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「キャプテン翼-RIVALS-」がプチ炎上?現在は楽しんでいるユーザーが多数

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update 2023.08.28 16:01
「キャプテン翼-RIVALS-」がプチ炎上?現在は楽しんでいるユーザーが多数

update 2023.08.28 16:01

2023年1月12日、Play to Earnゲーム「キャプテン翼-RIVALS-」がリリースされました。ビッグタイトルの登場でリリース直後は盛り上がりを見せます。

しかし、リリースからまもなく「出金貫通」と呼ばれる致命的な不具合が発生するなどして、プチ炎上騒ぎに発展します。仮想通貨(暗号資産)コミュニティでは、ゲームを楽しんでいる人がいる一方で、「そもそも面白くない」「手抜きだ」といった酷評が飛び交っている状態でした。

2023年5月現在では、キャプテン翼-RIVALS-は、プチ炎上を乗り越えて再び盛り上がりを見せています。

当記事では、リリース直後に生じた騒動の経緯や仮想通貨コミュニティからの評価、TSUBASAUTの価格動向、近況について解説します。

キャプテン翼-RIVALS-がプチ炎上

キャプテン翼-RIVALS-が登場してからプチ炎上に至るまでの状況を順に記載します。当初はビッグタイトルの登場で盛り上がりを見せておりました。それがなぜ騒動へと発展したのでしょうか。

キャプテン翼-RIVALS-の登場

2023年1月12日、キャプテン翼を題材にしたPlay to Earn「キャプテン翼-RIVALS-」がリリースされました。これはNFTと独自仮想通貨(暗号資産)を用いたブロックチェーンゲームです。

キャプテン翼-RIVALS-のイメージ画像

画像引用:キャプテン翼-RIVALS-

point Play to Earnとは

Play to Earnとは、遊んでお金を稼ぐことを指します。すなわち、ブロックチェーンゲームで遊ぶと、NFTや独自仮想通貨などの報酬を得られます。Play to Earnから派生したMove to Earn(運動して稼ぐ)なども、流行しています。

キャプテン翼は1981年に漫画雑誌「週刊少年ジャンプ」で連載が始まった大人気サッカー漫画です。その人気は日本国内に留まらず、世界20カ国以上で翻訳されており、今でも世界のサッカー選手やファンに親しまれています。

キャプテン翼は、主人公の大空翼と個性豊かな仲間たちがサッカーを通じて成長していく作品であり、キャプテン翼-RIVALS-はその世界観を再現したブロックチェーンゲームとなっています。

プレイヤーはNFTとして発行されるキャラクターを獲得して育成し、それを使ってコマンドバトル制のゲームを楽しむことができます。

登場後のTwitter上の盛り上がり

キャプテン翼-RIVALS-はキャンペーンを行なっていることもあり、Twitter上で盛り上がっています。NFTのミントやプレイ動画をアップロードして、ファンがゲームを楽しんでいる様子です。

また、ZOZOの創業者である前澤友作氏が「リリース記念として、ゲーム内で使えるオリジナルキャラクターNFTを抽選で10名様にプレゼントします」とツイートしており、盛り上がりを後押ししています。

ゲームは公開されたばかりで評価が固まるのはこれからですが、ビッグタイトルだけに高い期待がうかがえます。

バグと出金貫通

その一方で、ゲーム開始直後からバグが報告され、入金額以上に引き出しできるという致命的な事態が発生した模様です。この現象はツイッター上で出金貫通と名付けられ、トレンド入りするほどでした。この事態を受けて、当記事執筆時点(2023年1月13日)で出金停止になっています。

ツイッターでは、バグに対する揶揄やTSUBASAUTの値動きに関する不信感、そしてゲームの完成度について多数投稿されており、今後の発展に影響を及ぼす可能性があります。

出金貫通とは

出金貫通とは、キャプテン翼-RIVALS-のバグを受けて作られたと予想されている造語です。元々、仮想通貨界隈では一部のユーザーの間で貫通という言葉が使われていました。貫通とは、アプリなどでは各種ルールがあって実行できないことでも、スマートコントラクトに直接働きかけるとルール無視で実行できてしまうことを指します。

キャプテン翼-RIVALS-では、アプリ画面でどのように操作しても、入金額以上に出金できません。しかし、アプリでなくスマートコントラクト部分を直接操作することで、出金に成功した模様です。

これを受けて、「不正な出金」と「貫通」を組み合わせて「出金貫通」という言葉が誕生しました。出金貫通はユーザーによる意図的な操作が必要であり、不正な出金だといえそうです。

運営側の対応状況

出金貫通を受けて、運営は出金機能を停止してバグを修正し、1月17日に出金機能を再稼働しました。再稼働までに数日を要した理由として、運営は2点を挙げています。

一つ目は、全ユーザーの送金履歴確認に時間を要したこと、そして、ユーザーによる出金操作ができる状態のままで停止措置を取ったことです。出金操作画面に移動できない設定にすれば、もう少し早く復帰できただろうとのことです。

なお、全ユーザーの送金履歴を確認した理由は、不正に仮想通貨を出金したユーザーを特定するためだと思われます。運営がそのユーザーに対して個別に接触しています。

キャプテン翼-RIVALS-への指摘

ここでは仮想通貨(暗号資産)コミュニティから上がっているキャプテン翼-RIVALS-への指摘を紹介します。

運営によるトークン売り浴びせ

キャプテン翼-RIVALS-が公開されると、トークン「TSUBASAUT」の価格が一気に上昇しました。これを受けて運営チームはTSUBASAUTを売り浴びせて価格を暴落させ、ツイッター等では驚きが多数投稿されました。

TSUBASAUTのチャート

画像引用:CoinMarketCap

ただし、これは価格調整メカニズムに基づく売りであり、ホワイトペーパーに明記されています。

今までPlay to Earnが多数リリースされてきましたが、トークン価格はことごとく暴落してきました。そこで、運営はこれを回避するためにバランサープールという制度を設けました。すなわち、トークン価格が基準値を超えて高くなったら売って価格を抑え、逆に基準値を超えて下がったら買い支える仕組みです。

キャプテン翼-RIVALS-の価格維持メカニズム

ゲーム公開時のトークン価格はこの基準値を大きく超えたため、運営は売ったということになります。売却で運営が得たMATICはBalancer Poolで管理されており、TSUBASAUTを買い支えるための資金となります。

加えて、TSUBASAUTの出金制限を設けたり最大50%の送金手数料を設けたりして、エコシステムの崩壊を回避しようとしています。なお、基準値の範囲については公開されていません。

ユーザーに寄り添わない姿勢

キャプテン翼-RIVALS-の入出金で使用する仮想通貨はMATICですが、対応しているのはポリゴンチェーン(Polygon)のみであり、イーサリアムチェーン(ETH)等に対応していません。しかし、これは公式ホームページにもホワイトペーパーにも明記されていません。

このため、ポリゴンチェーン以外のMATICを送金してしまって入金できないという事故が多発した模様です。公式ツイッターで注意喚起をしています。

しかし、ツイッターで注意喚起したものの、公式ホームページやホワイトペーパーには引き続き記載されていないようです。このため、ユーザーが対応チェーンを間違える事故は、今後も起きる可能性があります。

仮想通貨に普段から親しんでいるユーザーならば、入金前にブロックチェーンの対応状況を確認するでしょう。しかし、一般ユーザーにそれを求めるのは酷でしょう。すなわち、このゲームはブロックチェーンを知っている人限定だと想定されている可能性があります。

手抜きを疑わせる内容

ゲーム性について、ユーザーのツイートでは概ね2つの投稿が見られます。一つは、ゲームそのものが面白くないこと、そして手抜きをしているという指摘です。

このうち、面白いと感じるかどうかは個人ごとに異なります。どれだけ評価が高いゲームであっても、つまらないと感じる人が一定程度出るのは避けられません。

しかし、手抜きについては根拠を添えたツイートが複数あります。具体的には、既に公開されているゲーム「キャプテン翼〜たたかえドリームチーム〜」で使用された動画をそのまま流用しているという指摘です。実際に流用したのか不明ですが、似ています。

これを受けて、ツイッターでは「突貫工事が過ぎる」等の反応が見られます。

キャプテン翼-RIVALS-の現在

ここまで見てきたように、リリース直後にはネガティブな意見も多かったキャプテン翼-RIVALS-ですが、2023年5月現在では大いに盛り上がっているようです。

Twitter上ではゲームの情報交換や、下記のような収益報告が活発に行われており、稼げるPlay to Earnゲームとしての評価を高めているようです。

  • 3か月のプレイで40万円稼いだ
  • 始めて16日で2万7千円ほど稼いだ

また、運営による積極的なキャンペーンや情報発信、運営も絡んだオフ会開催など、コミュニティも活性化してきています。

参加者が増えていけば、さらなる盛り上がりも期待できる可能性があります。

キャプテン翼-RIVALS-の将来性

キャプテン翼-RIVALS-の将来性に期待するユーザーも一定数おりました。

キャプテン翼-RIVALS-は世界的なコンテンツを元にしたブロックチェーンゲームです。また、アンバサダーに元FCバルセロナのアンドレス・イニエスタ氏、日本代表の長友佑都氏を起用しており、海外市場にもリーチできる可能性があります。

