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コインベース、デビットカードサービスを拡大

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update 2021.08.31 15:29
コインベース、デビットカードサービスを拡大

update 2021.08.31 15:29

新たに5種類の仮想通貨、10カ国の利用可能国を追加

米国の大手取引所であるCoinbase, Inc.(本社:548 Market St #23008 San Francisco, CA94104[1])【以下、コインベースと称す】は、同社のデビットカードサービスであるコインベースカードにおいて新しく5種類の仮想通貨と欧州10カ国の利用可能国をサポート対象に追加することを発表した。[2]

今月14日の発表によると、コインベースカードは既にサポート対象となっていたビットコイン(Bitcoin)、イーサリアム(Ethereum)、ビットコインキャッシュ(Bitcoin Cash)、ライトコイン(Litecoin)に加えて、新たにリップル(Ripple)、ベーシックアテンショントークン(Basic Attention Token)、オーガー(Augur)、ゼロエックス(0x)、ステラ(Stellar)の利用に対応するという。また、今回、コインベースカードはブルガリア、クロアチア、デンマーク、ハンガリー、アイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェー、ポーランド、ルーマニア、スウェーデンの居住者にもサービスを提供することが可能になった。このコインベースのサービス拡大に関してCoinbase UKのCEOであるZeeshan Feroz氏は、これからも仮想通貨をひとつの決済手段として普及させていきたいと言及している。

今年4月にコインベースは英国およびEU加盟国に向けてこのデビットカードサービスを開始しており、決済時に保有する仮想通貨を法定通貨に両替して消費することができる画期的なシステムを確立した。コインベースカードはVisaを受け入れる小売店であれば世界中どこでも利用可能であるのに加え、1%から2%の手数料で200ユーロを超えるATM取引にも対応することができる。このVisaブランドのデビットカードは英国金融行動監視機構(Financial Conduct Authority, FCA)の承認を受けたPaysafe Financial Services Limitedが発行し、コインベースはこれに連動する決済アプリをiOSおよびAndroid向けにリリースしている。

各国政府の仮想通貨市場に対する規制が強まる中、コインベースはバークレイズとの協業を解消し、英ポンドの主な入金手段となっていたFPS(Faster Payments Service)へのアクセス権を失うなど、欧州市場での事業展開に苦戦する状況が続いていた。今年9月、コインベースはEU離脱に備えて取引口座移管を検討していることが報道され、欧州におけるオペレーションの安定を図ろうとしている様子が垣間見えたが、このコインベースカードのサービス拡大がどのように作用するのか、今後も同社の取り組みに注目していきたい。

release date 2019.11.15

出典元:

ニュースコメント

各国それぞれの思惑が混在する欧州市場

欧州市場の開拓に邁進するコインベースだが、EU加盟国の中には仮想通貨の普及に否定的な国家も存在するため、欧州全土に向けた統合的なサービスを展開できずにいるようだ。例えば、フィンランドではマネーロンダリング防止(AML)の観点から、銀行業界が大手仮想通貨ウォレットとの取引を拒否しており、国内での仮想通貨の現金化が実質不可能な状態に陥っているという。その他にもフランスは仮想通貨やブロックチェーンの有効性を認めつつも、組織的な犯罪の温床となる可能性があることを理由に、適切な規制環境が構築されるまで金融機関の動きに制限を設けている状況だ。これに加えて、フランスはG7の仮想通貨タスクフォースを発足し、国際的な仮想通貨規制の実現を目的とした主要国との議論を先導する役割も担っている。最近、EUが独自仮想通貨の発行を検討していることが報道されたが、欧州各国はどのような判断を下すのか、今後もその動向を見守っていきたい。


Date

作成日

2019.11.15

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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