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仏AMF、欧州における仮想通貨サービスプロバイダーの監督方法見直しを提案

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update 2021.08.31 15:31
仏AMF、欧州における仮想通貨サービスプロバイダーの監督方法見直しを提案

update 2021.08.31 15:31

セキュリティトークン活用のためにパイロット制度を構築する必要性を主張

フランス金融市場庁(Autorité Des Marchés Financiers)【以下、AMFと称す】の長官であるRobert Ophèle氏が、欧州市場における仮想通貨サービスプロバイダーの監督方法を見直すことを提案している事実が明らかになった。[1]

今回、Ophèle氏はブロックチェーン上で発行される金融商品に対する関心の高まりが新たな課題を生み出していると述べ、それに対応するために欧州証券市場監督局(The European Securities and Markets Authority, ESMA)を規制当局とする方針を提案した。また、Ophèle氏は「仮想通貨市場に関する規制(Regulation on Markets in Crypto Assets)【以下、MiCAと称す】」がステーブルコインおよび純粋な仮想通貨を包括していると言及した上で、ブロックチェーンベースの金融商品をテストするパイロット制度を構築する必要があると主張したという。具体的にAMFは、セキュリティトークン活用のために規制のサンドボックス制度を設けることを提案しているようだ。これに関してOphèle氏は既存のルールが中央集権型のシステムを想定して作られていたと指摘し、新しいパイロット制度が実現すれば、ブロックチェーン技術の成長を妨げていた特定の規制要件を破棄することができると説明している。

更にOphèle氏はこの監督方法の変更に関して次のようにコメントした。

第一に、これはEU(欧州連合)の公平な競争を保証するための最良の方法です。第二に、この規制は全く新しいものであるため、後の段階で検討するよりも最初からESMAに委任する方が簡単です。更に、仮想通貨市場への参入コストが非常に高いことから、同じ機関内に全ての専門知識を集約する方が理にかなっていると言えるでしょう。分散型台帳技術から期待される潜在的な利益が重要な意味を持つかもしれません。分散型台帳技術はマーケットチェーンを高速化し、中央集権型の市場インフラが抱える単一障害点などのサイバーリスクを軽減することができます。加えて、スマートコントラクトを用いて多くのバックオフィス業務を簡素化することもできるのです。他国が同様のアプローチを用いた際、欧州が競争力を維持できるかは疑問が残ります。

Robert Ophèle, Chairman of AMF - AMFより引用

昨年9月、ECは欧州主要国がステーブルコインへの対策強化を要請したことを受け、デジタルファイナンスに関するより広範な政策イニシアチブの一環として仮想通貨の法的フレームワークを整備した。加えて、ECはMiCAを立案して欧州における仮想通貨市場の発展と安全を両立しようと試みているが、AMFの提案にどのような反応を示すのか、今後も同地域での展開を見守っていきたい。

release date 2021.01.10

出典元:

ニュースコメント

セキュリティトークンの実用化に向かう世界各国

既に一部の仮想通貨先進国ではセキュリティトークンが実用化されており、企業の資金調達プロセスの効率化と同時に、投資家に広く投資機会を提供することに成功しているという。例えばシンガポールでは、いち早く規制のサンドボックス制度を設けて企業が実験的にSTO(セキュリティトークンオファリング)を行うことを実現し、新興テクノロジーの取り込みを後押ししているようだ。結果的に昨年初旬までに証券トークンプラットフォームのiSTOXがMASの承認を受けて正式なライセンスを取得しており、トークン化された証券の発行、保管、取引サービスを提供することが可能となった。その他には、韓国でブロックチェーンベースの非上場株式取引サービスがテスト段階にあるなど、世界各国で同技術の導入が本格化しているが、仮想通貨を取り巻く環境はどのように変化していくのか、今後もその動向に注目していきたい。


Date

作成日

2021.02.10

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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