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ECB、ECと協力してデジタルユーロの潜在的な問題を検証

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update 2021.08.31 15:31
ECB、ECと協力してデジタルユーロの潜在的な問題を検証

update 2021.08.31 15:31

2021年までにプロジェクト立ち上げ可否を判断する見通し

欧州中央銀行(European Central Bank)【以下、ECBと称す】は、2021年中旬までに中央銀行発行の独自デジタル通貨(Central Bank Digital Currency)【以下、CBDCと称す】であるデジタルユーロ発行に向けたプロジェクト立ち上げ可否を判断するために、欧州委員会(European Commission)【以下、ECと称す】と協力して潜在的な問題を検証していることを明らかにした。[1]

今月19日の発表によると、ECBおよびECは民間が提供する決済ソリューションや現金を補完する手段として、デジタルユーロを発行する可能性を模索するという。この試みに関して両機関は鍵となる設計や技術的な課題に答えを出し、デジタルユーロに必要なツールを開発する可能性があると言及している。また、両機関はそれぞれの義務と独立性を考慮に入れ、政策的、および法的、技術的な側面からデジタルユーロの導入に伴う問題を検証すると述べた。

デジタルユーロはP2P(ピア・ツー・ピア)トランザクションや、M2M(マシン・ツー・マシン)トランザクションなどを用いて従来の銀行システムを刷新し、プログラム可能な通貨として為替レートと金利の適切な管理を実現することができるという。ECBはデジタルユーロの立ち上げを約2年前から議論しているが、ニュースサービスのEURACTIVが公開した調査では41%の人々がプライバシーに関して懸念を示しており、その計画が停滞していることが明らかになった。しかしながら今月初め、ECBのChristine Lagarde総裁は5年以内にデジタルユーロが発行されるとの予想を語っている。

昨年9月、ECは欧州主要国がステーブルコインへの対策強化を要請したことを受け、デジタルファイナンスを含む広域な政策イニシアチブの一環として、仮想通貨に対するフレームワークを公開し、仮想通貨関連企業を法的に規制する体制を構築した。米大手銀行のバンクオブアメリカがデジタルユーロの危険性を警告するなど、CBDC導入に否定的な意見も聞こえてきているが、最終的にECBはどのような判断を下すのか、今後も同地域での動向を見守っていきたい。

release date 2021.01.22

出典元:

ニュースコメント

デジタルユーロ導入に向けて先行するフランス

ECBがデジタルユーロ発行の可能性を模索する中、既に欧州各国ではそれを現実的に受け入れるための動きが加速している。特にフランスでは同国の中央銀行であるフランス銀行がCBDC向け銀行決済アプリのテストを実施するなど、民間企業とのパートナーシップを形成してより具体的な取り組みが進められているようだ。また、フランス銀行は英国ロンドンを拠点とする決済インフラ企業のSETLと協力し、ブロックチェーン技術を基礎にしたデジタルユーロの発行および償還に必要なインフラ構築を実現したことも報告している。これを用いて、フランス銀行はデジタルユーロを使用し、200万ユーロを超える現金取引のシミュレーションを成功させたという。その他、イタリアやドイツ、オランダなどの欧州主要国も同様のプロジェクトを立ち上げており、先行するフランスの動きを追っているが、どのような展開を見せるのか、今後も各国政府の取り組みに注目していきたい。


Date

作成日

2021.01.22

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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