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香港証券取引所、サステナブル及びグリーンファイナンス関連プラットフォームをリリース

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update 2021.08.31 15:31
香港証券取引所、サステナブル及びグリーンファイナンス関連プラットフォームをリリース

update 2021.08.31 15:31

29種類のサステナブル投資商品に関連したデータリポジトリを構築

香港証券取引所(本社:8/F, Two Exchange Square, 8 Connaught Place, Central, Hong Kong[1])【以下、HKEXと称す】は、グローバルベースで拡大するサステナブルファイナンス需要をサポートすべく、STAGE(Sustainable and Green Exchange)と呼ばれる、アジア地域初のマルチアセットに対応したサステナブル投資商品プラットフォームをリリースしたことを発表した。[2]

STAGEのリリースを通じて、HKEXはアジアを拠点とする有力企業が発行する29種類のサステナブル投資商品に関連したデータリポジトリを構築したという。これらの商品には、公益や運輸、不動産開発、金融サービスといった多岐にわたる業界の企業によって発行されるグリーンボンドや、ESG(環境・社会・ガバナンス)関連の上場商品などが含まれているとのことだ。また、同プラットフォームはサステナブルファイナンス関連の高度な投資教育や情報共有、ステークホルダー・エンゲージメントといったサービスを提供するという。更に、サステナブルファイナンスやグリーンボンド、ESGなどへの理解を深めるべく、STAGEが構築するライブラリ上で様々なケーススタディやウェブキャスティング、各種出版物を提供していくとのことである。HKEXは国内外のパートナーと緊密に協働し、グローバルベースで同プラットフォーム上にて利用できるコンテンツの拡大を図る方針だ。

STAGEを活用する発行体は、サステナブル投資商品に関するより多くの情報を投資家に提供できるようになり、透明性やアクセス性を高めることが可能になるという。ただし、発行体はグリーンプロジェクトに係る調達資金の使途や、グリーンボンド発行後のレポーティングなど、サステナブル投資商品に関連した情報の任意開示を求められることになる。これらの追加情報によって、投資家は急成長を遂げているアジア地域のグリーンファイナンスに関連した信頼性の高いプラットフォームへアクセスすることができるようになるという。また、これらのデータは、グリーンプロジェクトに係る資金調達を模索する発行体にとってのベンチマークとして機能する他、サステナビリティ関連データの標準化に寄与すると見られている。

新たなプラットフォームのリリースに際し、HKEXの市場部門ヘッドを務めるWilfred Yiu氏とグリーン・サステナブルファイナンス部門ヘッドを務めるGrace Hui氏は、それぞれ以下のようにコメントしている。

アジア地域では、サステナブルファイナンスに関連したビジネス機会が急速に拡大しております。サステナブル関連商品やESGデータに係る情報が求められる中、我々はSTAGEを活用することでこのニーズに対応できるでしょう。同プラットフォームは市場参加者と発行体及び投資家を結び付け、信頼性の高いデータや商品を提供するワンストップショップとして機能することで、アジア地域のグリーン及びサステナブルファイナンス市場の成長加速や透明性・アクセス性の向上に寄与すると考えております。

Grace Hui, Head of Green and Sustainable Finance of HKEX - HKEXより引用

我が取引所は、アジア地域のサステナブルファイナンスを主導するリーディングカンパニーであります。STAGEのリリースを通じて、我々はグリーン及びサステナブルファイナンス投資商品の認知度やアクセス性、データの可用性を高め、同地域における市場の発展をサポートしていく考えであります。我が取引所は持続可能な社会への移行を支えるための資本流入を促すと共に、アジア地域のサステナブルファイナンス市場の構築をサポートすべく、同分野の関連商品を発行する全ての企業に対し、STAGEの活用を検討して頂けるよう積極的に働きかけていきます。

Grace Hui, Head of Green and Sustainable Finance of HKEX - HKEXより引用

尚、HKEXは顧客リーチの拡大に向けて様々なソリューションを提供している。例えば、HKEXはVCMの機能拡張を実施した他、同取引所傘下のOTC ClearはJFSAからライセンスを取得し、中央清算業務への需要が高まる日本市場の開拓を模索している。そして今回、HKEXがアジア地域初のサステナブル投資商品プラットフォームをリリースしたことで、同地域のサステナブルファイナンス市場が大きく飛躍することに期待したい。

release date 2020.12.03

出典元:

ニュースコメント

サステナブル及びグリーンファイナンス関連ソリューションを強化する各国証券取引所

グローバルベースのサステナブルファイナンス市場は30兆ドル以上に拡大しているが、アジア地域の市場規模は全体の1%未満に留まるという。しかしながら、各国政府及び規制当局からの積極的な後押しもあり、同地域におけるサステナブルファイナンスに関連した事業及び投資は着実に拡大している模様だ。今回、HKEXがリリースしたSTAGEが起爆剤となり、アジア地域のサステナブルファイナンスビジネスが更に活性化することを期待したい。他方で、他のグローバル証券取引所も、盛り上がりを見せるサステナブル及びグリーンファイナンス関連ソリューションの提供を強化している状況だ。直近では、ドイツ取引所がインスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)を買収し、ESG関連データの情報強化を図っている。また、ロンドン取引所グループ(LSEG)傘下のリフィニティブはグローバルサステナブル戦略を公表している。新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックを受け、サステナブルファイナンスへの注目度が増す中、グローバル証券取引所が顧客の維持・拡大に向けて如何なるソリューションを提供するか今後も注目したい。


Date

作成日

2020.12.03

Update

最終更新

2021.08.31

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

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プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

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