MetaQuotes、MT5にCloudflareのリバースプロキシを導入

2021.08.31 15:32

2021.08.31 15:32

DDoS攻撃対策とネットワーク環境の改善に寄与

ロシアのソフトウェア会社MetaQuotes Software Corp.【以下、MetaQuotesと称す】は、DDoS攻撃（複数のコンピューターから標的のサーバーに大量の処理負荷を与えることでサービス停止状態へ追い込む手法）対策及びネットワーク環境の改善に向け、MetaTrader5【以下、MT5と称す】取引プラットフォームにCloudflare（本社：101 Townsend St San Francisco, CA 94107[1]）が開発したリバースプロキシであるCloudflare Spectrum【以下、Spectrumと称す】を導入することを発表した。[2]

Cloudflareは200都市以上にグローバルネットワークを張り巡らせ、35テラビット/秒（Tbps）を超えるネットワークキャパシティを誇っている。Spectrumを活用することで、海外FXブローカー各社はトラフィック負荷を抑制し、ネットワーク環境を改善できるという。また、同社の顧客にとってDDoS攻撃は最も大きな懸念事項であるものの、通信速度も重要な要素である模様だ。Cloudflareのネットワーク環境を活用することで、より効率的にトラフィックを伝送させ、レイテンシーの低下やネットワーク接続の安定化に繋げられるという。これにより、MT5を利用する顧客はダイレクト接続と比較して、より高速に証券取引所データを取得できるとのことだ。

同社のプロダクトマネージャーであるAchiel van der Mandele氏は、安全かつリアルタイムな証券取引所データへのアクセスは、MetaQuotesの顧客にとって重要なことであるという。また、SpectrumがMT5をサポートすることを大変喜ばしく思うと共に、同サービスを活用することで、顧客はDDoS攻撃対策とネットワークパフォーマンスの改善を図れるとコメントしている。

MetaQuotesがMT5上にCloudflareのリバースプロキシを導入することで、投資家により快適なトレーディングエクスペリエンスの提供が期待できそうだ。

release date 2020.06.24

出典元：

Cloudflare

https://www.cloudflare.com/about-overview/
MetaQuotes

https://www.metatrader5.com/en/news/2143

ニュースコメント

顧客保護サービスの徹底を図る海外FXブローカー

新型コロナウイルス（COVID-19）のパンデミックにより、グローバル株式市場が大幅下落したことを受け、個人投資家によるトレードが活発化する一方で、複数の国々でサイバー犯罪や投資詐欺が急増している模様だ。例えば、ゲインキャピタル・ジャパンにおいて不正アクセス事案が発生したほか、Interactive Brokersのサイトがダウンするなど、海外FXブローカーが大規模サイバー攻撃リスクに晒されている。また、ロシアで未認可ブローカーによるFXサービスが急増しており、グローバルに投資詐欺が横行している状況だ。一方で、多発する金融犯罪に対し、多くの海外FXブローカーや各機関が顧客保護サービスの強化を図っている。足元では英国投資家協会が脅威インテリジェンスプラットフォームをリリースしたほか、ICM.comが最大500万ポンド補償する保険サービスの提供を開始した。今後も、海外FXブローカー各社が安心・安全な取引環境の提供に繋がる効果的なソリューションを開発することを期待したい。