作成日
:2021.03.08
2022.04.20 12:27
大手仮想通貨取引所のHuobi(フォビ)が、香港証券先物委員会(Hong Kong Securities and Futures Commission)【以下、香港SFCと称す】の承認を受け、3つの仮想通貨ファンドを立ち上げたことが明らかになった。
Huobiの子会社であるHuobi Technologyによると、これらの仮想通貨ファンドはそれぞれビットコイン(Bitcoin)、イーサリアム(Ethereum)、複数の仮想通貨(マルチ戦略)を対象としているという。その他、Huobiは資産の10%を仮想通貨に、残りの90%を株式や債券などに投資するハイブリッドタイプのファンドも立ち上げているようだ。この仮想通貨ファンドに関してHuobiは、どの程度の規模になるかは流通チャネルの開発に依存するとコメントしている。
昨年8月、Huobiは完全子会社のHuobi Asset Managementを通じてライセンスを取得していた。しかしながら仮想通貨のみを対象としたファンドを立ち上げるために追加の権限が必要だったことから、今回、Huobiは香港SFCから新しく承認を受けるに至ったという。将来的にHuobiはアジア地域を代表する仮想通貨関連会社となることを目指しており、製品やサービスを拡大しているようだ。
強力なエコシステムを有するHuobiが仮想通貨ファンドをローンチした事実は、仮想通貨市場に影響を与える可能性があるが、どのような変化が見られるのか、今後も同社の動向を見守っていきたい。
release date 2021.03.08
出典元:
ニュースコメント
国家安全法の施行で揺れる香港
昨年、国家安全法が施行されたことをきっかけに、アジアの金融センターとして確固たる地位を築いてきた香港が揺らいでいる。最近では、日本の大手金融企業であるSBIが香港から撤退することを検討し、今年3月までに一部または全ての事業を引き上げることを見通しているようだ。この影響は仮想通貨市場にまで波及しており、香港で上場企業となったHuobiも無関係ではいられない状況だ。実際に、秘密鍵の管理者が中国当局に拘束されて出金を停止したOKExに続き、Huobiも同様に創始者が身柄を拘束される状況に陥っているという。中国では仮想通貨取引所の運営が認められておらず、仮想通貨取引も違法行為とされている。昨年末、PBoCがデジタル人民元発行に向けて規制強化を実施するなど、中国では仮想通貨市場に対する締め付けが強まっている、香港ではどのような動きが見られるのか、今後も同地域での展開に注目していきたい。
作成日
:2021.03.08
最終更新
:2022.04.20
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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