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仮想通貨トロン、サムスンとのパートナーシップ締結を発表

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update 2021.08.31 15:29
仮想通貨トロン、サムスンとのパートナーシップ締結を発表

update 2021.08.31 15:29

デバイスを介してブロックチェーンへのアクセスが可能となる

先日開催されたSamsung Developer Conferenceで、仮想通貨トロン(Tron)の創始者であるJustin Sun氏は、Samsung Electronics Co., Ltd.(本社:129 Samsung-Ro, Maetan-3dong, Yeongtong-gu, Suwon-si, Gyeonggi-do, Korea[1])【以下、サムスンと称す】とパートナーシップを締結したことを発表した。[2]

この発表によると、トロンの一部機能がSamsung Blockchain Keystoreのソフトウェア開発キット(SDK)に統合され、サムスンのデバイスを介して同ブロックチェーンに直接アクセスすることが可能になるという。このパートナーシップの締結は仮想通貨ウォレットによるサポートを超えるため、トロンユーザーにどのような変化をもたらすのかは明らかではないが、例としてサムスンのデバイス上で秘密鍵を管理するソリューションなどが構築できるようだ。理論上、dApp(分散型アプリケーション)開発者がサードパーティ製の仮想通貨ウォレットに依存することなく、サムスンユーザー向けのアプリを簡単に実装できる環境が実現する。

ある調査によると、現在、世界の50億人がモバイルデバイスを利用しているが、その半数がスマートフォンによるものであり、その中でサムスンはApple(アップル)やHuawei(ファーウェイ)と並ぶ一大勢力とされている。サムスンの市場シェアを考えれば、Samsung Blockchain Keystoreを利用する見込みユーザーは10億人を超えることが想定できるため、Sun氏は今回のパートナーシップの締結がユーザーベース獲得に向けた有効な戦略だと認識しているようだ。

また、Sun氏はこのサムスンとの協業に関して次のようにコメントしている。

dAppのユーザーエクスペリエンスにおける最大の課題は仮想通貨ウォレットの存在です。トロンとサムスンの統合により、ユーザーはサードパーティ製の仮想通貨ウォレットを必要としなくなるでしょう。加えて、開発者はコンテンツに集中し、エンドユーザーにシームレスにエクスペリエンスを提供することができるようになるのです。

Justin Sun, Founder of Tron - CoinDeskより引用

韓国では大手eコマースサイトのTMON(Ticket Monster)がブロックチェーンスタートアップのTerraと提携し、仮想通貨決済に焦点を当てたソリューションの開発が進んでいる。Terraは決済アプリのCHAIを立ち上げ、既に多くの小売店をネットワークに取り込んでおり、TMON以外にも韓国のコンビニエンスストアチェーンであるCUが同アプリを利用した支払いに12月から対応することを決定している状況だ。現在、50万人のユーザーを抱えるCHAIは、毎日平均4万人のユーザーに利用されており、その決済総額は5,400万ドルを超えているという。今年2月にサムスンもGalaxy S10に搭載の仮想通貨ウォレット詳細を発表し、この業界の流れに迎合することを表明しているだけに、今後も同社の取り組みには注目していきたい。

release date 2019.10.30

出典元:

ニュースコメント

仮想通貨の実利用に向けて模索する韓国市場

韓国ではKakao(カカオ)やサムスンなどの主要なテクノロジー企業によるモバイル決済ソリューションが普及しており、国民の大半がこれらのアプリを利用しているという。しかしながら、これらの決済の70%がクレジットカードに紐づけられたものであるため、仮想通貨決済は非常に限定的になっている。今年4月にサムスンは独自仮想通貨の発行を検討するなど、同社のデバイス上で新しい仮想通貨関連ソリューションの展開を図っているようだが、未だ決定的な動きに出られていない状況だ。一方、自治体レベルではソウル市がブロックチェーンベースの管理サービスを導入予定だということを公表すると同時に、Sコインと呼ばれる独自仮想通貨を発行する計画を明らかにしている。韓国では仮想通貨の実利用に向けて各勢力が方向性を模索しているようだが、トロンとサムスンの協業がこれにどのような影響をもたらすのか、今後も同国における仮想通貨市場の動向を見守っていきたい。


Date

作成日

2019.10.30

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

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