運営はTSUBASAUTを買い支えるメカニズムを導入しており、過去のPlay to Earnと同様にならないように努めています。

リリース直後には致命的な不具合で評価を落としたものの、現在は持ち直して再び盛り上がりを見せはじめました。今後のコンテンツの充実次第では、Play to Earnとして成功するかもしれません。

今後のロードマップ

キャプテン翼-RIVALS-は正式にリリースされましたが、全ての機能が利用できるわけではありません。今後のロードマップ(開発計画)では、5つのフェーズに分けて機能がアップグレードされていく予定です。

2023年第1四半期には、PvPモードのアップデートとガバナンストークンTSUBASAGTのIEO(イニシャルエクスチェンジオファリング)、第2四半期には、新モードの開始とマルチチェーンの対応が計画されています。

knowledge マルチチェーンに対応する理由

仮想通貨市場には多数のブロックチェーンがあります。それぞれが巨大なユーザーを抱えているので、ユーザーを幅広く獲得するためにマルチチェーン対応が主流となっています。

最終段階の2023年第3四半期には、新モードとマルチチェーンのアップグレードが予定されています。

トークンエコノミーと価格動向

以降ではキャプテン翼-RIVALS-の特徴やゲームの始め方について解説していきます。まずは、ゲームを成り立たせているトークンエコノミーを解説します。

キャプテン翼-RIVALS-は2種類の独自仮想通貨を発行しています。TSUBASAGTとTSUBASAUTであり、エコシステム内で使い分けられています。

TSUBASAGT

TSUBASAGTはキャプテン翼-RIVALS-のガバナンストークンです。ガバナンストークンはDAOにおける投票券であり、TSUBASAGTの保有者はプロジェクトの意思決定に参加できます。

point DAOとは

DAOは、Decentralized Autonomous Organizationの略で、日本語で「分散型自立組織」と訳されます。つまり、中央管理者が存在しなくとも、参加者の活動によって機能する組織を指します。中央集権型の組織と比較して民主的で透明性が高いと見なされており、ブロックチェーンの普及で広く採用されています。

その他、ゲーム内で使用したりファンコミュニケーションなどに利用されたりします。当記事執筆時点(2023年1月12日)で詳細は明かされていませんが、今後発表される見通しです。

TSUBASAUT

TSUBASAUTはゲーム内トークンで、ゲームプレイの報酬として主に支払われます。NFTのレベルアップやミントなどで消費する一方、取引所を通じて現金化することもできます。

キャプテン翼-RIVALS-のリリースが話題になったことを受けて、TSUBASAUTの価格は高騰しました。上場直後から上昇し1.2ドル以上の価格帯まで到達しましたが、その後暴落しています。

TSUBASAUTとUSDの価格チャート

画像引用:CoinMarketCap

前述の通り、TSUBASAUTの価格を一定に保つために、運営チームはTSUBASAUTを売買します。公開時にTSUBASAUTが上昇しすぎたので、運営が価格抑制目的で大量に売ったと推測されています。

その後は2月におよそ0.8ドルの高値を付けたあと、徐々に価格を落として、現在では0.40〜0.45ドル近辺を推移しています。

キャプテン翼-RIVALS-の始め方

キャプテン翼-RIVALS-は完全招待制のブロックチェーンゲームで、以下の手順でゲームを始めることができます。

  1. 招待コードの取得
  2. アカウントの作成
  3. 電話番号の承認
  4. 招待コードの入力
  5. ウォレットの作成
  6. 選手NFTの取得

手順1

ゲームを始めるには招待コードが必要です。ジェネシスNFTの保有者は公式Discord(ディスコード)の「#tomodachi-codes」チャンネルから、そうでなければ既にゲームを開始しているプレイヤーから取得します。

point ジェネシスNFTとは

ジェネシスNFTは、プロジェクト初期に配布されるNFTを指します。プロジェクトの正式リリース前からコミュニティに貢献するユーザーに配布されたり、トークンセールで売り出されたりします。

手順2

ナビゲーションに従ってアカウントやウォレットを作成し、NFTは専用のNFTマーケットプレイスから取得します。NFTマーケットプレイスには「Shop」のタブからアクセスできます。

NFTの購入にはポリゴン(MATIC)を使いますので、ウォレットにあらかじめ入金しておく必要があります。

NFTマーケットプレイスのタブ

画像引用:Medium

キャプテン翼-RIVALS-の遊び方

キャプテン翼-RIVALS-にはライバルモードとPvPモードが実装されており、パソコンのブラウザやスマホからプレイできます。

knowledge Play to Earnでの稼ぎ方

Play to Earnの多くは遊ぶためにNFTが必要で、初期投資としてNFTを購入して独自仮想通貨での回収を目指します。

対戦の流れ

ライバルモードとPvPモードの対戦の流れは以下の通りです。

ライバルモード

ライバルモードとは、PvEすなわちAIとの対戦を意味し、原作に出てくるキャラクター達と戦うことができます。

ライバルモードのイメージ画面

画像引用:キャプテン翼-RIVALS-ホワイトペーパー

ライバルモードは3ターンのコマンドバトルとなっています。プレイヤーは所有する6枚のカードから1枚以上を選び、選択したカードの合計RP(Rivals Point)が相手を上回れば勝利となり、下回れば敗北です。これを3ターン繰り返して勝敗を決します。

報酬として、TSUBASAUTに加えて、レアリティで内容が異なる宝箱やPvP参加チケットなどを獲得できます。

PvPモード

PvPモードは、他のプレイヤーとライバルピースを巡って対戦するゲームモードです。3月31日に実装されて遊べるようになりました。このモードで遊ぶにはPvP参加チケットが必要です。

PvPモードの対戦画面

画像引用:キャプテン翼-RIVALS-ホワイトペーパー

PvPモードは、オフェンス・ディフェンス・オフェンスの3ターンで試合をします。チームの編成は3人制、6人制、9人制でルールが異なり、選手には相性があるのでチーム編成の組み合わせが重要です。

プレイヤーはオフェンスとディフェンス時にコマンドを入力します。ライバルモードと同じく、合計RPが高い方が勝利となります。勝利すると、報酬としてライバルピースを獲得できます。

選手NFT

キャプテン翼-RIVALS-では、個性豊かなキャラクターを選手NFTとして発行しています。

選手NFTの例

画像引用:キャプテン翼-RIVALS-ホワイトペーパー

同じキャラクターの選手NFTでも異なるステータスを持っており、価値が異なります。選手NFTには以下のステータスが割り当てられています。

項目 内容
レアリティ NFTの希少性
レベル パラメータの各要素に振り分け可能なポイント
ポジション 各選手のポジション
パラメータ ゲームの効率やドロップ率に影響する値
VSパラメータ ゲームの勝敗を左右する能力
熟練度 VSパラメータに影響する値
属性 RPの増減を左右するステータス
カード ライバルモードにおける選択肢
必殺技 PvPモードで利用できる必殺技
サポートキャラ 付加効果をもたらすNFT
スキル PvPモードで発動するスキル
イメージ NFTの選手画像
サウンド NFTのBGM

選手NFTは、購入することもレンタルすることもできます。レンタルされた選手NFTには、ボーナスとしてステータスの熟練度が付与されます。

ショップとNFTマーケットプレイス

キャプテン翼-RIVALS-は専用のショップとNFTマーケットプレイスを実装しています。

ショップではPvPモードの参加チケットや、プレミアムGK利用券(PvPで使用するアイテム)、トラップチケット(PvPで使用するアイテム)を購入できます。

NFTマーケットプレイスでは、プレイヤー同士でNFTを取引できます。選手NFTや選手NFTパック、サポートキャラクター、ミントスクロール(ミントに必要)などが売買可能です。

今後の去就に注目

これまでブロックチェーンゲームには、既存のゲーム業界のIP(知的財産)を活かしたビッグタイトルがあまりありませんでした。しかし、ゲーム会社が本腰を入れ始めており、様々なプロジェクトが立ち上がり始めています。

キャプテン翼-RIVALS-はその象徴的な存在といえるだけに、今後の去就に注目が集まります。


Date

作成日

2023.01.13

Update

最終更新

2023.08.28

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

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