作成日
:2023.07.19
2023.07.19 17:33
ポリゴン(Polygon)は、イーサリアムのスケーラビリティ問題を解決するために開発されたスケーリングソリューションです。MATICは、そのポリゴンネットワークで使用されるネイティブトークンとなっています。
ポリゴンでは、PoS(プルーフ・オブ・ステーク)を採用しているため、保有しているMATICをステーキングし、利回りを得ることができます。当記事では、MATICをステーキングする方法や利率、ステーキングする上でのリスクなどを解説します。
画像引用:Polygon
ポリゴン(MATIC)とは、高速処理・低コストを実現したイーサリアムのサイドチェーンです。
サイドチェーンとは、仮想通貨(暗号資産)のブロックチェーンにおける側鎖のことであり、ブロックチェーンの機能を拡張することを目的として開発された技術です。サイドチェーンに新たな技術を組み込むことで仮想通貨に新機能を持たせることができるほか、ブロックの承認時間の短縮による送金時間短縮や送金手数料削減というメリットがあります。
もともとはMatic Networkという名前でローンチされましたが、その後ポリゴン(Polygon)にリブランドされました。
当記事執筆現在(2023年7月13日)、仮想通貨(暗号資産)市場の時価総額ランキングで10位に位置しており、人気の高いプロジェクトです。2023年6月12日には、「Polygon 2.0」と呼ばれるアップグレード計画が発表され、今後もさらなる発展が期待できます。
ステーキングとは、PoS(プルーフ・オブ・ステーク)のブロックチェーンに仮想通貨(暗号資産)を預け入れ、承認システムに貢献して報酬を得る行為です。ステーキングすると新しいトランザクションの検証やブロック生成に参加でき、ネットワークから報酬を得られます。
PoSはブロック生成ルールの1つです。ビットコイン(BTC)などが採用するPoW(プルーフ・オブ・ワーク)と比較して、電力消費が少ない点や拡張性が高い点などで注目されています。
ポリゴンは、PoSをコンセンサスアルゴリズムとしているブロックチェーンです。ユーザーは保有しているMATICをネットワーク上に預け入れ、承認システムに貢献しながらステーキング報酬を獲得できます。
コンセンサスアルゴリズムとは、ブロックを生成するためのルールです。PoWやPoSに加え、DPoS(デリゲーテッド・プルーフ・オブ・ステーク)やPoI(プルーフ・オブ・インポータンス)などが存在します。それぞれ長所や短所があり、開発思想などの違いによって採用するコンセンサスアルゴリズムが変わってきます。
ポリゴン(MATIC)のステーキングに参加する方法としては、以下が挙げられます。
バリデーターとして、ネットワークにMATICを預け入れて検証作業に参加すれば、ステーキング報酬を獲得できます。
イーサリアムネットワークのバリデーターになるには、最低32ETHを保有する必要があるなど、一般個人にはハードルが高いです。一方、ポリゴンでは最低1MATICを保有していればよく、バリデーターになるための要件が低い特徴があります。
ただし、バリデーターになるためには、自身でコンピュータの設定・管理などを行う必要があるため、上級者向けの方法です。
一般的な意味でのバリデータとは、仮想通貨ブロックチェーンのブロック生成やトランザクション(取引)データの内容が正しいのかを検証し承認するノード(端末)のことです。
主にコンセンサスアルゴリズムにPoS(プルーフ・オブ・ステーク)を採用する仮想通貨で採用されており、PoW(プルーフ・オブ・ワーク)でマイニングを行うマイナーと同様の役割を担っています。
また、ポリゴンネットワークでは、バリデーターの数を100までに制限しています。当記事執筆現在(2023年7月13日)、ポリゴン公式サイトでは「現在、Polygon PoSで利用可能なバリデーターの枠はない」と記載されています。
そのため、バリデーターになってステーキング報酬を獲得するのは、現状では難しいでしょう。
バリデーターになれない場合でも、すでに活動しているバリデーターにMATICを預け、ステーキングを委任(デリゲート)することができます。このステーキングを委任するユーザーは、デリゲーターと呼ばれます。
ステーキングを委任すれば、預け入れたMATICの数量に応じて報酬を得られます。デリゲートの手続きはそこまで難しくなく、ポリゴンのステーキング専用ページにウォレットを接続し、委任するバリデーターを選択してMATICを預ければ、手続きは完了です。
リキッドステーキングを使い、MATICを運用することも可能です。
リキッドステーキングとはその名前のとおり「流動性のあるステーキング」です。通常のステーキングでは、預け入れた仮想通貨がロックされる一方、リキッドステーキングでは、それと等価のLSTを現金化したり、送金したり、運用することができます。
リキッドステーキングを利用すれば、MATICの価格と連動するリキッドステーキングトークン(LST)が配布されます。
リキッドステーキングトークンは、市場で売却したり、他のDEX(分散型取引所)などで運用し、さらなる利回りを得ることも可能です。そのため、通常のステーキングよりも柔軟性の高い運用ができるでしょう。
リキッドステーキングプロトコルの中でも、最も有名なのはLido(ライド)です。LidoでMATICをステーキングすると、stMATICというトークンがユーザーに配布されます。
MATICのステーキングサービスを提供している取引所もあります。アカウント内にあるMATICをプラットフォーム上で預けるだけなので、誰でも簡単にステーキングができます。
取引所のステーキングサービスを使う場合、海外取引所を利用するのが一般的です。海外取引所の中でも、日本語対応しているBybit(バイビット)が使いやすくおすすめです。
MATICは、どのくらいの利率でステーキングできるのでしょうか。当記事執筆時点(2023年7月13日)における、取引所やリキッドステーキングなどの利率は以下の通りです。
名称 | 年率 |
---|---|
Bybit | 1.65% |
Binance |
・フレキシブル:0.39%
・期間固定:3.40〜6.50%
|
Lido | 4.30% |
Ankr Staking | 4.15% |
バリデーター | 4.95% |
デリゲーター | 〜4.7235% |
上記のように、利用するサービスによって利回りは大きく異なります。
Bybit(バイビット)が提供しているのは、預けたMATICをいつでも引き出せる積立ステーキングです。Binance(バイナンス)の方が高い利率を提供していますが、利回りの高いステーキングサービスはトークンのロック期間があるため注意が必要です。
取引所のサービスと比較すると、Lido(ライド)などのリキッドステーキングを使ったり、デリゲーターになった方が高い年率でMATICを運用できる可能性があります。
手軽にMATICをステーキングしたい方は取引所、高い利回りで運用したい場合はリキッドステーキングやデリゲートなどを検討してもよいでしょう。
MATICをステーキングする上で、以下のようなリスクがあります。
バリデーターもしくはデリゲーターとしてステーキングしたMATICは、すぐに引き出すことはできません。ステーキング解除の手続き後、待機期間を経てから引き出しが可能となります。
待機期間は、おおよそ3〜4日程度とされています。価格変動の激しい仮想通貨(暗号資産)市場においては、この待機期間はリスクとなり得ます。
ポリゴンのステーキングに参加するには、ルールに従わなければいけません。もし、バリデーターがルールに違反したり、不正な行為を行うと、預け入れたMATICが没収される可能性があります。これをスラッシングといいます。
スラッシングはバリデーターのみに課されるペナルティではなく、そのバリデーターにMATICを預けたデリゲーターも対象となります。
そのため、デリゲートする際には、運用実績やユーザーの支持などを参考に、信頼できるバリデーターを選ぶことが大切です。
中央集権取引所が提供するステーキングサービスを利用する場合、カウンターパーティーリスクの存在を理解しておく必要があります。
取引相手(カウンターパーティー)の債務不履行や詐欺などのリスクを指します。FTXの経営破綻以降、中央集権型取引所などのカウンターパーティーリスクへの警戒感が高まっています。
もし、Bybit(バイビット)やBinance(バイナンス)などの取引所に何かしらの問題が生じた場合、ユーザーが損失を被る可能性があります。
リキッドステーキングトークンは、基本的にネイティブトークンと1:1の価格になるよう連動します。しかし、短期間で大きな売り圧が発生した場合、ネイティブトークンとの価格乖離を起こす危険性があります。
画像引用:CoinMarketCap
上記は、Lido(ライド)が発行するstETH/ETHのチャートです。2022年6月から7月にかけて、大手仮想通貨レンディングCelsius Networkの経営破綻が噂となり、大きな売り圧が発生して価格を下落させました。
Celsius Networkは中央集権型の仮想通貨レンディングサービスです。経営破綻に伴い、大量に抱えるstETHの精算リスクが高まりました。最終的に破産申請しましたが、stETHの価格崩壊は起きませんでした。
stMATICに関しても、MATICとの価格乖離が発生する危険性をはらんでいます。
個人でも比較的使いやすい、Bybit(バイビット)のステーキングサービスの利用方法を解説します。
以下のリンクをクリックし、Bybitの公式ページにアクセスします。
「ファイナンス」の中の「資産運用」にカーソルを合わせ、表示される「Bybitステーキング」をクリックします。
Bybitステーキング画面を下にスクロールして、「積立」をクリックします。
Bybitステーキングで提供されている銘柄の中から、MATICの「ステーキングする」ボタンをクリックします。
「金額」欄にステーキングしたい金額を入力し、サービス規約に同意(チェック)の上、「ステーキングする」を押せば購入が完了します。あとは毎日、報酬が口座に振り込まれるのを待ちます。
ステーキングに参加するには、資金調達アカウント内に資金が必要です。現物アカウントやデリバティブアカウントから振替で入金できます。
ポリゴン(MATIC)をステーキングすることで、安定的な利回りが見込めます。特に長期目線でMATICを保有している方は、ステーキングでの運用を検討してもよいでしょう。
ステーキングにもいくつかの種類があるため、使いやすさやリスクなどを検討した上で、自分に合った方法で運用するのがおすすめです。
作成日
:2023.07.19
最終更新
:2023.07.19
2017年に初めてビットコインを購入し、2020年より仮想通貨投資を本格的に開始。国内外のメディアやSNSなどを中心に、日々最新情報を追っている。ビットコインへの投資をメインにしつつ、DeFiを使って資産運用中。
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