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NFTゲームがつまらない理由、Play to Earnの現状とNFTゲームの将来性を解説

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update 2023.10.11 10:11
NFTゲームがつまらない理由、Play to Earnの現状とNFTゲームの将来性を解説

update 2023.10.11 10:11

仮想通貨(暗号資産)市場では、新作のNFTゲームが日々リリースされています。その多くがPlay to Earnの要素を持っており、ユーザーは報酬目的でプレーしています。しかし、それが故にNFTゲームはつまらないとの評価を受けています。市場規模は50億ドル規模に成長しており、さらに発展するために変革の時を迎えているのかもしれません。

当記事では、NFTゲームがつまらない理由を考察した上で、Play to Earnの現状やNFTゲームの将来性などを解説していきます。

NFTゲームとは

NFTゲームとはNFTを活用したゲーム全般を指し、既存のゲームと同様に、スマホアプリやパソコンのブラウザなどで遊べます。異なる点としては、キャラクターやアイテムなどがNFTとして発行されていることが挙げられます。

これらのNFTはOpenSeaなどのマーケットプレイスで取引されており、NFTを売却して現金化したり、反対にNFTを購入してゲームで使用したりできます。

なお、遊ぶためにNFTの購入(初期投資)が必須なものと、無料で始められるものがあります。

ブロックチェーンゲームやPlay to Earnとの違い

NFTゲーム、ブロックチェーンゲーム、Play to Earnの関係

仮想通貨の世界では、NFTゲーム・ブロックチェーンゲーム・Play to Earnなど、似たような意味の言葉がいくつもあります。それぞれは異なる意味を持っている一方、同じ意味として使われることもあり、これが少々難しいです。この関係は、上の絵のようにそれぞれが重なり合っている絵で表現できます。

NFTゲームはNFTを使うゲームを指し、ブロックチェーンゲームやPlay to Earnと同義として扱われることもあります。しかし、必ずしも同じものを指しているわけではありません。

ブロックチェーンゲームは、ブロックチェーンを利用したゲーム全般を指します。NFTゲームはブロックチェーンを利用しているのでブロックチェーンゲームに含まれる一方、ブロックチェーンゲームの中にはNFTを発行しないものも存在します。

Play to Earnは、遊んでお金を稼ぐことを意味します。ブロックチェーンゲームに限定される概念ではありませんが、そのほとんどがブロックチェーンと仮想通貨を用いたゲームであることから、ほぼ同義だと捉えられています。多くのPlay to Earnでは、報酬として独自仮想通貨が配布されています。

Play to Earnの色が強まる

Play to Earnは2021年頃から流行しており、Axie InfinityやThe Sandboxなどがユーザー獲得に成功しました。このためか、多くのNFTゲームはPlay to Earnとしての傾向が強いです。

また、この報酬獲得を目的として、ゲームギルドも登場しています。ギルドとはPlay to Earnで稼ぐ人々の集まりで、情報交換などをしています。また、情報交換だけでなく、他人にNFTをレンタルして報酬を得たり、NFTを借りてゲームしたりできます。NFTを借りる場合、初期投資なしで稼げます。

NFTゲームがつまらない理由

NFTゲームは流行している一方で、ゲームとしてはつまらないものが多いという評価も見られます。その理由としては以下のような事項が挙げられます。

単純作業の繰り返し

NFTゲームは単純作業を繰り返すものが多いです。開発企業がゲームを作り込まず、シンプルなものが少なくありません。本格派のゲームも存在しますが、レベルを上げてNFTの価値を高めるのがプレイヤーの目的となって、最終的に単純作業の繰り返しとなるケースもあります。

グラフィックの品質

NFTゲームは、デジタルアートと同じく、2Dのドット絵が少なくありません。メタバースなども存在しますが、グラフィックに力を入れるにはコストがかかります。

既存のゲーム会社が開発する家庭用ゲーム機などのゲームと比較すると、グラフィックの質はよくないので、そこに不満を抱いているプレイヤーも少なくないでしょう。

ただし、テトリスなどは、グラフィックが昔からほぼ変わらなくても人気を集めていて、世界大会が毎年開催されています。このため、グラフィックの良し悪しはゲームがつまらない理由にならないかもしれません。

資金力がものをいう

NFTゲームで遊ぶには特定のNFTが必要で、無料で得られる場合もありますが、本気でプレイするには購入が必要です。希少性が高くてゲームに有利なNFTほど高額になるので、最終的にはユーザーの資金力がものをいうことになります。

すなわち、お金を投入できない人は初めから負けることが決まっており、これがつまらないという評価に結びつきやすい可能性があります。

プレイヤー人口が少ない

NFTゲームの中には、PvP(プレイヤー同士の対戦)を実装するゲームも存在します。しかし、NFTゲームはプレイヤー人口が少ないことから、盛り上がりづらいという問題を抱えています。

ウォレットを作ってアカウントに接続したり、NFTを購入して移管したりする必要があり、多少なりともブロックチェーンや仮想通貨に関する知識が必要となるので、それが障壁となっている可能性があります。

人気タイトルが乏しい

NFTゲームの多くは、新興のゲーム会社が開発するオリジナルの作品です。仮想通貨市場での盛り上がりを受け、大手ゲーム会社も開発に乗り出しており、人気タイトルの移植などを行なっています。しかし、その数はまだ多くありません。

トークン価格の暴落

NFTゲームで稼ぎたいユーザーにとって、トークン価格が暴落すると初期投入額を回収できず損してしまいます。この場合、つまらないと感じるかもしれません。

低迷するPlay to Earn

数多くのPlay to Earnがリリースされていますが、そのほとんどは低迷しています。

その原因の一つは、報酬となる独自仮想通貨の価格が低くなりすぎて、Play to Earnの目的である「稼ぐ」ことが難しくなっているからだと考えられます。プレイヤーが報酬を獲得すると、利益確定を急ぐので売り圧力が高まっていくのです。

Footprint Analyticsの統計では、Play to Earnのゲーム数は増え続けているにもかかわらず、2022年初旬から新規ユーザー数とその割合が右肩下がりになっていることが確認できます。Play to Earnで稼げないことが明確になりつつあり、投資分を回収したい既存のユーザーがプレイし続けている状況です。

GameFiのプレイヤー数統計

画像引用:Footprint Analytics

NFTゲームの中には好調なものも

全てのNFTゲームが不調というわけではなく、Play to Earnの要素を持ち合わせていない、または、その要素が薄いものの中には、好調なものもあります。

例えば、サッカーやMLB、NBAをテーマにしたNFTゲーム「Sorare」は、2022年後半でもNFTの取引量を高く維持しています。

SorareにおけるNFTの取引量

画像引用:insideNFTs

Sorareはイーサリアムを報酬としており、独自仮想通貨を発行していません。Play to Earnの要素も持ち合わせていますが、あくまでもNFT中心のゲームシステムが功を奏していると考えられます。

Play to Earn銘柄の動向

Play to Earnの多くはトークンを発行しており、プレイヤー数やトークンの需要が増加することで価値が高まっていきます。

反対に、プレイヤーがそのゲームから離れると、トークンの価値は低下していきます。現在ではほとんどのPlay to Earnが低迷しており、トークンの価値も失われています。

STEPN

STEPNはMove to Earnの火付け役的な存在です。世界的に人気となり、日本でも多くのプレイヤーがプレイしていました。

point Move to Earnとは

Move to Earnは「運動して稼ぐ」をコンセプトにしたブロックチェーンゲームです。歩いたり走ったりすると仮想通貨を得られます。STEPNの流行もあり多数のMove to Earnゲームがリリースされています。

STEPNはGMTトークンの価値が失われ、エコシステムが崩壊しました。ゲームには高額なNFTスニーカーを購入する必要があったので、投資分を回収できなかったプレイヤーが大きな損失を被りました。

GMTと日本円の価格チャート

画像引用:CoinMarketCap

Axie Infinity

Axie Infinityはアクシーと呼ばれるモンスターの育成や戦闘を楽しむPlay to Earnです。本格的なPlay to Earnの元祖のような存在で、最盛期は日間ユーザー数が200万人を超える人気を誇っていました。

Axie InfinityのガバナンストークンであるAXSは、レイヤー2のハッキング事件などにも見舞われて、2021年末をピークに下降し続けています。

point レイヤー2とは

多くのブロックチェーンは、異なる役割を持つブロックチェーンが階層別に独立して相互通信する「レイヤー構造」になっています。基礎的な役割を担うブロックチェーン層をレイヤー1と呼び、レイヤー1の情報処理を助ける層をレイヤー2と呼びます。

