作成日
:2019.04.09
2021.08.31 15:26
仮想通貨取引が禁止とされる中国では、仮想通貨トレーダーが、ステーブルコインをプレミアム価格で購入していることを中国の仮想通貨関連ニュースサイトのcnLedgerがTwitterへ投稿し、明らかになった。
2017年9月以来、中国では仮想通貨取引が禁止されているが、政府は、OTC取引(店頭取引)を活用した売買を例外的に許可しており、仮想通貨トレーダーは、VPN(Virtual Private Network)を通じて、米ドルなどに連動するステーブルコインを購入している状況だという。
Twitterの投稿によると、中国向けのOTC取引サービスを展開する大手仮想通貨取引所のHuobiやOKExでは、テザー(Tether)が、1通貨あたり7人民元で取引されていることがわかった。公式レートに基づいた適性価格が6.7人民元(1ドル)だということを考慮すると、HuobiやOKExのOTC取引では、およそ4%ほど割高な価格で購入されている計算となる。この現象に関して、Twitter上では、中国内の仮想通貨トレーダーが、多くの取引所で取引通貨ペアに採用されるテザーを買い求めたため、その需要が先行したことが要因になったと説明されている。最近、4ヶ月ぶりにビットコイン価格が5,000ドルを突破し、更に過去5ヶ月間で最高の時価総額を記録するなど、復調の兆しを見せているが、中国の仮想通貨トレーダーもこの動きに敏感に反応しているようだ。
仮想通貨取引が禁止される以前、中国は、世界最大の取引量を誇る仮想通貨市場となっていたが、近年では、その影を潜めている。しかしながら、中国のあるアナリストによると、国内の仮想通貨需要は、再び高まってきており、ビットコイン価格の復調と共にこの傾向は強まることが予想されるという。今後、中国国内での仮想通貨の需要がどのように変化するのか、引き続き動向に注目していきたい。
release date 2019.04.09
2017年以降、中国では、仮想通貨の取引だけではなく、ICO(イニシャルコインオファリング)による資金調達なども禁止されており、政府は、強固な反仮想通貨の姿勢を貫いている。それでも、中国内の仮想通貨コミュニティは根強く、ブロックチェーンの開発や海外のサービスを利用した取引、マイニングマシンの製造など、活動を継続させてきた。しかしながら、今月9日、中国国家発展改革委員会が、マイニング事業の禁止を検討するとの報道がされており、中国政府が、仮想通貨市場に対して、更に強硬な策に出る可能性が出てきている。特に電力コストが低い中国には、大手マイニング企業が多く存在するだけに、これが、現実のものとなれば、仮想通貨市場への衝撃は計り知れないと言えるだろう。VPNやOTC取引を利用する中国内の仮想通貨トレーダーには、直接的な影響はないものの、中国政府が何らかの対策を講じて来る可能性もあり、今後もその動きには注視する必要がありそうだ。
作成日
:2019.04.09
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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