Select Language

FINMA、承認を求めるリブラに厳格な審査を実施

FINMA、承認を求めるリブラに厳格な審査を実施

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:29
FINMA、承認を求めるリブラに厳格な審査を実施

update 2021.08.31 15:29

各国政府の反対でプロジェクトの難航が予想される

今月11日、スイス金融市場監督局(Financial Market Supervisory Authority)【以下、FINMAと称す】が、Facebook, Inc.(本社:1 Hacker Way, Menlo Park, California 94025[1])【以下、Facebookと称す】の仮想通貨プロジェクトであるリブラ(Libra)に対して、決済業社向けのライセンスを付与するために厳格な審査を行う方針であることを伝えた。[2]

FINMAの発表によると、対象となる事業に銀行のようなリスクが伴う場合、仮想通貨関連企業にもそれに応じた規制要件が適応され、プロジェクト全体で国際的なAML(マネーロンダリング防止)基準を満たすことが求められるという。今年6月にFacebookはリブラを発行する計画を発表した上で、来年度中の本格的なローンチを目指してスイスのジュネーブに非営利団体のLibra Associationを設立し、既に27社のテクノロジーおよび決済企業とパートナーシップを締結している。今年7月、米上院でFacebookのリブラに対する公聴会が開催された際、リブラの責任者であるDavid Marcus氏はスイス当局からの承認を得ると言及しており、実際に決済業社向けのライセンス申請を行っている。

FINMAのMark Branson長官はこのFacebookの動きに関して次のようにコメントしている。

スイスが金融の中心地である以上、当局は細心の注意を払わなければなりません。このようなグローバルなプロジェクトに対処するためには、他の監督機関および規制当局との国際的な調整と協議が必要になります。国が単独でこのようなプロジェクトを規制および監督できるというのは幻想です。しかしながら、トランザクションの追跡が可能となれば、新しいテクノロジーはAMLの観点から有用であり、この流れは当局にとってもチャンスになり得ると言えるでしょう。

Mark Branson, Head of FINMA - Finance Magnatesより引用

このようにFacebookを警戒する動きは欧州全土に広がっており、今月12日にはフランスのBruno Le Maire財務大臣がリブラの開発をブロックすると発言している。以前からフランス政府はリブラに対して敵対的な立場を示しているが、Maire財務大臣は同仮想通貨が国家の通貨主権を脅かすと考え、経済協力開発機構(OCED)のカンファレンスで各国にその危険性を訴えた。Facebookは全世界に27億人のユーザーを抱えており、リブラのローンチが実現すれば世界経済に大きな影響力を持つと考えられるだけに、今後も同社の動きに注目していきたい。

release date 2019.09.13

出典元:

ニュースコメント

ステーブルコインの開発競争が新たな局面を迎える

欧州や米国市場で苦戦するFacebookを横目に、中国人民銀行によるステーブルコイン開発が加速するなど、仮想通貨分野における世界的な覇権争いは新たな局面を迎えているようだ。特に仮想通貨関連企業やビッグテック企業の動きが活発になっており、世界最大の仮想通貨取引所であるバイナンスがステーブルコイン開発のプロジェクトを計画し、真っ向からリブラに対抗する構えを見せている。その他にも仮想通貨開発を進めるPaxosが金の価値に連動する仮想通貨をローンチしており、全世界で共通の価値を持つステーブルコインが先日誕生した。今のところ、GAFAでもGoogle(グーグル)、Amazon(アマゾン)、Apple(アップル)は沈黙を保っているものの、激化するステーブルコイン開発に参入する動きを見せる可能性も否定できない。現在、Facebookは逆風の中にあるが、プロジェクトを推進する術はあるのか、今後も同社の取り組みを見守っていきたい。


Date

作成日

2019.09.13

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

もう国内銀行送金は使えない?法改正で海外FXトレーダーを直撃する3つの入出金リスク

資金決済法の一部改正により、海外FXユーザーの間で、当たり前のように利用されてきた国内銀行送金による入出金が使えなくなる可能性が浮上しています。法改正が海外FXに与えるリスクと現時点で考えられる対策を説明します。
update2025.07.01 19:00

海外FX利用で国内銀行口座の凍結が増加?法改正後の入出金リスクとは

SNS上で海外FXユーザーの銀行口座が凍結されたことが話題になっています。本記事では、SNSで話題の凍結報告の背景を説明するほか、海外FX業界に迫る「本当の入出金危機」と今後の備えについて解説します。
update2025.07.09 19:00

海外FX業者Exnessへの入出金で​​銀行口座が凍結されるケースが発生

海外FX業者のExness(エクスネス)で国内銀行送金による入出金を行ったことをきっかけに、銀行口座が凍結されるケースがSNS上で話題になっています。SNS上では銀行送金2によるものとの声が見受けられますが、凍結の原因は収納代行業者と想定されます。
update2025.05.09 19:00

海外FXに仮想通貨で入出金する方法は?規制強化で仮想通貨送金が最適解か

海外FXの入出金ルート封鎖が加速しており、SNS上では「銀行口座が凍結された」といった投稿も見られます。そんな中、注目を集めているのが仮想通貨での入出金です。この記事では、海外FXに仮想通貨で入出金する方法や、仮想通貨送金時の注意点などを解説します。
update2025.07.15 19:00

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2025.06.10 20:00

SBI VCトレードからBybitに送金してみた!手数料や送金時間も解説

Myforex編集部では、国内取引所のSBI VCトレードからBybitに仮想通貨を送金してみました。本記事では、送金手順や手数料、送金時間などを紹介します。
update2025.06.11 19:30

海外FXに「兵糧攻め」、bitbank・エポスの利用規制で仮想通貨送金にさらに注目集まる

bitbankが利用規約を一部改定し、今後は海外FXへの直接送金が難しくなりました。エポスカードもFXの利用停止を発表したほか、国内銀行口座の凍結事例も増加しています。こうした背景から、海外FXユーザーは入出金経路の見直しが急務となっています。
update2025.07.04 19:00

スマホ用MT5でZigZagが使える!iOS版に平均足ほか新機能が複数追加

iOS版MT5に待望の新機能が複数追加されたことにより、平均足チャート、ZigZag、マーケットプロファイルの実装に加え、データウィンドウ強化や取引レポート機能など視認性と操作性が向上しました。アップデート内容とトレードスタイルごとの活用例などを紹介していきます。
update2025.07.09 19:30

FXONが「Nintendo Switch 2 争奪キャンペーン」を開催!入金&取引で豪華賞品をプレゼント

FXONが「Nintendo Switch 2 争奪キャンペーン」の開催を発表しました。本キャンペーンでは「Switch 2」のほか、豪華賞品が抽選でプレゼントされます。取引を重ねるごとに抽選権利がもらえる仕組みで、取引するほど当選確率がアップします。
update2025.07.16 19:00

Exnessでスワップフリーが突如剥奪されるバグ発生、対象者には補償予定

海外FX業者のExnessで突如スワップフリーが剥奪されたとするXの投稿が注目を集めています。Exnessはシステムのバグが原因と説明しており、スワップが発生したユーザーに対して補償する方針を示しています。
update2025.07.18 19:00
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル