作成日
:2023.08.10
2024.04.20 18:47
仮想通貨(暗号資産)ADAPは、adapps(アダップス)が発行予定の独自仮想通貨です。adappsは広告業界を変えるプロジェクトという触れ込みであるものの、一部インフルエンサーの煽りと思われる行為が発生し、怪しい点が多々見受けられます。
今後、独自NFTのプライベートセールやプレセールが実施されるようですが、このようなプロジェクトとはどのように向き合えば良いのでしょうか。
当記事では、adappsの概要や特徴、仕組み、プロジェクトとして怪しい点などを紹介します。また、インフルエンサーの煽り行為に乗らないための、投資判断のコツなども総合的に解説します。
仮想通貨(暗号資産)ADAPは、adappsが発行する独自の仮想通貨です。
画像引用:adapps公式Twitter
adappsは、ad(広告)とdapps(分散型アプリケーション)から名付けられました。その名の通り、DAppsを用いて広告活動を行うプラットフォームです。
adappsは、広告主とユーザーを結びつけます。広告主は、Web3.0の世界で広告キャンペーンを展開します。ユーザーは、アプリのダウンロードやゲームプレイ、広告の視聴、タスクなどを実行することで報酬を獲得できます。
Web3.0とは分権化された次世代のインターネット環境を指します。現代の中央集権型インターネット環境(Web2.0)は、大手IT企業が強い影響力を持っています。その一方、Web3.0では個々のユーザーが重要な役割を担います。
adappsに参加して報酬を獲得するには、独自のNFTが必要となります。
画像引用:adapps公式Twitter
adappsのNFTは、OpenSeaで取引できるとしています。これらのNFTには、5つの種類があり、それぞれ価値が異なります。より高価なNFTの方が報酬の分配が大きくなります。
adappsは、専用ウォレットの開発を進めています。adappsの公式Twitterによると、2023年後半にリリースされる予定となっています。
画像引用:adapps公式Twitter
この専用ウォレットを利用すれば、仮想通貨やNFTを簡単かつ安全に、保管・管理できるとしています。詳細は明らかにされていませんが、adappsの核となるサービスだと考えられます。
adappsには、怪しい点がいくつかあります。具体的には、次のようなポイントが挙げられます。
YouTube(ユーチューブ)上では、インフルエンサーによる煽りと思われる行為が発生しています。
あるインフルエンサーは、adappsに参加することで「参加費の最低150〜250%の利回りを確実に得られる」と動画に投稿しています。また、プライベートセールの情報を共有する動画も投稿されており、adappsのNFTの購入を促しています。
インフルエンサーによる煽り行為が発生している一方で、仮想通貨ADAPやadappsはほとんど話題になっていません。Twitter(ツイッター)で検索しても、adappsに関するツイートをしている第三者は非常に少ない状況です。
adappsは、専用NFTの保有者に利益が分配されると説明しています。NFTの価格は120USDT〜8万USDTと幅広いですが、いずれも非常に高い利回りの報酬が約束されています。
例えば、120USDTのNFTであれば、年間144ドルのリターンがあります。年利換算だと120%です。8万USDTのNFTであれば、年間14万4,000ドルのリターンとなるため、年利は180%となります。
また、120USDTのNFTは除き、その他のNFT保有者への報酬は、独自トークンのADAPとUSDTの2種類で配布されます。
このようなハイリターンな利益分配は維持するのが難しく、エコシステムが破綻する可能性があります。
注目の仮想通貨プロジェクトは、ローンチ前からメディアへの露出が高まっていきます。しかし、adappsは仮想通貨メディアへの露出がほとんどありません。
それに加えて、プロジェクトの情報があまり公開されておらず、不透明な状況となっています。
adappsは、Twitterアカウントを運用しています。公式アカウントは、2023年6月に立ち上げられたもので、フォロワーは1,500人程度です。
画像引用:adapps公式Twitter
フォロワーが少ないこと自体は問題ではないのですが、当記事執筆時点(2023年8月10日)では投稿数は53件と少ないです。他のプロジェクトと比較すると、adappsのSNSでの取り組みは消極的な印象があります。
インフルエンサーによる仮想通貨の買い煽りは、日常的に発生しています。本心からおすすめしているインフルエンサーもいると考えられますが、案件などのインセンティブによって推しているケースも多々あります。
投資家は買い煽りに乗せられないように、仮想通貨やプロジェクトに対して正しく投資判断を下さなければなりません。
そのためには、いくつかのチェックポイントを持っておくのが良いでしょう。例としては、次のような項目が挙げられます。
AMAとは、Ask Me Anythingの略称で、日本語で「なんでも聞いてください」という意味です。プロジェクトの創設者や開発者がライブ配信でユーザーの質問に回答します。
上記の項目は、ほんの一例です。自分でチェックポイントを設けると、詐欺的な仮想通貨を判断できる確率が高まります。
その上で、将来性やコンセプトに価値を見出せれば、そのプロジェクトへの投資を初めて検討します。いずれにせよ、優良なプロジェクトはそう多くないので、買い煽られても焦る気持ちを抑え、慎重になるのが重要です。
仮想通貨(暗号資産)ADAPは、ポリゴン(MATIC)で発行される仮想通貨です。90億ADAPを上限に、発行される見込みです。ADAPは、主にadappsユーザーへの報酬として払い出されます。
ADAPは、adappsのエコシステム内で利用可能です。次のような用途が挙げられます。
サービスのリリース前は、ステーブルコインでNFTが購入可能です。しかし、その後は、基本的にADAPがNFTの購入に利用されるようになります。
adappsのアカウントには、VIPレベルが設定されています。 VIPレベルを向上させるには、ADAPを消費しなければなりません。VIPレベルが上がると、報酬が増えたり、限定イベントに参加できたり、限定アイテムを獲得できたりするメリットがあります。
adappsのNFTに関しても、レベルが設けられています。レベルを上げるためにはADAPを消費し、「Fame」と呼ばれる特定のアイテムを購入する必要があります。レベルが上がれば、より多くの報酬やレベル達成報酬を獲得できます。
adappsのウォレットから外部へ送金する際には、0.6%の手数料がかかります。ユーザーは、この手数料をADAPで支払う必要があります。
サービスのリリース後、新たに販売されるadappsのNFTは、ある一定周期で更新手続きをする必要があります。更新するには、ADAPを更新料として支払わなければなりません。更新料は、NFTの種類やレベル、ランクなどによって変動します。
adappsの仕組みは、大まかに以下のようになっています。
ユーザーは、保有するNFTをステーキングすると、報酬分配の対象となります。adappsは、NFTの売上や広告料などで収益を確保し、それを原資にUSDTとADAPで報酬を分配します。
どれぐらいの報酬があるかは、保有するNFTによって異なります。
adappsの収入源は、次の通りです。想定される収益規模の大きさの順で記載しています。
広告リクエストは、adappsを通じたアプリのプロモーションです。広告主は、ユーザー獲得単価と達成率に応じて、サービス料を支払います。
例えば、ユーザー獲得単価が20ドルで、目標ダウンロード数が1万であれば、サービス料は20万ドルです。adappsは、ユーザーにアプリのダウンロードを促し、報酬を分配します。
ユーザーは、週1回(月間4回)指定されたアプリをダウンロードできます。保有するNFTの「ダウンロードごとの報酬」に従って、報酬の分配を受けます。
adappsは、簡易的なロードマップを公開しています。それによると、2023年9月中に、NFTのリリース、Webサイトのリニューアル、エアドロップを予定しています。
エアドロップとは仮想通貨の無償配布を指します。知名度向上などを目的として新規プロジェクトが実施する例が多く、仮想通貨をもらうには公式ツイッターをフォローすることなど一定の条件がつく場合もあります。
その他、スペシャルイベントの開催やアプリのリリースなどが計画されています。
adappsの特徴としては、以下のようなものが挙げられます。
adappsは、DeFi(分散型金融)関連の機能を統合します。具体的には、DEX(分散型取引所)や仮想通貨レンディング、流動性マイニング、ファーミングなどが例として言及されています。
流動性マイニングとは、DEXなどに2種類の仮想通貨をペアで貸し出して流動性を提供することです。「イールドファーミング」とほぼ同義の言葉として使われます。流動性の提供と引き換えに独自仮想通貨を報酬として獲得できる一方、価格変動で損失を被ることもあります。
これらのDeFi機能が実装されれば、より便利にadappsを利用したり、受動的な収入を得る手段が提供されます。
adappsは、複数のブロックチェーンに対応するだけでなく、クロスチェーンブリッジをサポートし、ブロックチェーン間の相互運用性向上を試みます。
クロスチェーンブリッジとは、複数のブロックチェーンをつないで規格の異なる仮想通貨を相互に利用可能にする技術です。この技術が普及すれば、ブロックチェーンを跨いで仮想通貨をやり取りできます。ブロックチェーンが乱立している現在、クロスチェーンブリッジは重要な存在です。
クロスチェーンブリッジが実装されれば、ブロックチェーンを越えての仮想通貨の送金などが可能となります。
adappsは、アプリの機能追加やアップグレードなどを行う際、コミュニティでの投票メカニズムを組み込む可能性があります。
仮想通貨市場では、このような形態の組織をDAO(自律分散型組織)と呼びます。DAOを活用したプロジェクト運営は、仮想通貨市場で一般的に広く受け入れられています。
DAOは、Decentralized Autonomous Organizationの略で、日本語で「自律分散型組織」と訳されます。つまり、中央管理者が存在しなくとも、参加者の活動によって機能する組織を指します。中央集権型の組織と比較して民主的で透明性が高いと見なされており、ブロックチェーンの普及で広く採用されています。
adappsは、専用NFTをステーキングし、特定のアプリをダウンロードしたりすることで、報酬を得られる仕組みです。しかし、得られる利回りが異常に高いため、エコシステム全体が崩壊しないかが懸念点となっています。
adappsは、広告主からの収益などでエコシステムを支えると説明していますが、どの程度の顧客が付いているかわからず、その実力は未知数だといえるでしょう。それができなければ、adappsのエコシステムは崩壊してしまう可能性が高いと考えられます。
作成日
:2023.08.10
最終更新
:2024.04.20
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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