Select Language

テザー社、人民元と連動するステーブルコイン発行を計画

テザー社、人民元と連動するステーブルコイン発行を計画

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:30
テザー社、人民元と連動するステーブルコイン発行を計画

update 2021.08.31 15:30

ある関係者は数週間以内のローンチを予想

Bitfinex【以下、ビットフィネックスと称す】の株主であるZhao Dong氏は、Tether Limited【以下、テザー社と称す】がCNHTと呼ばれる中国人民元に連動するステーブルコインの発行を計画していることを今月21日に明らかにした。[1]

Dong氏によると、この新しいステーブルコインはオフショアに留まる人民元の流通を促進し、国際取引でも広く利用される可能性を秘めているという。米ドルとの等価性を持つテザー社のUSDTは、ビットコイン(Bitcoin)およびイーサリアム(Ethereum)、トロン(Tron)のブロックチェーン上にシステムが構築されているが、CNHTがどのような形で開発されるかは伝えられていない。しかしながら、Dong氏は自身が所有するPeer-to-Peer(ピア・トゥー・ピア)の仮想通貨レンディングサービスがCNHTの立ち上げ時に入金および取引をサポートすると述べており、準備金がベルギーの銀行で管理されることや数週間以内にローンチされることを予想している。

これまで人民元は単なる国内通貨に過ぎなかったが、2003年に中国人民銀行(People's Bank of China)がオフショアでの人民元の預金、送金、両替、およびその他サービスを提供することを認めた際に初めて国際的な意味合いを持った。人民元のオフショア市場が誕生して以来、香港は世界最大のハブとなっており、2019年6月時点で同特区内の銀行は総額6,604億元(約850億ドル)の預金残高を保有している。資金の国外流出を防ぐために中国政府は、個人の海外送金を年間5万ドルに制限するなどの策を講じているが、オフショア人民元の額は増え続けているという。

現在、ビットフィネックスおよびテザー社は、ある決済業社による8億5,000万ドルの損失をテザー(Tehter)の準備金から補填した疑いがかけられているが、これまで米最高裁はNYAGのテザー調査を延期していた。今月19日、ニューヨーク最高裁判所はNYAGの調査が正当なものであると判断し、ビットフィネックスおよびテザー社に協力を求める判決を出したものの、依然として両社はそれに抵抗する姿勢を見せている。CNHTを広く流通させるためにも、テザー社はこの問題に早く決着をつけるべきだが、どのような行動に出るのか、今後も同社の動向には注目していきたい。

release date 2019.08.22

出典元:

ニュースコメント

オフショア人民元市場の拡大に手を焼く中国政府

中国政府は仮想通貨取引を禁止しており、基本的に一般投資家は仮想通貨取引所へのアクセスを許可されていないが、直接取引や海外取引所を介して大量の仮想通貨が国内市場に流入しているという。特に人民元の価値が暴落することに対する懸念から、米ドルとの等価性が保証されているテザーなどの仮想通貨が人気を博し、中国ではステーブルコインがプレミアム価格をつけているようだ。これと同時に人民元の国外流出およびオフショア人民元市場の拡大も加速しており、2016年には全世界における人民元建ての預金額が2兆元(約3,000億ドル)に迫る額に到達した。これに対して中国政府はあらゆる手段で人民元を国内に留めるよう努めているが、反対に国内企業や国民が不信感を募らせる状況に陥っている。中国政府はCNHTの普及によりオフショア人民元の動きが流動的になることを期待しているようだが、どのような結果を招くのか、今後もその展開を見守っていきたい。


Date

作成日

2019.08.22

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

仮想通貨SOLVの将来性は?ビットコインのステーキングプロトコルSolv Protocolを解説

仮想通貨(暗号資産)SOLVは、ビットコイン(BTC)のステーキングプロトコル「Solv Protocol」のネイティブトークンです。当記事では、仮想通貨SOLVの特徴やSNSでの評判、将来性、トークンの使い道などを解説します。
update2025.01.10 19:30

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2024.12.24 19:30

bitbankからBybitに送金してみた!トラベルルールの対応状況も解説

Myforex編集部では、bitbank(ビットバンク)からBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2024.11.28 19:00

【無料ツールも】MT4/MT5で複数チャートを同期スクロールし、分析を劇的に変える方法!

MT4/MT5ではインディケータを使うことで複数チャートを同期してスクロールできます。この記事ではMT4/MT5の複数チャートを同期してスクロールできるインディケータについて、実際に使ってみた感想も交えながら紹介していきます。
update2024.11.07 19:00

コインチェックからBybitに送金してみた!送金手数料や反映時間についても解説

コインチェック(Coincheck)からBybitに仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験やSNSでの口コミなども交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2024.11.29 19:00

Bybitからbitbankに送金してみた!送金手数料やトラベルルールについて解説

Myforex編集部では、Bybit(バイビット)からbitbank(ビットバンク)に仮想通貨(暗号資産)を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験をもとに、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2024.12.27 19:00

初心者でも安心!MT4ストラテジーテスターの使い方完全ガイド ~EA活用とバックテストで一歩先のトレードへ~

MT4でEAを使って自動売買をするならストラテジーテスターにより利益が出るかテストが必要です。本記事では、ストラテジーテスターの実践的な使い方や疑問を感じやすいポイントを解説します。
update2025.01.10 19:00

MT4/MT5でも日本時間を簡単に表示できる!日本との時差については図解で理解しておこう

MT4/MT5では通常、表示される時間が日本時間から6時間ほどずれています。頭の中で「表示される時間 + 6時間」などと計算すれば、日本時間に変換可能です。しかし慣れないうちは少し不便なので、日本時間を表示させる外部ツールも活用されています。
update2024.11.27 19:30

SONYのレイヤー2「Soneium」がIP侵害を理由にミームコインをブラックリスト化

ソニーグループによるイーサリアムレイヤー2のSoneium(ソニューム)が、メインネットローンチの同日に、IP侵害のあるミームコインをブラックリスト化し、SNSで話題となっています。本記事では、Soneiumの概要やブラックリスト化の内容、SNSでのユーザーの声などを解説します。
update2025.01.17 19:00

仮想通貨USUALの将来性は?RWA活用のステーブルコインプロトコルを解説

仮想通貨USUALは、ステーブルコインプロトコル「Usual」のガバナンストークンです。Usualは、BlackRockなどからRWA(現実資産)を集約してステーブルコインを発行し、その収益をコミュニティに再分配するプロトコルとして注目を集めています。
update2024.11.20 20:00
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル