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Avelacom、米バージニア州のアッシュバーンにPoPを開設

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update 2021.08.31 15:28
Avelacom、米バージニア州のアッシュバーンにPoPを開設

update 2021.08.31 15:28

仮想通貨市場における裁定取引のパフォーマンスを向上

金融サービスプロバイダーのAvelacomは、米バージニア州のアッシュバーンにPoP(Point of Presence、通信アクセスポイント)を新しく開設し、Amazon(アマゾン)のクラウドサービスであるAWS(Amazon Web Service)へのアクセスをサポートすることを発表した。[1]

世界中の金融機関に高性能な接続サービスやITインフラを提供するAvelacomは、今回、仮想通貨取引における接続性を強化することを念頭に、このアクセスポイントを設けたという。AWSを利用して仮想通貨の裁定取引(アービトラージ)を行うヘッジファンドや資産管理会社、ブローカーディーラーなどの企業には、アッシュバーンからダブリンまでのルートが人気となっており、この需要に対してAvelacomは、往復で65.3msのレイテンシー(通信にかかる遅延時間)が保証された接続サービスを確立している。これまでAvelacomは東京にPoPを新設したことに加え、ダブリンやロンドン、フランクフルト、香港などのAWSサーバが存在する都市で低レイテンシーの接続サービスを実現し、機関投資家による裁量取引のパフォーマンスを向上させているようだ。

AvelacomのCEOであるAleksey Larichev氏は、仮想通貨市場について次のようにコメントした。

仮想通貨市場は非常にダイナミックに動いており、高い成長率を誇ることから、接続サービスプロバイダーにとっては重要なセグメントだと考えられます。その中でAvelacomが提供するようなITインフラは、機関投資家にとっても鍵となるでしょう。我が社は仮想通貨市場へのアクセスを容易にし、より多くの機関投資家の市場参入を促すことを目標としています。

Aleksey Larichev, CEO of Avelacom - LeapRateより引用

昨年、Avelacomは大手取引所のジェミニ(Gemini)とパートナーシップを締結し、コロケーションサービスを展開するエクイニクスのデータセンター(Equinix NY5 Data Center)で仮想通貨関連企業向けのソリューションを構築している。その他にもAvelacomはモスクワ証券取引所と提携するなど、積極的に事業拡大に動いているが、今後も同社の取り組みに注目していきたい。

release date 2020.03.09

出典元:

ニュースコメント

取引の高速化を追求する機関投資家

仮想通貨市場では、各取引所が十分な流動性が確保できていないため、急な相場の変動などが発生した際には、稀に取引所間で仮想通貨価格に差異が生まれることがある。機関投資家はボットやアルゴリズムを駆使し、それらを狙って裁量取引を仕掛けることで利益を上げているという。相場の歪みとも言える仮想通貨価格の不均衡は直ぐに解消されてしまうが、これらの企業はデータセンターに大規模な取引システムを構築してその売買を可能にしているようだ。既存の金融業界では、1000分の1秒単位の戦いが繰り広げられており、物理的に取引所のサーバに接近できるコロケーションサービスを利用することが必須な状況になってきている。実際にプライムブローカー事業に参入したGBE Brokersは、各国でエクイニクスのコロケーションサービスを利用し、競合他社に対する優位性の確保を試みている。機関投資家の参入が進み、仮想通貨市場でも同様の現象が起こりつつあるだけに、今後もその動向を見守っていきたい。


Date

作成日

2020.03.09

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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