AXSと日本円の価格チャート

画像引用:CoinMarketCap

My Crypto Heroes

My Crypto Heroesは日本発のPlay to Earnです。歴史上のヒーローを操作して戦うMMORPG(大人数でプレイするRPGゲーム)であり、日本国内でも人気のタイトルとなっています。

MCHCトークンは、2022年8月から価格が下落し続けています。同年9月から10月にかけて盛り返す局面もありましたが、その後、再び下降線を辿っています。

MCHCと日本円の価格チャート

画像引用:CoinMarketCap

NFTゲーム分野での動き

2022年以降、ビットコイン(BTC)を始めとする主要銘柄が不調なことから、仮想通貨市場は下火です。しかし、NFTゲーム分野は日進月歩で進化を続けています。

ゲーム向けブロックチェーンの台頭

NFTゲームをDApp(分散型アプリ)として実行するには、ブロックチェーンに高い負荷がかかります。従来のDAppと比較して、NFTゲームは大量のトランザクションが発生するので、効率的かつ安価な手数料で稼働するブロックチェーンが必要となります。加えて、開発者にとっても利用しやすい環境でなければなりません。

この需要に対応するために、Oasys(オアシス)などのゲーム向けブロックチェーンが台頭してきています。

乱立するゲームギルド

NFTゲームで遊ぶには、NFTへの初期投資が障壁となっています。しかし、ゲームギルドの登場でNFTのレンタルが可能となりましたので、様々なNFTゲームを無料で遊べます。

ゲームギルドはビジネスとなっており、Yield Guild GamesやSamurai Guild Gamesなどの有名どころに加え、新興のギルドが乱立しています。

情報サイトCryptorankに登録されているものだけでも、その数は20を超えています。ゲームギルドが提携するプロジェクトも増えており、対応するNFTゲームも広がってプレイヤーが参入しやすい環境が整いつつあります。

ゲーム会社の市場参入

NFTゲームの流行を受け、既存のゲーム会社が市場参入の動きを見せています。特にゲーム大国である日本では、大手ゲーム会社も続々と名乗りを上げています。

NFTゲーム市場への参入を表明している企業として、スクウェア・エニックスやネクソンなどがあり、既存のIP(知的財産権)を生かしたタイトルをリリースすることが予想されています。以下の有名タイトルがNFTゲームとして既にリリースされており、注目を集めています。

  • エンジンクラフト(マインクラフト)
  • メイプルストーリー N(メイプルストーリー)
  • 元素騎士オンライン-META WORLD-(エレメンタルナイツオンライン)

Play and Earnへのシフト

Play to Earnに加え、そこから派生したX to Earn全般が失敗に終わったことから、Play and Earnというコンセプトが生まれました。

Play to Earnは稼ぐことが目的となっている一方、Play and Earnは遊ぶことに重きを置いています。仮想通貨による報酬はあくまでも副次的なもので、ゲームを楽しむことを目的としています。

実際にPlay and Earnのコンセプトを掲げるNFTゲームも出てきています。今後、既存のゲーム会社が参入してくれば、よりゲームらしいNFTゲームの開発が加速する可能性があるでしょう。

NFTゲームの将来性

NFTゲーム分野は発展途上であり、伸び代が大きいと考えられます。Nonfungible.comの報告書によると、2021年時点でNFTゲームの売上は50億ドルを突破しています。また、別のレポートでは、2022年から2027年にかけて世界のNFTゲームの市場規模は年平均で32%ずつ成長する見通しです。

2022年は仮想通貨市場全体が不振に見舞われました。この影響もあってNFTゲームの淘汰が進んだものの、開発活動が止まったわけではなく、大手ゲーム会社の参入で注目度が高まっています。

例えば、スクウェア・エニックスは毎年恒例の年初挨拶で、ブロックチェーンゲームに積極的に投資していることを表明しました。NFTゲーム分野は着実に前進しているので、今後は更なる飛躍が期待されています。

つまらないとの評価からの脱却

現在のブロックチェーンゲームはPlay to Earnが主流となっています。NFTゲームでもその要素が強く、ゲームそのものよりも稼ぐことに焦点を当てたものが多いです。その結果、ゲーム自体が作り込まれておらず、つまらないという評価は妥当だといえるでしょう。

ただし、NFTゲーム分野では様々な変化が起きているので、今後の発展に期待できます。これからもNFTゲーム分野の動きは要チェックです。


Date

作成日

2023.01.03

Update

最終更新

2023.10.11

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

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