Select Language

ザッカーバーグ氏、米下院の公聴会でリブラに関して証言

ザッカーバーグ氏、米下院の公聴会でリブラに関して証言

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:29
ザッカーバーグ氏、米下院の公聴会でリブラに関して証言

update 2021.08.31 15:29

規制に準拠できなければLibra Associationから撤退すると言及

Facebook, Inc.(本社:1 Hacker Way, Menlo Park, California 94025[1])【以下、Facebookと称す】のCEOを務めるマーク・ザッカーバーグ氏は、今月23日に下院金融サービス委員会(House Financial Services Committee)が開催した公聴会で、同社が政府当局の規制要件を満たさずにリブラ(Libra)をローンチした場合、同仮想通貨の運営を担うLibra Associationから撤退すると発言した。[2]

今回、委員会はザッカーバーグ氏に世界的なステーブルコインとして開発が進むリブラに関する様々な質問を投げかけたが、同氏はFacebookがこのプロジェクトを主導しているわけではないことを強調すると同時に、同仮想通貨の発行前には当局の懸念を払拭すると言及している。これに対してBill Huizenga議員はLibra AssociationがFacebookから独立しているとの主張を受け入れた上で、その制約が守られなかった場合について質問しており、ザッカーバーグ氏は同社がこの協会から脱退せざるを得ないと返答した。今月初めにはVisaやマスターカード、eBayに加えてペイパルがLibra Associationからの脱退を表明しているが、ザッカーバーグ氏の発言が本当であれば、Facebookもこれに続く可能性が出てくる。

また、リブラ向けに開発されている仮想通貨ウォレットのカリブラ(Calibra)に関して、Carolyn Maloney議員が身元確認なしではこの機能が提供されないことを明確にするよう求めた。ザッカーバーグ氏は様々な種類の仮想通貨を取り扱う可能性があると前置きした上で、規制に準拠した代替手段を構築し、マネーロンダリング対策(AML)やテロ資金供与(CFT)の基準にも従うことを公言している。Maloney議員の追求は続き、カリブラが匿名性を維持すれば、犯罪の温床になる可能性があると警告したものの、ザッカーバーグ氏は同ウォレットが強力な身元承認システムを有していると反論した。

今回の公聴会の中でザッカーバーグ氏はLibra Associationが独立した組織であることを強調したが、Ayanna Pressley議員が「Facebookはリブラそのものである」と述べたように、実際にこれらが別々の判断で動くと考えることは難しいと言えるだろう。Facebookのリブラに対する逆風はその勢いを増しているが、今後も同社の取り組みには注目していきたい。

release date 2019.10.24

出典元:

ニュースコメント

G20や日本政府がリブラを排除する動き

先日、米国で開催されたG20の財務省中央銀行総裁会議の中で、各国首脳はリブラなどの世界的なステーブルコインに厳格な規制を設けることに合意した。これに参加した日本銀行の黒田東彦総裁は、想定されるリスクに対処できるまでステーブルコインの発行を控えるべきだとの見解を示している。これまで日本政府はリブラに関するワーキンググループを立ち上げ、同仮想通貨がおよぼす影響を精査してきたが、金融政策や犯罪利用の抑止などの観点からそのリスクがあまりにも大きいと判断したようだ。また、黒田総裁が仮想通貨規制に国際的な協力を求めるなど、日本政府は仮想通貨先進国としてイニシアチブをとる形で率先して動き始めている。Facebookおよびザッカーバーグ氏はリブラのビジョンを実現するために、これからも仮想通貨業界でのチャレンジを継続することが考えられるが、各国政府はどのような対応をとるのか、今後も仮想通貨市場の動向を見守っていきたい。


Date

作成日

2019.10.24

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

オオカミコイン(OKM)は怪しい?オオカミプロジェクトの特徴やSNSでの評判

オオカミコイン(OKM)は、オオカミカードを発行するオオカミプロジェクトの仮想通貨です。海外取引所のMEXCに上場していますが、SNS上では怪しいという声も見られます。本記事では、オオカミコインの特徴、SNSでの評判、怪しいポイントなどを紹介します。
update2025.04.11 19:00

Exnessの海外入出金で​​銀行口座が凍結されるケースが発生

海外FX業者のExnessで海外送金による銀行口座の凍結が発生している事例を取り上げていきます。SNS上では銀行送金2によるものとの声が見受けられますが、凍結の原因は収納代行業者と想定されます。
update2025.05.09 19:00

またコピトレ詐欺か?WeekendFXにAmazingTick型の詐欺疑惑

WeekendFXのコピートレードに参加したユーザーが、「出金できなくなった」と次々に声を上げ始めています。AmazingTickの詐欺事例との類似点も多く、同じ手口のコピトレ詐欺なのではないかという疑惑が持ち上がっています。
update2025.06.23 19:00

ワールドコイン(WLD)の換金方法は?日本円に現金化する手順を解説

ワールドコイン(WLD)は、OpenAI社のCEOであるサム・アルトマン氏らが手掛ける仮想通貨プロジェクトです。登録したユーザーには、仮想通貨WLDが無料配布されます。当記事では、ワールドコインを日本円に換金する手順や、換金時の注意点などを解説します。
update2025.04.16 19:30

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2025.06.10 20:00

初めてのバックテストでも安心!MT5ストラテジーテスターの使い方ガイド

MT5のストラテジーテスターでは、バックテストによりEAのパフォーマンスを確認できます。バックテストの開始手順や注意点を解説します。
update2025.06.17 19:00

Exnessの出金遅延はなぜ起きた?オンラインカジノ規制の影響とは

海外FX業者のExnessでは、国内送金の遅延が度々問題になっており、決済代行会社に関連したトラブルと言われています。なぜオンラインカジノ規制が海外FXに波及したのか説明するほか、今後考えられる影響も解説します。
update2025.05.28 19:00

【速報】イラン・イスラエル停戦報道でビットコイン反発、一時10万6,000ドル突破

2025年6月23日、トランプ大統領がイラン・イスラエル間の停戦を自身のSNSで発表しました。これにより中東での地政学リスクが後退し、ビットコイン(BTC)の価格は一時10万6,000ドルまで急反発しました。
update2025.06.24 19:00

SBI VCトレードからBybitに送金してみた!手数料や送金時間も解説

Myforex編集部では、国内取引所のSBI VCトレードからBybitに仮想通貨を送金してみました。本記事では、送金手順や手数料、送金時間などを紹介します。
update2025.06.11 19:30

【スリトレ堂安氏の約3倍】本田圭佑×Titan FX、SNSフォロワー数379万の影響力は?

海外FX業者のTitan FXがサッカー選手の本田圭佑氏をグローバルアンバサダーに起用したことを発表しました。なぜTitan FXは「本田圭佑」を選んだのか、SNSの反応や業界の過去事例からその影響力を読み解きます。
update2025.06.09 19:00
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル