作成日
:2020.12.11
2023.04.28 17:04
米国・ボストンを拠点とするグローバル金融機関のState Street Corporation(本社:One Lincoln Street Boston, Massachusetts 02111
)【以下、ステートストリートと称す】は12月8日、英国・ロンドンを拠点にクラウドベースのフロントエンド取引プラットフォームを提供するBidFX(本社:5th Floor York House 23 Kingsway London WC2B 6UJ )へ、4種類のFXアルゴリズムストラテジーの提供を開始した。これにより、BidFXの顧客は同社のプラットフォーム上で、ステートストリートが提供するアルゴリズムストラテジーを活用することができるようになるという。同ストラテジーは広範な顧客層に対し、柔軟性のあるFX執行サービスを提供している。
サービス提供に際し、ステートストリートのクライアントアルゴ部門グローバルヘッドを務めるMary Leung氏とBidFXの米国市場セールスヘッドを務めるScott Gold氏は、それぞれ以下のようにコメントしている。
2020年3月に市場のボラティリティが拡大したことで、これまでにないほどFXアルゴリズム取引高が増加する中、コスト削減と執行効率の向上を目指すお客様にとって、執行アルゴリズムは有益なツールとなっております。我が社独自の流動性と組み合わせた多岐にわたるアルゴリズムソリューションは、お客様の執行スタイルや投資方針に適応すると共に、運用パフォーマンスの改善に寄与する高付加価値を提供することができるでしょう。
Mary Leung, Global Head of Client Algos at State Street - BidFXより引用
我が社はステートストリートと長期にわたる関係性を構築しており、同社が提供する4種類のFXアルゴリズムストラテジーを導入することで、両社の機能統合を進めることを喜ばしく思っております。足元のグローバル市場において流動性供給が重要となる中、執行効率の向上を目指す我が社のお客様は、アルゴリズムストラテジーの活用を進めております。ステートストリートのアルゴリズムを導入したことにより、お客様に更なる価値を提供することができるようになるため、我々は最新のアルゴリズム提供業者として同社を歓迎いたします。
Scott Gold, Head of Americas Sales at BidFX - BidFXより引用
尚、シンガポール取引所(SGX)傘下のBidFXは、Global Primeや野村証券などとの提携を通じ、FX業界向けのサービス拡充を図っている。一方、ステートストリートはCLSなどと提携し、FXサービスを強化している。そして今回、ステートストリートはBidFXに投資家ニーズの高まるアルゴリズムストラテジーを提供することで、更なる業績拡大が期待できそうだ。
release date 2020.12.11
テクノロジーの進化に伴い、金融業界では執行アルゴリズムの活用が進んでいる。例えば、リテールFX業界においては、海外FXブローカーによる導入が拡大しているMetaTrader5(MT5)を活用することで、機関投資家のみならず個人投資家も高性能なアルゴリズム取引機能を利用することが可能だ。またEuropeFXはRoboXを導入しており、100万種類以上に及ぶ取引戦略を分析するアルゴリズムを搭載しているという。更に、個人投資家向けにMarkets.comはクオンツ運用ツールをリリースした他、ズールトレードは米国でコピートレードプラットフォームをリリースし、独自アルゴリズム取引ソフトウェアを活用したマッチメイキング機能の提供を開始している。リテール分野において、資産運用の民主化につながり得るアルゴリズムソリューションの提供事例は枚挙にいとまがない。多くの海外FXブローカーが先進的なテクノロジーを活用した執行アルゴリズムを提供する中、トレーダーの利用が進むことで、更なる市場の活性化を期待したい。
作成日
:2020.12.11
最終更新
:2023.04.28
国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。
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