Select Language

カナダ銀行、独自仮想通貨の発行を検討

カナダ銀行、独自仮想通貨の発行を検討

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:29
カナダ銀行、独自仮想通貨の発行を検討

update 2021.08.31 15:29

法定通貨に代わる存在になるとの見解を示す

カナダの中央銀行であるカナダ銀行(Bank of Canada)が、世界的に拡大する仮想通貨の脅威に対抗するために、独自仮想通貨の発行を検討していることが先日報道された。[1]

カナダ銀行は最終的に流通コストの問題などによって仮想通貨を含むデジタル通貨が法定通貨に代わる存在になるとの見解を示しており、現在、独自仮想通貨の積極的な活用を見据えた研究を進めているという。同様に中国人民銀行も独自仮想通貨の開発に向けた取り組みを継続し、今年8月には追跡性能の向上を試みるなど、発行の準備が整いつつあることが公表された。今回の報道でカナダが国家主導の独自仮想通貨の発行を目指していることが公になったが、カナダ銀行の判断は自発的なものではなく、市場環境の変化に順応するための防衛策だと言えるだろう。

2013年に仮想通貨に関する調査を開始したカナダ銀行だが、最新の内部資料では仮想通貨が中央銀行の金融政策や金融機関に融資するLOLR(Lender of Last Resort)としての役割を阻害する直接的な脅威になる可能性があると結論付けているようだ。独自仮想通貨の発行を議論する際、中央銀行は金融規制の維持を強調すると同時に、取引の監視方法を重要視する傾向にある。現に英国金融行動監視機構(Financial Conduct Authority, FCA)も、ほんの数週間前に仮想通貨取引所やATM、ウォレットなどのオープンソースアプリケーションに既存のマネーロンダリング規制(AML)を適応する方向で動き始めたという。

カナダ銀行は仮想通貨が普及すれば取引のトレーサビリティが強化されると言及し、結果的に警察や税務当局の取り締まりを助ける可能性があると前向きな姿勢を示している。この仮想通貨プロジェクトの構想は未だ正式に承認されていないが、カナダ銀行および政府当局はどのような決定を下すのか、今後も同国での展開を見守っていきたい。

release date 2019.10.18

出典元:

ニュースコメント

実用的な仮想通貨に対する関心が高まるカナダ

以前からカナダでは同国最大の仮想通貨取引所であるCoinsquare【以下、コインスクエアと称す】がカナダドルが裏付いたステーブルコインを販売開始するなど、実用的な仮想通貨に対する関心が高まっているようだ。コインスクエアが発行するステーブルコインはeCADと呼ばれ、安価でセキュアな透明性の高い送金手段としての利用が想定されており、テザー(Tether)やコインベースのUSDコイン(USD Coin)などの様に広く国内市場に流通することが期待されている。一方、政府の取り組みとしては、今回の報道とは別にシンガポールの金融当局であるMASとカナダ銀行がクロスボーダー決済の検証に成功したことが今年5月に発表された。この試みは国際送金の際に仲介役となっているコルレス銀行を介さないスキームを構築し、より効率的な送金ソリューションを確立することを目的にしているという。カナダでは仮想通貨分野での国際的な協力も拡大しつつあるが、国民はこの政府の方針をどのように見ているのか、今後もカナダ銀行の動きに注目していきたい。


Date

作成日

2019.10.18

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

もう国内銀行送金は使えない?法改正で海外FXトレーダーを直撃する3つの入出金リスク

資金決済法の一部改正により、海外FXユーザーの間で、当たり前のように利用されてきた国内銀行送金による入出金が使えなくなる可能性が浮上しています。法改正が海外FXに与えるリスクと現時点で考えられる対策を説明します。
update2025.07.01 19:00

海外FX利用で国内銀行口座の凍結が増加?法改正後の入出金リスクとは

SNS上で海外FXユーザーの銀行口座が凍結されたことが話題になっています。本記事では、SNSで話題の凍結報告の背景を説明するほか、海外FX業界に迫る「本当の入出金危機」と今後の備えについて解説します。
update2025.07.09 19:00

海外FX業者Exnessへの入出金で​​銀行口座が凍結されるケースが発生

海外FX業者のExness(エクスネス)で国内銀行送金による入出金を行ったことをきっかけに、銀行口座が凍結されるケースがSNS上で話題になっています。SNS上では銀行送金2によるものとの声が見受けられますが、凍結の原因は収納代行業者と想定されます。
update2025.05.09 19:00

海外FXに仮想通貨で入出金する方法は?規制強化で仮想通貨送金が最適解か

海外FXの入出金ルート封鎖が加速しており、SNS上では「銀行口座が凍結された」といった投稿も見られます。そんな中、注目を集めているのが仮想通貨での入出金です。この記事では、海外FXに仮想通貨で入出金する方法や、仮想通貨送金時の注意点などを解説します。
update2025.07.15 19:00

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2025.06.10 20:00

SBI VCトレードからBybitに送金してみた!手数料や送金時間も解説

Myforex編集部では、国内取引所のSBI VCトレードからBybitに仮想通貨を送金してみました。本記事では、送金手順や手数料、送金時間などを紹介します。
update2025.06.11 19:30

海外FXに「兵糧攻め」、bitbank・エポスの利用規制で仮想通貨送金にさらに注目集まる

bitbankが利用規約を一部改定し、今後は海外FXへの直接送金が難しくなりました。エポスカードもFXの利用停止を発表したほか、国内銀行口座の凍結事例も増加しています。こうした背景から、海外FXユーザーは入出金経路の見直しが急務となっています。
update2025.07.04 19:00

スマホ用MT5でZigZagが使える!iOS版に平均足ほか新機能が複数追加

iOS版MT5に待望の新機能が複数追加されたことにより、平均足チャート、ZigZag、マーケットプロファイルの実装に加え、データウィンドウ強化や取引レポート機能など視認性と操作性が向上しました。アップデート内容とトレードスタイルごとの活用例などを紹介していきます。
update2025.07.09 19:30

FXONが「Nintendo Switch 2 争奪キャンペーン」を開催!入金&取引で豪華賞品をプレゼント

FXONが「Nintendo Switch 2 争奪キャンペーン」の開催を発表しました。本キャンペーンでは「Switch 2」のほか、豪華賞品が抽選でプレゼントされます。取引を重ねるごとに抽選権利がもらえる仕組みで、取引するほど当選確率がアップします。
update2025.07.16 19:00

Exnessでスワップフリーが突如剥奪されるバグ発生、対象者には補償予定

海外FX業者のExnessで突如スワップフリーが剥奪されたとするXの投稿が注目を集めています。Exnessはシステムのバグが原因と説明しており、スワップが発生したユーザーに対して補償する方針を示しています。
update2025.07.18 19:00
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル