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AzimoとSCB、RippleNetを活用した国際送金サービスを開始

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update 2021.08.31 15:32
AzimoとSCB、RippleNetを活用した国際送金サービスを開始

update 2021.08.31 15:32

送金時間や手数料を大幅に圧縮することが可能となる

仮想通貨関連テクノロジーの開発を手掛けるRipple, Inc.【以下、リップル社と称す】は、デジタル送金サービスのAzimoとタイ最古の銀行であるサイアム商業銀行(Siam Commercial Bank)【以下、SCBと称す】の提携により、RippleNetを介した欧州・タイ間の国際送金サービスが実現することを発表した。[1]

世界銀行(World Bank)によると、タイは世界で最も大きい送金需要を抱える国のひとつとなっており、国内への送金額は年間67億ドルの規模に達するという。それにもかかわらず、欧州からタイ国内への銀行送金は1営業日以上の時間を要すると同時に、世界基準でも割高な手数料が課せられるようになっている。これに対してAzimoは、SCBとRippleNetのネットワークを介して英ポンドやユーロをタイバーツに変換し、1分足らずで送金を完了することができる。リップル社はこのような低コストな即時決済サービスが新興国市場で益々重要になることに加え、金融機関による国際送金の利便性を向上させる存在になり得ると主張しているようだ。

Azimoの共同創設者兼会長であるMichael Kent氏は、同社のサービスに関して次のようにコメントしている。

より多くの国で即時決済サービスが利用されるようになっています。最近、タイでは即時決済ネットワークが立ち上げられており、我が社がSCBと提携したことで送金時間が平均22秒にまで短縮されました。これで欧州圏内よりもタイへ送金する方が早く完了するようになったのです。

Michael Kent, Co-Founder and Executive Chairman of Azimo - Rippleより引用

また、リップル社はグローバルなデジタル決済ネットワークの構築が国際送金に関する課題を解決し、同社のRippleNetやOn-Demand Liquidity(ODL)などのソリューションがトランザクションスピードを更に加速させると説明している。最近、リップル社はマネーグラムへの追加投資を実施しており、フィリピンやベトナムなどを含む東南アジア諸国にネットワークを拡大しているが、次はどのような動きに出るのか、今後も同社の取り組みに注目していきたい。

release date 2020.04.15

出典元:

ニュースコメント

タイ国内でソリューション開発が活性化

近年、タイではフィンテック分野の開発が盛り上がっており、仮想通貨やブロックチェーン技術を活用したソリューションが次々と登場しているようだ。Azimoとの国際送金サービス以外に、SCBはリップル社と提携して国際送金やQRコードでの決済機能を搭載したSCB Easyと呼ばれるモバイルアプリを立ち上げている。その他にはトヨタグループの現地法人であるToyota Leasingが、タイ銀行(Bank of Thailand)の協力の下、ブロックチェーン上で社債を発行するなど、規制のサンドボックス制度を利用した試験的な取り組みも進められているという。この国内での流れを後押しするように、昨年末にはSEC承認のICOポータルが誕生しており、仮想通貨プロジェクトや関連企業の資金調達が容易になっているだけに、今後もタイでのソリューション開発は加速していく可能性があると言えるだろう。


Date

作成日

2020.04.15

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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