Select Language

OANDA、GAINに対する法廷闘争を継続する意向

OANDA、GAINに対する法廷闘争を継続する意向

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2022.04.20 12:27
OANDA、GAINに対する法廷闘争を継続する意向

update 2022.04.20 12:27

裁判所に対してディスカバリーの進捗を要請

米国の大手海外FXブローカーであるOANDA Corporation(本社:10 Times Square New York NY 10018[1])【以下、OANDAと称す】は、StoneX Group Inc.(本社:230 Park Avenue, 10th Floor, New York, NY10169[2])傘下のGain Capital Holdings Inc【以下、GAINと称す】による特許侵害に関し、米国特許商標庁(US Patent and Trademark Office)【以下、USPTOと称す】がGAINのレビュー手続きの申請を却下したことを受け、同社に対する法廷闘争を継続する姿勢を示している。

2020年、OANDAは2つの特許技術を侵害したとして、GAINを相手取った訴訟を起こしている。その際OANDAは、GAINが特許番号7,146,336に関して複数の請求項(特許請求の範囲)で特許権を侵害していると主張していた。一方、GAINはOANDAの主張の誤りを明らかにする多くの証拠があると言及し、裁判所に対して特許の有効性を審査するビジネスメソッド特許(Covered Business Method)【以下、CBMと称す】レビューの実施を求めていた。[3]CBMレビューが開始された場合、GAINは90%以上の確率でOANDAの特許性が認められないと見込んでいたようだ。

今回、OANDAの特許請求の範囲は抽象的なものであるとしてレビューを求めたGAINのリクエストが、USPTOの特許審判部(Patent Trial and Appeal Board, PTAB)により却下された。これを受け、OANDAは3月22日、裁判所に対してGAINが申請した訴訟手続きの中止を求める請求を退けるよう申し立てを行っている。OANDAの弁護士は、GAINが再審を求めず、CBMレビューのリクエストを却下した場合、訴訟手続きの中止命令を請求する理由がなくなると主張している。またOANDAは、陪審制度に基づく証拠収集システムであるディスカバリー制度を早急に進捗させるよう求めているという。OANDAは連邦民事訴訟規則(Federal Rules of Civil Procedure)【以下、FRCPと称す】26(c)に基づき、GAINが証拠開示を進めない正当な理由を示していないと指摘している。尚、FRCP26(f)に基づき、原告と被告の両当事者は、ディスカバリーに関連した協議を行うことが許されているが、敗訴した当事者には保全命令や罰則が科せられる可能性がある。

USPTOの判断を受けて、OANDAはGAINに対する法廷闘争を継続する姿勢を示しているが、両社が如何なる対応を見せるか、その動向を見守りたい。

release date 2021.03.24

ニュースコメント

comment

テクノロジー企業との連携を深めるOANDA


近年、OANDAは更なる顧客基盤の拡大を図るべく、テクノロジー企業との提携を通じたソリューション提供を積極化している模様だ。直近では、OANDAはQinox Techと提携し、グローバルFXデータ関連サービスの拡充を試みている。また、OANDAはCurrencycloudと提携し、米国企業を対象にした新たなクロスボーダー決済サービスの提供を開始した。その他にも、OANDAはFairXchangeやChasing Returnsなどと提携しており、テクノロジーファーストなサービスの提供を模索しているとうかがえる。更に、2020年1月にはADSSのグローバルテクノロジー部門ヘッドを務めていたEmmanuel Coulon氏をCTOとして迎え入れ、グローバルテクノロジー戦略を強力に推進している状況だ。一方、OANDAはNFAからの除名や業務停止の可能性があることが明らかになっており、コンプライアンス面の改善が急務となっている。テクノロジーを重視する同社が、取引サービスやコンプライアンス分野において画期的なソリューションを提供することに期待したい。


Date

作成日

2021.03.24

Update

最終更新

2022.04.20

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

arrow
プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

仮想通貨KAITOの将来性は?AI活用のWeb3情報プラットフォームKaito AIの特徴や評判を解説

仮想通貨KAITOは、Web3の情報アクセスを変革する次世代プラットフォーム「Kaito AI」のネイティブトークンです。当記事では、仮想通貨KAITOの概要や将来性、Kaito AIが提供するYapsの仕組み、SNSでの評判などを解説します。
update2025.02.19 19:00

Bybitからbitbankに送金してみた!送金手数料やトラベルルールについて解説

Myforex編集部では、Bybit(バイビット)からbitbank(ビットバンク)に仮想通貨(暗号資産)を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験をもとに、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2024.12.27 19:00

FXGTでの出金拒否報告が増加中、これまでとは違う危険な兆候とは?

FXGTの出金拒否の報告・原因のほか、ユーザーの流出状況などをまとめました。SNS上ではここ数ヶ月の間に出金拒否に関する投稿が増加しており、ユーザーの間では「自分も出金拒否されるのでは」「FXGTがつぶれるのでは」といった不安が広がっています。
update2025.02.14 19:30

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2024.12.24 19:30

【全て無料】MT4/MT5を日本時間にできるインディケータのおすすめが決定!

MT4/MT5に表示されている時間は、インディケータを使えば簡単に日本時間へ変えられます。MT4/MT5を日本時間表示にしておくと、各市場のトレンドを把握しやすくなったり、経済指標の発表時間に合わせた取引がしやすくなったりと、何かと便利です。
update2024.12.04 20:00

Bybitからビットフライヤーに送金してみた!送金手数料や反映時間は?

Myforex編集部では、実際にBybitからビットフライヤー(bitFlyer)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、送金手順のほか、送金手数料やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2025.02.19 19:30

VPSではMT4・EAは何個起動できる?複数稼働は可能なのか?

スペック別のEAの起動数の目安のほか、VPSの負担を軽くする方法を説明します。同時に起動するEAの数が多すぎると、MT4が動かなくなる可能性があるので注意が必要です。VPSを使っているならば、MT4やEAをいくつ起動できるかを把握しておくことが大切です。
update2025.01.23 19:00

仮想通貨SOSOの将来性は?AI活用の投資分析プラットフォームSoSoValueがトークン発行

仮想通貨SOSOは、中央集権型金融の効率性と分散型金融の透明性を組み合わせた投資分析プラットフォーム「SoSoValue」のガバナンストークンです。当記事では、仮想通貨SOSOの将来性やSNSでの評判、SoSoValueの特徴などを解説します。
update2025.01.24 19:30

Bybitからコインチェックに送金してみた!送金手数料やトラベルルールについても解説

Myforex編集部では、Bybit(バイビット)からコインチェック(Coincheck)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験をもとに、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2024.12.17 19:00

MacのMT4/MT5はダウンロードしても使えない?文字化けや起動しない時の対策方法や最終手段を紹介!

Mac版のMT4やMT5は不具合が良く発生するため、自分の使い方が悪いのか不安を感じている人もいるのではないでしょうか。本記事では、Mac版のMT4・MT5のトラブルや解決方法を解説します。
update2024.12.04 20:30
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル