Select Language

リップル社との裁判における米SEC証拠開示期限が60日間延長

リップル社との裁判における米SEC証拠開示期限が60日間延長

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2022.04.20 12:27
リップル社との裁判における米SEC証拠開示期限が60日間延長

update 2022.04.20 12:27

昨年から続く裁判の判決が長期化する可能性

昨年末から続く人気仮想通貨(暗号資産)リップル(Ripple)の有価証券問題をめぐる裁判で、Ripple, Inc.【以下、リップル社と称す】に対する米証券取引委員会(US Securities and Exchange Commission)【以下、SECと称す】の証拠開示期限が60日間延長されたことが明らかになった。[1]

2021年4月、リップル社がSECの内部文書および電子メールの開示を求めたことを受け、担当判事のサラ・ネットバーン氏は、該当の情報を提出するよう当局に命じていた。これに対してSECは証拠開示の範囲が広く、秘匿情報を慎重に判断するため時間を要すると反論しており、回答期限の延長を希望していたという。今回、ネットバーン氏は2度目となるSECの申し出を受け入れる形で、その期限を8月31日にまで延長することを許可した。

一方、ネットバーン氏はSECがリップル社に求めていた複数の情報開示請求を却下している。先月末、SECはリップル社が米商品先物取引委員会(Commodities and Futures Trading Commission, CFTC)へのロビー活動を通じて元委員長のクリストファー・ジャンカルロ氏に「リップルは有価証券に該当しない」と発言することを促し、仮想通貨の認識を変えようと図った可能性があると指摘していた。しかし、ネットバーン氏はこれも同仮想通貨の有価証券問題とは無関係だと否定した。この判断に関してリップル社側の弁護士であるジェームス・フィラン氏は、「ネットバーン氏はSECに対して、この答弁の焦点がリップル社でなく当局の活動に当たっていることを明示した」と言及している。[2]

弁護士のジェレミー・ホーガン氏は、証拠開示期限の延長が裁判全体のスケジュールに影響するとの見解を示しており、正式な判決は早くとも2022年初旬頃になると予想しているようだ。[3]判決に先行する形でリップル価格は上昇しており、底値圏から脱しているが、どのような価格推移を見せるのか、今後もこの裁判の行方を見守っていきたい。

release date 2021.06.17

ニュースコメント

comment

証券法違反に問われるリップル社


SECは、リップル社が違法なICO(イニシャルコインオファリング)を通じて過去8年間で約13億ドルの資金調達を行なったとし、昨年12月に同社およびCEOのブラッド・ガーリングハウス氏と元CEOのクリス・ラーセン氏を証券法違反の疑いで起訴した。この裁判では中央集権型の仮想通貨であるリップルが有価証券に該当するかが大きな争点となっているが、リップル社は同仮想通貨がビットコイン(Bitcoin)やイーサリアム(Ethereum)などと同じコモディティに分類されると主張している。リップル社はSECが偏った見方でリップルを区別している可能性があると考えており、それを裏付けるために当局に内部文書の開示を迫っているという。加えて、リップル社はSECがリップルの発展を目の当たりにしながらも適切なガイドラインを発行しなかったと論じ、実質的に当局が同仮想通貨の存在を認めていたと訴えているようだ。このような状況下で、米大手仮想通貨取引所のKrakenがリップルの取引を一時停止するなど、判決を待たずに同社との関係を回避する動きが生じている。中には株主優待でリップルを配布したSBIを始めとする友好的なパートナー企業も存在するが、リップル社はここから立ち直ることができるのか、今後も同社の動向に注目していきたい。


Date

作成日

2021.06.17

Update

最終更新

2022.04.20

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

仮想通貨KAITOの将来性は?AI活用のWeb3情報プラットフォームKaito AIの特徴や評判を解説

仮想通貨KAITOは、Web3の情報アクセスを変革する次世代プラットフォーム「Kaito AI」のネイティブトークンです。当記事では、仮想通貨KAITOの概要や将来性、Kaito AIが提供するYapsの仕組み、SNSでの評判などを解説します。
update2025.02.19 19:00

FXGTでの出金拒否報告が増加中、これまでとは違う危険な兆候とは?

FXGTの出金拒否の報告・原因のほか、ユーザーの流出状況などをまとめました。SNS上ではここ数ヶ月の間に出金拒否に関する投稿が増加しており、ユーザーの間では「自分も出金拒否されるのでは」「FXGTがつぶれるのでは」といった不安が広がっています。
update2025.02.14 19:30

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2024.12.24 19:30

仮想通貨SOSOの将来性は?AI活用の投資分析プラットフォームSoSoValueがトークン発行

仮想通貨SOSOは、中央集権型金融の効率性と分散型金融の透明性を組み合わせた投資分析プラットフォーム「SoSoValue」のガバナンストークンです。当記事では、仮想通貨SOSOの将来性やSNSでの評判、SoSoValueの特徴などを解説します。
update2025.01.24 19:30

Bybitからビットフライヤーに送金してみた!送金手数料や反映時間は?

Myforex編集部では、実際にBybitからビットフライヤー(bitFlyer)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、送金手順のほか、送金手数料やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2025.02.19 19:30

【全て無料】MT4/MT5を日本時間にできるインディケータのおすすめが決定!

MT4/MT5に表示されている時間は、インディケータを使えば簡単に日本時間へ変えられます。MT4/MT5を日本時間表示にしておくと、各市場のトレンドを把握しやすくなったり、経済指標の発表時間に合わせた取引がしやすくなったりと、何かと便利です。
update2024.12.04 20:00

VPSではMT4・EAは何個起動できる?複数稼働は可能なのか?

スペック別のEAの起動数の目安のほか、VPSの負担を軽くする方法を説明します。同時に起動するEAの数が多すぎると、MT4が動かなくなる可能性があるので注意が必要です。VPSを使っているならば、MT4やEAをいくつ起動できるかを把握しておくことが大切です。
update2025.01.23 19:00

MacのMT4/MT5はダウンロードしても使えない?文字化けや起動しない時の対策方法や最終手段を紹介!

Mac版のMT4やMT5は不具合が良く発生するため、自分の使い方が悪いのか不安を感じている人もいるのではないでしょうか。本記事では、Mac版のMT4・MT5のトラブルや解決方法を解説します。
update2024.12.04 20:30

コインチェックからBybitに送金してみた!送金手数料や反映時間についても解説

コインチェック(Coincheck)からBybitに仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験やSNSでの口コミなども交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2024.11.29 19:00

Bybitからbitbankに送金してみた!送金手数料やトラベルルールについて解説

Myforex編集部では、Bybit(バイビット)からbitbank(ビットバンク)に仮想通貨(暗号資産)を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験をもとに、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2024.12.27 19:00
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル