作成日
:2021.02.23
2021.08.31 15:31
2月21日、ビットコイン価格(BTC/USD)は5万8,332ドルに到達し、今月記録した史上最高値を再び更新した。
昨年、ビットコイン価格は通年で305%の上昇を記録したが、今年に入ってからもその勢いは衰えず、今月中旬にビットコイン価格は5万ドルの大台を突破した。その後数日で同仮想通貨価格は5万6,000ドルラインの抵抗線を上抜けて史上最高値を更新し、年初から2倍以上となる水準に達している。現時点でビットコイン価格は5万8,148ドル付近にまで押し下げられているが、依然として10時間および50時間移動平均線を上回る強気な値動きを見せているという。
これに対して一部アナリストは、投資家が各国政府がマネーサプライを拡大していることを懸念し、法定通貨のインフレリスクをヘッジしようとビットコインを買い求めていると分析している。一方、BlocktaneのJohn Willock氏は、ビットコインETF(上場投資信託)およびクローズドエンド型のファンド商品を運用する資産運用会社や、その他大手企業の需要が買い圧力を強めていると語った。実際にカナダを拠点とするパーパスが世界初のビットコインETFを上場して注目を集めており、取引初日から1億6,500万ドルの取引量を記録したという。
先日、電気自動車メーカーのテスラ(Tesla)が15億ドル相当のビットコインを購入したのに続き、MicroStrategyが約9億ドルの社債を発行し同仮想通貨を追加購入する計画であることを発表した。このような要素が重なって仮想通貨市場には大量の資金が流入してきているが、ビットコイン価格はどこまで上昇するのか、今後もその動向を見守っていきたい。
release date 2021.02.23
ビットコインの総供給量は2,100万BTCに固定されており、時間経過と共に少しずつ新規発行される仕組みになっている。従ってそれを上回る勢いで需要が高まれば、ビットコイン価格は上昇すると考えられているが、アナリストの中には同仮想通貨が本質的な価値を持たないとして懐疑的な見方をする者も存在するようだ。しかしながら2020年後半からのビットコイン価格の高騰を受け、多くの人々が同仮想通貨を評価し始めているという。特に投資家はビットコインが金に似た性質を持つ資産だとの認識を強めており、分散投資におけるひとつの選択肢として同仮想通貨を認めている状況だ。ストック・フロー比率(Stock to Flow)を用いた価格モデルでは、ビットコイン価格が半減期後に上昇の圧力を強め、今年中に約10万ドルに達すると予想されているが、この好調は長期的なトレンドとして継続するのか、今後も仮想通貨市場の動きに注目していきたい。
作成日
:2021.02.23
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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