Select Language

【IMMポジション】ポンド、ネットポジションが大幅増

【IMMポジション】ポンド、ネットポジションが大幅増

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.06.08 11:53
【IMMポジション】ポンド、ネットポジションが大幅増

update 2021.06.08 11:53

主要7通貨ではまちまちな動き

米商品先物取引委員会(CFTC)は28日、25日火曜日時点の建玉報告を公表した。[1]シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)通貨先物市場における投機筋の通貨別ポジションは下記の通り。

円、ネットポジションに大幅な変動なし

円は対ドルで5万156枚の売り越し(ネットショート)であった。先週比では792枚の増加となる。IMMポジション集計後の週末28日に、米国で重要な経済指標の発表を控えていることから、ポジションを大きく傾ける動きとはならなかった模様だ。また、3月16日時点で約1年ぶりに円ショートに転じて以降、円の売り越しは11週間続いている。

IMMドル円ネットポジション

画像引用:MQL5経済指標カレンダーのCFTC JPY投機筋ポジション

建玉別の増減率を見ると、買い建玉(円ロング)が前週比マイナス3.2%、売り建玉(円ショート)はマイナス2.1%となった。ロング・ショートポジション共に売り優勢となった。

【円ポジション】

建玉 先週 今週 増加率
ロング 24,965 24,163 -3.2%
ショート 75,913 74,319 -2.1%
ネット -50,948 -50,156 -

【円ポジション】

ロング
先週 今週 増加率
24,965 24,163 -3.2%
ショート
先週 今週 増加率
75,913 74,319 -2.1%
ネット
先週 今週 増加率
-50,948 -50,156 -

週初24日から25日にかけて、米10年債利回りが5月初旬以来となる1.560%まで低下したことを手掛かりに、円買い・ドル売りの展開となった。25日にドル円は108円56銭まで弱含んでいる。しかしながら、その後は米連邦準備制度理事会(FRB)のクオールズ副議長によるテーパリング議論開始に関する発言や、米4月個人消費支出(PCE)デフレーターが市場予想を上回る伸びを示したことなどを受け、28日にドル円は一時110円20銭と、ほぼ1ヶ月半ぶりの円安・ドル高水準をつけた。但し、心理的節目の110円を突破したことを受けた利益確定注文に加え、翌週31日は米国市場が休場となることから、ポジション調整の円買いも入った模様であり、109円84銭近辺で取引を終えている。

ユーロ、引き続きネットロングが増加基調

ユーロは対ドルで10万4,000枚の買い越し(ネットロング)となった。先週比では4,142枚の増加となる。ネットロングポジションは、2020年8月下旬の約21万枚をピークに縮小傾向にあったが、2021年4月中旬以降、反転して増加基調にある。

IMMユーロネットポジション

画像引用:MQL5経済指標カレンダーのCFTC EUR投機筋ポジション

建玉別の増減率を見ると、買い建玉(ロング)が前週比プラス1.6%、売り建玉(ショート)はマイナス0.3%となり、ロングポジションが増加する一方、ショートポジションは減少した。

【ユーロポジション】

建玉 先週 今週 増加率
ロング 232,330 236,103 1.6%
ショート 132,472 132,103 -0.3%
ネット 99,858 104,000 -

【ユーロポジション】

ロング
先週 今週 増加率
232,330 236,103 1.6%
ショート
先週 今週 増加率
132,472 132,103 -0.3%
ネット
先週 今週 増加率
99,858 104,000 -

欧州では新型コロナウイルス(COVID-19)対策が進捗し、ユーロに対する投資家心理が改善している。また、25日に発表されたドイツIfo企業景況感指数が市場予想を上回る良好な結果となったことなどを受け、25日にユーロは対ドルで約4ヶ月半ぶりの高値となる1.2266ドルまで急伸した。しかしながら、その後は欧州中央銀行(ECB)のパネッタ専務理事が金融緩和の縮小を否定したことにより、早期のテーパリング観測が後退した他、ロンドンフィキシングに絡むドル買いフローが出たことなどを受け、28日に週間安値となる1.2132ドルまで売られる場面が見られた。

