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ロシア大手電力会社En+、BitRiverとの協業でマイニング業界に参入

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update 2021.08.31 15:31
ロシア大手電力会社En+、BitRiverとの協業でマイニング業界に参入

update 2021.08.31 15:31

合弁会社のBit+に安価な再生可能エネルギーを供給

世界最大の水力発電所を運用するロシアのEn+ Group【以下、En+と称す】は、仮想通貨マイニング事業者向けのホスティングサービスおよびターンキーソリューションを提供するBitRiverと合弁会社のBit+を設立し、マイニング業界に参入したことを発表した。[1]

今回、Bit+はEn+から低コストな再生可能エネルギーの供給を受けると同時に、BitRiverによる設備管理などのサポートを得ることで、ビットコイン(Bitcoin)マイニング事業の立ち上げを実現した。Bit+は低炭素なクリーンエネルギーを利用するマイニング施設を提供することを目指し、既にEn+から10メガワットの電力供給を受けて事業を開始しているという。シベリアに4つの主要な水力発電所を所有するEn+は、ロシア国内における約7%の電力を生産しており、BitRiverとのパートナーシップを通じて将来的にマイニング事業を拡大する意向を示している。

En+におけるエネルギー事業の責任者であるMikhail Khardikov氏は、このパートナーシップに関して次のようにコメントした。

我が社はイルクーツク地域におけるデータセンターの開発を積極的に支援しています。この地域でのエネルギーは、再生可能なリソースから低炭素で安価に生産されており、余剰分をパートナー企業に提供することを可能にします。更にこの地域は年間平均気温が低いため、データセンターで必要なエネルギー消費が少なく、二酸化炭素排出量を最小限に抑えることができるでしょう。

Mikhail Khardikov, Head of Energy Business at En+ Group - En+ Groupより引用

一方、BitRiverのCEOであるIgor Runets氏は、En+と提携したことについて次のように言及している。

En+との関係は長期的かつ効果的で両社に恩恵を与えるものとなるでしょう。今回、合弁会社のBit+を設立したことで、両社のパートナーシップは更に密接になってきています。今年末までに電力供給量を10メガワットから40メガワットに増加できれば幸いですが、この協業はあらゆる可能性を秘めていると言えるでしょう。将来的には協業を拡大し、高いエネルギー消費が必要な機器を運用するデータセンターを増やすことを見通しています。例えば、2021年末までに最大260メガワットの電力供給量を必要とするデータセンターを開設することを予定しているが、引き続きEn+とのパートナーシップが継続することを願っています。

Igor Runets, CEO of BitRiver - Finance Magnatesより引用

最近、ロシア中銀が一般投資家の仮想通貨購入を制限する法案を起草するなど、ロシアでは仮想通貨市場に対する締め付けが強まりつつあるが、今後もEn+やBitRiverを含む企業の取り組みを見守っていきたい。

release date 2020.11.09

出典元:

ニュースコメント

マイニング業界のパワーバランスに変化

これまでマイニング業界では中国企業がシェアを独占していたが、ここにきて米国、ロシア、カザフスタン、カナダなどの大手マイニング企業が台頭し始めている。実際に中国マイニング企業は収益性の低下に苦戦しており、ビットコインの半減期を境に多数の企業が市場から撤退しているという。一方、米国ではGreenidgeが機関投資家向けにハッシュパワーを提供するなど、クリーンかつ安価な電力を確保できることを強みに、発電所などのエネルギー企業がマイニング業界に参入してきているようだ。このような流れは東欧や中央アジアでも生じており、業界におけるパワーバランスのシフトを促進する要因となっている。今回、ロシア国内で絶対的な地位を誇るEn+がマイニング事業を開始したことは、業界の変化を加速させる可能性があると考えられるが、競合他社はどのような反応を示すのか、今後も仮想通貨市場での動向に注目していきたい。


Date

作成日

2020.11.09

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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