作成日
:2023.07.11
2023.07.11 10:23
TOKIは、将来的に発行が見込まれている仮想通貨(暗号資産)です。プロジェクトの名称でもあり、ブロックチェーンをまたぐ取引の効率化を支援します。
三菱UFJ信託銀行と提携し、同行のステーブルコイン発行をサポートしていることで注目されています。
当記事では、TOKIの特徴やプロジェクトの概要について解説します。
TOKIとは、複数のブロックチェーンに流動性を提供するプロジェクトであり、発行される仮想通貨の名称もTOKIです。
流動性とは特定の資産が取引可能かどうかを示します。流動性があれば資産を売却したり買ったりできますし、流動性がなければ、売買できません。
また、CosmosブロックチェーンのIBCを使っているという特徴もあります。
IBCとはブロックチェーン相互間の運用性を高める技術で、Cosmosで採用されています。
画像引用:TOKI
TOKIはProgmatとの提携発表で注目を集めました。
2023年6月2日、TOKIと三菱UFJ信託銀行の提携が発表されました。三菱UFJ信託銀行は分散型台帳を利用した金融インフラ構築を目指しており、ステーブルコイン開発でTOKIと手を組みました。
三菱UFJ信託銀行の金融インフラ事業はPrgoma(プログマ)といい、ステーブルコインだけでなく、セキュリティトークンやユーティリティトークンを含みます。
また、日本取引所グループ、三井住友銀行やみずほ銀行など、日本の200社以上の企業が参加しています。
TOKIはこのProgmatとの提携プロジェクトを第一弾と位置付け、今後日本以外での展開を計画しています。
TOKIを使うと、異なるチェーン間の通信が可能になり、複数のブロックチェーンに展開しているDEX(分散型取引所)などが使いやすくなります。
クロスチェーンについて、TOKIは以下の新技術を導入しています。
一般的なクロスチェーンブリッジでは、ブリッジプロトコル内のノードが安全性を確保しています。しかし、ノードの脆弱性を突いたハッキングが発生しており、TOKIは複数の対策を施しています。
ノードとはブロックチェーンのネットワークを構成するコンピュータを指し、パソコンやスマホなどを含みます。ブロックチェーンを稼働させるために、ブロックの検証だけでなく取引情報の記録や情報伝達などの機能を提供します。
例えば、脆弱性がある検証ノードや最新の状態でない検証ノードを、自動的に除外できます。
また、ハッキングでは暗号鍵の漏洩が原因になりますが、TOKIのノードの秘密鍵は外部からアクセスできません。秘密鍵に対応する公開鍵は有効期限が過ぎると無効化され、定期的に更新されます。
こうして、TOKIは脆弱性を克服しています。
従来のクロスチェーンDEXではブロックチェーンごとに流動性を提供しており、流動性が相互に分離されて断片化していました。しかし、TOKIでは断片化しません。
また、従来は2つの仮想通貨をペアで預け入れるのが一般的でしたが、1種類の仮想通貨で流動性を提供できます。
こうしてスリッページを抑え、インパーマネントロスもなくなります。以上から、TOKIでは資本効率の改善が期待されています。
スリッページとは、発注時の価格と異なる価格で約定すること、またはその際に生じた価格のずれを指します。
流動性を提供するにあたって、2種類の仮想通貨を預け入れます。その後、外部ユーザーの利用に伴い、2種類の仮想通貨の数量比が変化していきます。このため、流動性の提供を停止して2種類の仮想通貨を引き出すと、当初預けた数量比と異なることがあります。この変化によって生じる損失を、インパーマネントロスと呼びます。
TOKIではラップドトークンを使わずに仮想通貨を交換できます。ラップの手間や手数料がかからず、ユーザー満足度を改善できます。
ラップドトークンとは、特定の仮想通貨の価値に連動するトークンを指します。例えば、ビットコインはビットコインブロックチェーン上で流通し、イーサリアムブロックチェーン上で使用できません。そこで、ビットコインと値動きが同じになるトークンを作って、イーサリアムブロックチェーン上で流通させます。これがラップドビットコインです。
なお、TOKIは、三菱UFJ信託銀行のProgmatにおいて、クロスチェーンのNFTマーケットプレイスやクロスチェーンのレンディングプロトコルを提供する予定です。
このように、TOKIは手数料を抑えてユーザーエクスペリエンスを改善しながら、様々なアプリケーションに組み込むことができます。
TOKIでは、以下の3種類のトークンが発行される予定です。
それぞれの特徴を解説します。
LPトークンは流動性プールに資金を提供すると発行されます。LPトークンの保有者は、プロトコル手数料の分配を受けられます。
TOKIトークンは、LPトークンのシェアに応じて分配されるトークンです。TOKIトークン保有者は、スワップの手数料が割引になります。
veTOKIトークンは、TOKIトークンをステーキングすると配布されるガバナンストークンです。ステーキング期間に応じて分配数量が変わります。
なお、TOKIトークンのローンチ時期は、2023年第4四半期から2024年第1四半期の間が予定されています。
また、クロスチェーン送金の手数料や分配金など詳細については、ガバナンス投票によって決定されます。詳細な手数料体系について、近日公開される見込みです。
TOKIは、2023年中にメインネットを稼働し、2024年中に日本市場向けにステーブルコインを公開する予定です。
また、TOKIは長期的に「マルチチェーンの世界を1つにする」という目標を掲げています。それを実現するために、ゼロ知識証明(ZK)技術の活用を計画しています。
TOKIを使うことで、相互運用性の課題を解消できる可能性があります。トークンの登場など、TOKIに関する重要イベントが控えており、今後の動向に注目したいところです。
作成日
:2023.07.11
最終更新
:2023.07.11
2017年に初めてビットコインを購入し、2020年より仮想通貨投資を本格的に開始。国内外のメディアやSNSなどを中心に、日々最新情報を追っている。ビットコインへの投資をメインにしつつ、DeFiを使って資産運用中。
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