作成日
:2022.12.09
2023.03.16 15:30
2022年12月5日、仮想通貨(暗号資産)取引所のBybit(バイビット)は、トークン「MEE」をローンチパッドで配布すると発表しました。
MEEは、Play to Earnゲーム「Medieval Empires」で使用される仮想通貨です。また、ローンチパッドとは、上場予定の仮想通貨を先行購入できるBybitのサービスです。
MEEのローンチパッドは、2022年12月14日午前9時に開始されます。上場は12月19日午後9時となる見通しです。
仮想通貨(暗号資産)MEEは、Play to Earnゲーム「Medieval Empires」で使用する仮想通貨です。Medieval Empiresはマルチプレイヤーで同時対戦できるオンライン戦略ゲームで、13世紀後半のオスマン帝国を舞台に世界を探索したり、帝国を築いて戦ったりできます。
ポリゴン(MATIC)上で開発されており、Windows版、Mac版、モバイルアプリがリリースされる見通しです。
Play to Earnとは、遊んでお金を稼ぐことを指します。すなわち、ブロックチェーンゲームで遊ぶと、NFTや独自仮想通貨などの報酬を得られます。Play to Earnから派生したMove to Earn(運動して稼ぐ)なども、流行しています。
画像引用:Medieval Empires
Medieval Empiresではプレイヤー対CPUのゲームから始まり、PvP(プレイヤー対プレイヤー)を含む他のゲームモードはオプション的な扱いでプレイ可能です。
プレイヤーは英雄が名声を高めていく過程を追体験できます。小さな村のリーダーとして他のプレイヤーと取引したり、戦いに勝利したり、同盟を結んだりすることで氏族の繁栄を目指します。
また、デイリーミッションやタスクなどが用意されているほか、いくつかの異なる派閥が存在しており、任意の派閥に属することができます。
戦いに興味がなければ、土地や氏族の管理に集中したり、他のプレイヤーと商品を売買する商人となって楽しむことも可能です。
Medieval Empiresではヒーローや土地などがNFTとして発行されています。ヒーローは軍隊を率いる存在であり、それぞれ異なる能力と使用回数の制限が割り当てられています。制限回数に達すると、レガシーNFTとして別の役割を果たします。
また、土地はNFTとして販売されます。土地NFTにはランク(Tier)が設定されており、ランクが高いほどより効率的にゲームを進められます。土地NFTを購入しなくてもゲームは可能ですが、最終的には必要なアイテムであり、マーケットプレイスで売買可能です。
プレイヤーは報酬として仮想通貨を獲得でき、個人報酬・氏族報酬・派閥報酬の3つがあります。
個人報酬は特定のマイルストーンを達成した際に配布されます。氏族報酬はトークンのギブアウェイや特定の事柄をアンロックすると付与されます。派閥報酬は地図上の新しい地方をアンロックすることなどが条件となっています。
その他、土地を貸して他のプレイヤーから収入を得ることも可能です。
仮想通貨(暗号資産)MEEは、Medieval Empiresのガバナンストークンであり、DAOで投票する際に必要です。ゲーム内トークンとしては別の仮想通貨「SILVER」が主に利用されるものの、MEEも使われます。
なお、MEEの総供給量は30億通貨に設定されており、開発チームやアドバイザーが全体の20%を保有しています。
DAOは、Decentralized Autonomous Organizationの略で、日本語で「分散型自立組織」と訳されます。つまり、中央管理者が存在しなくとも、参加者の活動によって機能する組織を指します。中央集権型と比較して民主的で透明性が高いと見なされており、ブロックチェーンの普及で広く採用され始めています。
Bybit(バイビット)のローンチパッドへの参加は、以下2種類のいずれかの方法で行えます。
預け入れトークン | トークン購入方法 |
---|---|
BIT | 自分と他のユーザーのBIT数量の比率によって、購入可能数量が決まる |
USDT | 抽選に当たったら購入できる |
預け入れトークンとトークン購入方法
BIT | 自分と他のユーザーのBIT数量の比率によって、購入可能数量が決まる |
---|---|
USDT | 抽選に当たったら購入できる |
なお、ローンチパッドに参加するには、Bybitのアカウントと本人確認レベル1(KYC)が必要です。
1つ目の参加方法は、BITトークン(BIT)をBybitに預け入れて、自分と他のユーザーの預け入れたBITの比率によって購入可能額が決定します。
ローンチパッドの開催期間は、日本時間の2022年12月14日午前9時から12月19日午後8時59分です。なお、イベント期間は通常3つに分かれており、それぞれで必要な手続きが異なります。
計測期間 | 2022年12月14日午前9時~12月19日午前8時59分 |
---|---|
コミット期間 | 2022年12月19日午後0時30分~12月19日午後7時59分 |
配布期間 | 2022年12月19日午後8時~12月19日8時59分 |
計測期間とは、MEEをどれだけ購入する資格があるかを決定する期間です。そして、コミット期間中に、得られた資格の範囲内でMEE購入に使用したいBIT数量を入力します。
以下、各期間で必要な手続きを解説します。
5日間にわたって、保有しているBITの数量を計測します。計測対象になるのは、Bybitの現物アカウント・デリバティブアカウント・資産運用アカウント・資金調達アカウントです。日々の残高は、日本時間の午後0時に更新されます。
資産運用アカウントに入金されているBITのうち、ローンチプールと積立ステーキングの残高が集計対象になります。デュアル資産投資(旧二重資産マイニング)など、他のサービスに預け入れているBITは計測されません。
計測期間前または期間中に、Bybitの現物取引でBITを購入して参加できます。
コミットできるBIT数量の上限は、計測期間中の日次平均BIT残高に応じて異なります。つまり、コミット期間が始まる日だけBITを保有していても、期待通りの数量でコミットできない可能性があります。
コミット期間になると、ローンチパッドのページで「今すぐコミット」ボタンが押せるようになります。そこで、「コミット」と書かれたオレンジ色の枠内にある「今すぐコミット」ボタンを押して、交換するBITの量を入力します。コミットするためには、現物アカウントにBIT残高が必要です。
参加方法は2種類ありますが、どちらか片方のみ参加できます。希望する参加方法の「今すぐコミット」ボタンを押してください。
なお、「今すぐコミット」ボタンは、コミット期間以外は灰色で表示されており、押すことができません。
コミット期間に関する注意点は、以下の2つです。
コミットしたBITの量に応じて、MEEが配布されます。なお、獲得できる最大数量は1人あたり30,000 MEEであり、以下の計算式に基づいて算出されます。
(獲得できるMEEの数量) =
(自分がコミットしたBIT ÷ 参加者全員がコミットしたBIT) × (本イベントに割り当てられたMEE数量)
獲得できるMEEの数量が決定すると、コミットしたBITから対応する数量が差し引かれる仕組みです。1MEE=0.01米ドルとして計算され、MEEとBITの交換レートはコミット期間開始時に確定します。
獲得できるMEEの数量は、他の参加者がコミットしたBITに対する割合に応じて決まります。自身がコミットした数量でない点に注意が必要です。ただし、より多くのBITをコミットすると、より多くのMEEを購入できます。MEEを多く獲得したい人は、積極的にBIT保有量を増やすと良いでしょう。
なお、ローンチパッドとは、新規上場の仮想通貨を購入できる制度です。すなわち、株式で考えると新規株式公開にあたります。ローンチパッドも新規株式公開と同様に、先行購入では安く買え、価格が上がりやすい傾向があります。以前開催されたローンチパッドに登場したトークン「KASTA」は、上場から1週目の平均収益率が2,089%を記録しました。
もう一つの参加方法は、USDTを預け入れて、購入の権利を抽選で得る方法です。抽選券を獲得したユーザーの中から、ランダムで当選者が決定されます。
参加条件 | 計測期間中のUSDTの日次平均残高が100USDT以上 |
---|---|
コミット金額 | 100USDT |
当選者数 | 10,000人 |
割当数量 | 900 MEE |
参加条件は、計測期間中のUSDTの日次平均残高が100USDT以上であることです。
抽選券は、100USDTのコミットで1人1枚まで獲得可能です。当選者数は10,000人と決められておりますので、仮に50,000人が参加した場合、当選確率は20%となります。
なお、トークン「APEX」を使った過去のローンチパッドでは、BIT利用の参加者数は5万名以上、USDTでの参加者は1万2,000人台でした。そのため、当選確率も39%と高めになり、お得なキャンペーンでした。
USDTを預け入れて抽選に参加する場合も、以下3つの期間に分かれています。
計測期間 | 2022年12月14日午前9時~12月19日午前8時59分 |
---|---|
コミット期間 | 2022年12月19日午後0時30分~12月19日午後7時59分 |
配布期間 | 2022年12月19日午後8時~12月19日8時59分 |
5日間にわたって、ユーザー保有のUSDTの数量を計測します。計測対象となるのは、Bybitの現物アカウント・デリバティブアカウント・資産運用アカウント・資金調達アカウントです。記録された日々の残高は、日本時間の午後0時に更新されます。
5日間のUSDTの日次平均残高が100USDT以上であれば、参加条件を満たします。BIT預け入れの場合とは異なり、100USDT以上あれば、日次残高の額そのものはいくらでも構いません。
資産運用アカウントに入金されているUSDTのうち、ローンチプールと積立ステーキングの残高が集計対象になります。デュアル資産投資(旧二重資産マイニング)など、他のサービスに預け入れているUSDTは計測されません。
コミット期間になると、ローンチパッドのページで「今すぐコミット」ボタンが押せるようになります。そこで、「抽選」と書かれた緑色の枠内にある「今すぐコミット」ボタンをクリックします。コミットするためには、現物アカウントにUSDT残高が必要です。
なお、「今すぐコミット」ボタンは、コミット期間外は灰色で表示され、押すことができません。
参加方法は2種類ありますが、どちらか片方のみ参加できます。希望する参加方法の「今すぐコミット」ボタンを押してください。
コミット期間に関する注意点は、以下の2つです。
抽選に当選した場合、配布期間中に900 MEEが自動的に現物アカウントに付与され、コミットした100USDTから900 MEEの獲得に必要なUSDTが差し引かれます。残ったUSDTは、現物アカウントに払い戻されます。
なお、抽選に当選しなかった場合、コミットした100USDTは全額現物アカウントに払い戻しされます。
もともとはBITを使って参加するユーザーが多数派でしたが、のちにUSDTを使って参加する人の比率が徐々に高まりました。前回のESNC、前々回のPUMLxのローンチパッドでは、いずれもUSDTによる参加のほうが人気でした。
まとまった数量のBITを保有している場合は、BITを利用するとMEEをたくさん購入できます。一方、BITを持っていない、または少額のみ保有している場合は、USDTの抽選で参加する方が有利になります。ご自身の状況を踏まえつつ、参加方法を選択できるのがメリットです。
作成日
:2022.12.09
最終更新
:2023.03.16
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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