作成日
:2021.04.22
2022.04.20 12:27
米通貨監督庁(Office of the Comptroller of the Currency)【以下、OCCと称す】の元長官代理であるBrian Brooks氏が、米国で仮想通貨(暗号資産)関連サービスを展開するBinance.USのCEOに就任する見通しであることが明らかになった。
2021年1月14日にBrooks氏がOCCを退職してその去就に注目が集まっていたが、同氏は現CEOのCatherine Coley氏が退任する今年5月から新しくBinance.USに加わることを決めているという。これに関してバイナンス(Binance)のCEOであるChangpeng Zhao氏は、Brooks氏が金融および公共、仮想通貨分野で類のない経験を積んだリーダーだと評価し、同氏の知識や専門性がBinance.USにとって非常に重要なものになると言及した。
Brooks氏は仮想通貨市場に精通した人物であり、過去に米大手仮想通貨取引所のコインベースでCLO(Chief Legal Officer)を務めただけでなく、仮想通貨カストディのAnchorageが連邦政府から信託憲章を付与された際に監督業務を担当した経歴を持っている。Binance.USのCEOに就任するにあたってBrooks氏は、同取引所がライセンス取得やコンプライアンス体制の構築を迅速に行い、より付加価値の高い、多様なサービスを提供することが可能になると述べた。
Brooks氏はビットコイン(Bitcoin)を始めとする仮想通貨が投資対象の資産として価値を高めていることに触れ、バイナンスがGoogle(グーグル)に匹敵する潜在成長力を持つとの考えを示している。仮想通貨市場の時価総額は2兆ドルを突破しても尚、拡大を続けているだけに、これら仮想通貨関連企業が飛躍することに期待したい。
release date 2021.04.22
出典元:
ニュースコメント
仮想通貨関連サービスの多様化を試みるバイナンス
世界最大の取引所であるバイナンスは、仮想通貨取引の他にも様々な仮想通貨関連サービスを展開しており、統合的な仮想通貨プラットフォームとしての価値を高めているという。近年、バイナンスは分散型アプリ(dApps)および分散型金融(DeFi)関連サービスの強化を試み、独自ブロックチェーンのBinance Smart Chainをローンチしている。最近ではコインベース株の取り扱いを開始したブローカー各社に対抗するために、株式トークンであるCoinbase Stock Tokenを上場したのに加え、テスラ株を対象としたTesla Stock Tokenなども上場しているようだ。このような背景から、バイナンスを取り巻く規制環境は複雑さを増しているが、Binance.USのCEOに就任するBrooks氏は同取引所の動きを効果的にサポートすることができるのか、今後の動向を見守っていきたい。
作成日
:2021.04.22
最終更新
:2022.04.20
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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