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CME、グーグルクラウド上で市場取引データを提供

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update 2021.08.31 15:29
CME、グーグルクラウド上で市場取引データを提供

update 2021.08.31 15:29

APAC地域の第3四半期ADVが2四半期連続で過去最高

世界最大のデリバティブ取引所であるシカゴ・マーカンタイル取引所を運営するCME Group Inc.(本社:20 South Wacker Drive Chicago, Illinois 60606 USA[1])【以下、CMEと称す】は10月14日、グーグルクラウド(Google Cloud)と提携し、世界中のどこからでもCMEが有する市場取引データにアクセスできるサービスを開始することを発表した。

今回のパートナー契約により、CMEの顧客はグーグルクラウドグローバルネットワーク経由で、全てのグローベックス(Globex、CMEが運営する24時間稼働の電子取引システム)及びサードパーティーからリアルタイムに提供される市場取引データへアクセスできるようになるという。特に、先物・オプション取引データに関しては、2019年11月17日よりグーグルクラウドプラットフォーム上で利用が可能になる見通しとのことだ。CMEにとっては、エンドユーザーが容易にデータへアクセスすることができる新たなコネクティビティモデルを構築し、市場取引データ関連サービスを強化することで、顧客基盤を飛躍的に拡大させることが期待されている。

両社の提携に際し、CMEのデータサービス部門ヘッドを務めるTrey Berre氏とグーグルクラウドの金融サービスストラテジー・ソリューション部門グローバルディレクターであるTais O'Dwyer氏は、それぞれ以下のようにコメントしている。

我々と取引する世界中のお客様は、クラウド上でリアルタイムの市場取引データの活用を求めております。グーグルクラウドとパートナー契約を締結したことにより、インターネットがあればどこからでも市場取引データにアクセスができるようになるだけでなく、我々が保有する同データを新たなクラウドベースのテクノロジーと容易に統合させることも可能になります。

Trey Berre, CME Group Global Head of Data Services - CME Groupより引用

CMEとの提携は、我々がリアルタイムに市場取引データの活用を図る創造的な手法を提供することで、金融業界との協働にコミットする最新の事例となります。ビジネスの変革や顧客ニーズを満たすサポートをすべく、我が社が誇るデータ管理の専門性やグローバルネットワークを活用し、証券取引所のような金融業界の主要なプレーヤーとの協働を継続させていく考えであります。

Tais O'Dwyer, Global Director of Financial Services Strategy and Solutions, Google Cloud - CME Groupより引用

なお、CMEはグーグルクラウドとの提携と併せて、2019年第3四半期のアジアパシフィック【以下、APACと称す】地域における日次平均取引高(ADV)が、前年同期比61%増の120万枚と2四半期連続で過去最高を達成したことを発表した。グローバルベースでは、前年同期比30%増の2,020万枚を計上し、世界各地で順調に業容を拡大させている模様だ。CMEのマネージングディレクター兼APAC地域ヘッドを務めるChristopher Fix氏は、リスク管理ニーズを抱える顧客が、豊富な流動性を供給する強固で統制のとれたマーケットプレイスを構築しているCMEとの取引を求めており、APAC地域以外でも取引高の拡大を期待することができるとコメントしている。そして今回、CMEは需要が高まる市場取引データ関連サービスの提供を開始することで、自社のマーケットプレイスの価値を一段と高めることが期待できそうだ。

release date 2019.10.15

出典元:

ニュースコメント

世界中の市場関係者から注目が集まる市場取引データ関連ビジネス

今回、CMEがインターネットの巨人グーグルクラウドと手を組みサービス強化を図る市場取引データ関連ビジネスは、現在世界の有力証券取引所がこぞって注力している分野の一つである。たとえば、10月10日に新3か年戦略プランを発表したユーロネクストは、買収したオスロ証券取引所が有する市場取引データの活用を含め、投資を重点的に行う分野として同ビジネスを挙げている。また、HKEXからの買収提案を拒否したLSEGも、リフィニティブ(Refinitiv)を買収し、同分野を成長の核として位置づけ独自の経営路線を歩む模様だ。なお、証券取引所単独のケースだけでなく、プライムブローカーのInvast GlobalがCBOEと提携し、欧米株式取引データを無料で提供するサービスを開始した。多くの金融サービスプロバイダーが市場取引データのマネタイズ化を図るなか、今後も投資家にとって快適な取引環境の利用に繋がる画期的なソリューションが提供されることを期待したい。


Date

作成日

2019.10.15

Update

最終更新

2021.08.31

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

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プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

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