ポンド、ネットポジションが約23%急増

ポンドは対ドルで3万659枚の買い越し(ネットロング)となった。先週比では5,759枚の大幅な増加となる。尚、年初来でネットポジションが最も積みあがったのは、3月2日時点の36,082枚となる。

IMMポンドネットポジション

画像引用:MQL5経済指標カレンダーのCFTC GBP投機筋ポジション

建玉別の増減率を見ると、買い建玉(ロング)が前週比プラス1.9%、売り建玉(ショート)はマイナス12.0%となった。ショートポジションが大幅に縮小したことから、ネットポジションの急増に繋がった。

【ポンドポジション】

建玉 先週 今週 増加率
ロング 63,027 64,193 1.9%
ショート 38,127 33,534 -12.0%
ネット 24,900 30,659 -

【ポンドポジション】

ロング
先週 今週 増加率
63,027 64,193 1.9%
ショート
先週 今週 増加率
38,127 33,534 -12.0%
ネット
先週 今週 増加率
24,900 30,659 -

英国のワクチン接種進展に伴う景気回復期待を受けたポンド買いは、足元で一服している模様だ。また、イングランド銀行(BoE)のベイリー総裁とカンリフ副総裁がインフレ圧力は一時的なものであるとの認識を示したことが、市場の重しとなった。一方、同銀行金融政策委員会(MPC)のブリハ委員は27日、労働市場の回復が予想以上に早まれば、2022年に利上げを行う可能性があると言及した。これを受け、ポンドは対ドルで1.4218ドルまで急騰する場面が見られた。

豪ドルとカナダドル以外でネットポジション増加

円(JPY)、ユーロ(EUR)、ポンド(GBP)、豪ドル(AUD)、スイスフラン(CHF)、カナダドル(CAD)、NZドル(NZD)の7通貨では、資源国通貨されるカナダドルと豪ドルを除く5通貨でネットポジションが増加した。その他の通貨のポジションは下記の通り。

【その他通貨ポジション】

通貨 建玉 先週 今週 増加率
AUD ロング 57,862 55,098 -4.8%
ショート 54,860 55,907 1.9%
ネット 3,002 -809 -
CHF ロング 11,115 12,223 10.0%
ショート 15,380 13,426 -12.7%
ネット -4,265 -1,203 -
CAD ロング 82,026 84,183 2.6%
ショート 35,914 39,372 9.6%
ネット 46,112 44,811 -
NZD ロング 23,624 24,446 3.5%
ショート 15,174 15,861 4.5%
ネット 8,450 8,585 -

【AUDポジション】

ロング
先週 今週 増加率
57,862 55,098 -4.8%
ショート
先週 今週 増加率
54,860 55,907 1.9%
ネット
先週 今週 増加率
3,002 -809 -

【CHFポジション】

ロング
先週 今週 増加率
11,115 12,223 10.0%
ショート
先週 今週 増加率
15,380 13,426 -12.7%
ネット
先週 今週 増加率
-4,265 -1,203 -

【CADポジション】

ロング
先週 今週 増加率
82,026 84,183 2.6%
ショート
先週 今週 増加率
35,914 39,372 9.6%
ネット
先週 今週 増加率
46,112 44,811 -

【NZDポジション】

ロング
先週 今週 増加率
23,624 24,446 3.5%
ショート
先週 今週 増加率
15,174 15,861 4.5%
ネット
先週 今週 増加率
8,450 8,585 -

release date 2021.05.31

出典元:

ニュースコメント

景況感の改善が続く主要各国

IMMポジション集計後の26日、ニュージーランド準備銀行が2022年9月末までの利上げを示唆すると共に、景気の先行きに対する自信を示した。これを受け、ニュージーランドドルは対ドルで一時0.7315ドルまで急伸し、約3ヶ月ぶりの高値水準をつけた。ニュージーランドは新型コロナウイルス対策が進捗しており、足元で消費や雇用などが堅調に推移している。既に利上げを示唆したカナダやニュージーランド以外にも、世界の主要各国で景況感の改善が続いている状況だ。24日の週も、各国で景気回復を示す複数の経済指標が発表されている。例えば、欧州をリードするドイツの5月Ifo企業景況感指数は、2019年5月以来の高水準となり、ユーロ買いに繋がっている。米国では25日に発表されたケース・シラー住宅価格指数が、約15年ぶりの大幅な上昇となった。今後もこれらの国々で景況感の改善を示す指標が続く場合、FX取引の面でも景気回復が進む国の通貨を選好する動きが強まりそうだ。


Date

作成日

2021.05.31

Update

最終更新

2021.06.08

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

arrow
プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

仮想通貨USUALの将来性は?RWA活用のステーブルコインプロトコルを解説

仮想通貨USUALは、ステーブルコインプロトコル「Usual」のガバナンストークンです。Usualは、BlackRockなどからRWA(現実資産)を集約してステーブルコインを発行し、その収益をコミュニティに再分配するプロトコルとして注目を集めています。
update2024.11.20 20:00

Milton Marketsが2024年11月より最大100%分入金ボーナスを開催

Milton Marketsで期間限定の100%入金分ボーナスキャンペーンが開催されます。当記事では100%入金分ボーナスの概要や、注意点を中心に解説していきましょう。
update2024.11.20 19:30

スマホ版MT4のやさしい使い方ガイド~iPhone&Androidの基本操作~

この記事では、優先的に押さえておきたいMT4アプリの機能を5つのグループにまとめ、iPhone版とAndroid版での使い方を解説します。「基本操作を手っ取り早く確認したい!」という方はぜひご活用ください。
update2024.11.20 19:00

ZoomexがクリプトバトルZを開催!毎週開催の取引大会で現物USDTやボーナスを獲得

2024年11月1日、海外取引所のZoomex(ズーメックス)が、取引大会シリーズ「クリプトバトルZ」を開催しました。ラウンドごとの特典総額は3,480ドル相当です。当記事では、クリプトバトルZの詳細や参加方法、注意点を解説します。
update2024.11.15 20:00

ゴールドラッシュXMは本当に儲かるのか?ほぼ破綻リスクゼロのEAの実力は

ゴールドラッシュXMのランディングページで謳われている「1ヵ月で取引資金が2倍に」、「破綻リスクはほぼゼロ」という宣伝文句に違わぬ実力が備えられているのか、フォワードテスト・バックテストを実施して検証しました。
update2024.11.14 20:30

Titan FXがブラックフライデーキャンペーンを開催!取引でキャッシュバックが付与

Titan FXが、2024年11月25日(月)からブラックフライデーキャンペーンを開催します。今回のキャンペーンでは、FX通貨ペア銘柄またはゴールドを1ロット取引するごとに500円のキャッシュバックが付与されます。
update2024.11.14 20:00

XMTradingが仮想通貨CFDのスプレッドを縮小!どのくらい狭くなったか検証

2024年10月25日にXMTradingが仮想通貨CFDのスプレッドを縮小しました。この記事では、BTCUSDとETHUSDのスプレッドの計測結果やほかのFX業者と比較した結果を解説します。
update2024.11.14 19:30

Milton Marketsが11月の1万円FXチャレンジとXリポストキャンペーンを開催!

Milton Marketsで、11月の1万円チャレンジが開催されます。この記事では、開催期間や上位入賞の条件、これまでの1万円チャレンジと変わった点などを解説します。
update2024.11.14 19:00

XMTradingがお歳暮プロモを開催!100%入金ボーナスを付与

海外FX業者のXMTradingが2024年10月15日から11月15日までお歳暮プロモを開催することを発表しました。キャンペーン期間中に対象口座へ入金すると、100%の入金ボーナスが付与されます。新規・既存ユーザーの両方が対象です。
update2024.11.12 19:30

Zoomexがあったか冬支度応援キャンペーンを開催!総額76万円相当のビットコインとAmazonギフト券がもらえる

Zoomex(ズーメックス)が、あったか冬支度応援キャンペーンを開催しました。各種条件をクリアすると、総額76万円相当のビットコインとAmazonギフト券を獲得できます。キャンペーン開催期間は、2024年11月19日〜11月25日までです。
update2024.11.07 19:30
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル