作成日
:2021.05.24
2022.04.20 12:27
仮想通貨(暗号資産)市場が記録的な暴落に見舞われる中、DeFi(分散型金融)関連サービスにおけるレバレッジポジションの解消を急ぐ動きが生じ、イーサリアム(Ethereum)の取引手数料が高騰した。
今月19日にビットコインが3万ドル付近に急落したことを受け、イーサリアム価格(ETH/USD)は一時的に前日から約40%減となる水準に達した。これに伴い、仮想通貨市場ではマージンコールが連鎖的に発生しており、過去24時間で推定91億3,000万ドル相当のポジションが精算されているようだ。Alameda Researchのサム・トラブッコ氏は、イーサリアム価格がスポット市場主導で上昇しているとの見立ては間違っていたと述べ、大量のレバレッジポジションが仕込まれていたことを明らかにしている。
ブロックチェーン分析企業のDelphi Digitalによると、イーサリアムの取引手数料は同日中に約1,500Gwei(10億分の1ETH)から約1,700Gweiのレンジまで急上昇したという。
また、仮想通貨データサイトのDune Analyticsでは、その額が単純な送金で平均38.10ドル、分散型取引所(DEX)のユニスワップ(Uniswap)における取引で平均230.25ドルを記録したことが確認されている。仮想通貨管理会社CoinSharesのCSO(Chief Strategy Officer)であるメルテム・デミローズ氏は、イーサリアムの取引手数料として1,200ドルを支払ったものの、取引が長時間保留となっていたと報告した。現在、イーサリアム価格は落ち着きを取り戻しているが、投資家はどのような動きを見せるのか、今後も仮想通貨市場での展開に注目していきたい。
release date 2021.05.24
出典元:
ニュースコメント
イーサリアムに次ぐDeFiプラットフォームが台頭
世界最大のDeFiプラットフォームとして拡大を続けるイーサリアムだが、ここ1週間でネットワーク上の預かり資産額が約200億ドル減少しているという。これに関して、仮想通貨ベンチャーキャピタリストのコンスタンティン・コーガン氏は、Binance Smart Chainやポルカドット(Polkadot)などのプラットフォームが台頭してきていると指摘し、将来的にDeFi関連サービスがマルチチェーンでの運用に移行する可能性があると予想している。実際に、今年に入ってからバイナンスコインは時価総額が1,000億ドルを突破するなど、イーサリアムに次ぐDeFiトークンになっていると言えるだろう。イーサリアムはETH2.0移行に向けて検証が進められているが、PoS(プルーフ・オブ・ステーク)の採用でDeFiプラットフォームとしての価値を高めることができるのか、今後も同プロジェクトの行方を見守っていきたい。
作成日
:2021.05.24
最終更新
:2022.04.20
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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