザーに人気のサービスですが、海外FX業者の負担が大きくサービスが変更されやすいため注意が必要です。
この記事では、Land-Primeのスワップフリー口座廃止で既存ポジションはどうなるのか、スワップフリー目的で利用していた人の乗り換え先にはどのような海外FX業者があるかなどを紹介します。
Land-Prime(ランドプライム)はこれまで、プロ口座・ECN口座・スワップフリー口座の3種類の口座タイプを提供していましたが、現在では公式サイトでスワップフリー口座の表示が消えています。
スワップフリー口座の利用者に対して個別に案内があった可能性はありますが、一般ユーザーにはメール等での告知はありませんでした。
Land-Primeのカスタマーサポートに問い合わせたところ、特定の地域限定でスワップフリー口座を廃止したとのことです。地域によっては継続して提供されているため、英語版の公式サイトにはまだスワップフリー口座が掲載されています。
Land-Primeのように地域によってサービス内容を調整している海外FX業者の場合、自分が利用できるサービスについて正確な情報が得られないこともあります。その場合、チャットで日本語サポートを希望するか、日本語スタッフがいない場合はメールで問い合わせをすることをおすすめします。
スワップフリーはユーザーには人気のサービスですが、海外FX業者にとっては負担になります。海外FX業者がカバー取引をしている場合はリクイディティプロバイダーにスワップポイントを払う必要があるからです。
カバー取引とは、海外FX業者が銀行などの金融機関に顧客のポジションと同じポジションを発注してリスクヘッジを行うことです。
そのため、Exness(エクスネス)やXMTrading(エックスエムトレーディング)などスワップフリーを提供しているほかの海外FX業者でも、長期でポジションを保有した場合などに個別の判断でスワップフリーの適用を除外されてしまうこともあります。
Land-Primeがスワップフリー口座を廃止した理由は公表されていませんが、ブローカー側の負担が大きかったためではないかと考えられます。
Land-Primeに問い合わせたところ、スワップフリー口座の廃止前に保有していたポジションにはスワップフリーが適用されますが、今後の新規ポジションには適用されないということです。
Land-Primeのスワップフリー口座はもともと、ポジションを1週間以上保有している場合には自動的にスタンダード口座に変更されてしまう仕様で、スワップフリーは短期トレード用の限定的なサービスでした。
スワップフリーを継続して利用したい方は、ほかの海外FX業者の利用を検討するべきでしょう。
スワップフリーは以下のような大手海外FX業者も提供しています。口座タイプや対象銘柄、取引条件等の制限があることが多いので、利用の際は注意が必要です。
海外FX業者 | スワップフリーの対象 |
---|---|
Exness |
一部のFX通貨ペア
ゴールド
仮想通貨
株式
インデックス
|
XMTrading |
一部のFX通貨ペア
貴金属
|
FXGT |
一部のFX通貨ペア
エネルギー
株価指数
貴金属
|
HFM |
一部のFX通貨ペア
ゴールド
原油
|
長期的にドル円の価格が下がる可能性が高いとみられている局面では、ドル円ショートをスワップフリーで長期保有する戦略も考えられます。ただし、スワップフリーのサービスでは長期保有すると適用対象外にされてしまうリスクがあります。
Exness(エクスネス)は、最初にスワップフリーを提供した海外FX業者です。全口座タイプが対象なので利用しやすくなっています。
数年前までスワップフリーはイスラム口座(利子を受け取ることができないイスラム教徒向けのサービス)に限定されていました。しかし、一般ユーザーからの需要が高まったことで一般人向けのサービスとして提供され始めました。
Exnessのスワップフリーサービスには「スタンダードスワップフリー」と「優待スワップフリー」の2種類があります。
「優待スワップフリー」はスワップフリーになる銘柄が多く、口座開設をするとデフォルトで利用できるので人気が高いです。
スワップフリーの種類 | 対象 |
---|---|
スタンダードスワップフリー |
ビットコインのクロスペアを除く仮想通貨
(BTCUSD、ETHUSD、LTCUSD)
|
優待スワップフリー |
【メジャー通貨】
AUDUSD、EURUSD、GBPUSD、NZDUSD、USDCAD、USDCHF、USDJPY
【マイナー通貨】
AUDNZD、EURCHF、GBPJPY、AUDCHF、AUDJPY、EURAUD、EURCAD、EURGBP、EURJPY、EURNZD、GBPCHF、GBPNZD、NZDJPY、NZDCAD
【貴金属】
XAUUSD
【仮想通貨・インデックス】
すべて
|
先ほど紹介した通り、スワップフリーは海外FX業者にとって負担の大きいサービスです。そのため、取引活動が少なかったなどの理由で「スタンダードスワップフリー」に引き下げられる可能性があります。
Exnessでは、マイページでどちらのスワップフリーが提供されるか確認することができます。
XMTrading(エックスエムトレーディング)は、Exnessのスワップフリーがユーザーに好評だったことを受けて、新しい口座タイプの「KIWAMI極口座」でスワップフリーを始めました。
KIWAMI極口座では、よく取引されるFX通貨ペアと貴金属がスワップフリーとなっています。
スワップフリーの対象外になるのは以下のようなエキゾチック通貨を含む通貨ペアなので、一般的な海外FX業者で提供されているFX通貨ペアではほとんどスワップフリーが利用できます。
シンボル | 通貨名 |
---|---|
SGD | シンガポールドル |
DKK | デンマーク・クローネ |
HKD | 香港ドル |
HUF | ハンガリー・フォリント |
NOK | ノルウェー・クローネ |
PLN | ポーランド・ズロチ |
SEK | スウェーデン・クローナ |
TRY | トルコ・リラ |
ZAR | 南アフリカ・ランド |
CNH | オフショア人民元 |
MXN | メキシコ・ペソ |
XMTradingのスワップフリーは日数制限なしとされていますが、マイナススワップのポジションを長期保有していた場合、数週間~数か月でスワップフリーの資格が取り消されるようです。
FXGT(エフエックスジーティー)は、PRO口座とECN口座で日数限定のスワップフリーを提供しています。口座タイプによって対象の銘柄と適用される日数が異なり、PRO口座の方が有利です。
対象 | PRO口座 | ECN口座 |
---|---|---|
一部のFX通貨ペア | 6日 | 適用なし |
エネルギー | ||
株価指数 | 3日 | |
貴金属 | ゴールド:3日 |
PRO口座
一部のFX通貨ペア | 6日 |
エネルギー | |
株価指数 | |
貴金属 |
ECN口座
一部のFX通貨ペア | 適用なし |
エネルギー | 適用なし |
株価指数 | 3日 |
貴金属 | ゴールド:3日 |
FXペアは、円やエキゾチック通貨を含む通貨ペアがスワップフリーの対象外なので、ほかの海外FX業者と比較するとメリットが薄くなっています。
コロナ禍に行った景気対策の影響で世界各国は政策金利を引き上げています。一方、日本は低金利政策を維持しているため、円が含まれる通貨ペアのスワップポイントは高く設定されています。そのため海外FX業者のスワップフリーの負担が多く、適用除外となっているケースが多いです。
ExnessやXMTradingと比べると日数は短いですが、アカウントごとではなくポジションごとの判定になりますので、一度スワップフリー適用除外になっても新しくポジションを持てば再度適用になるというメリットがあります。
HFMもトップアップボーナス口座以外の全口座を対象にスワップフリーを提供しています。対象は主にFX通貨ペアですが、ほかにも人気のあるゴールドとブレント原油にも適用されます。
ジャンル | スワップフリー対象 |
---|---|
FX通貨ペア | AUDNZD, AUDUSD, EURCHF, EURUSD, GBPJPY, GBPUSD, NZDUSD, USDCAD, USDCHF, USDJPY, AUDCHF, AUDJPY, EURAUD, EURCAD, EURGBP, EURJPY, EURNZD, GBPCHF, GBPNZD, NZDJPY, NZDCAD |
貴金属 | ゴールド(XAUUSD) |
エネルギー |
WTI原油(USOIL)
ブレント原油(UKOIL)
|
期間の定めは設定されていませんが、利用条件として「独自の裁量により、スワップフリー条件を撤回する権利を有します。」と明記されています。
Exness(エクスネス)が最初にスワップフリーを提供したのを皮切りに、XMTrading(エックスエムトレーディング)やFXGT(エフエックスジーティー)などの大手海外FX業者が続々とスワップフリーの提供を開始しました。
スワップフリーはユーザーからは人気のサービスですが、やはり海外FX業者の負担が大きいため、規模を縮小する海外FX業者も出てきています。
2023年6月にはFXGTも、スワップフリーの対象口座からスタンダード+口座とミニ口座を除外していました。
対象銘柄も頻繁に変更されているため、スワップフリーのサービスを利用する方は、スワップフリーが継続されているか定期的に確認することをおすすめします。
作成日
:2024.02.20
最終更新
:2024.06.17
短期が中心のトレーダーや中長期が中心のトレーダー、元プロップトレーダー、インジケーターやEAの自作を行うエンジニアなどが在籍。資金を溶かした失敗や専業トレーダーに転身した経験など、実体験も踏まえてコンテンツを制作している。
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