Select Language

豪州、リテールFX取引が拡大傾向

豪州、リテールFX取引が拡大傾向

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:30
豪州、リテールFX取引が拡大傾向

update 2021.08.31 15:30

FX取引が店頭デリバティブ取引の60%を占める

オーストラリア証券投資委員会(本社:Level 5, 100 Market Street, Sydney, NSW 2000 Australia[1])【以下、ASICと称す】の委員長を務めるCathie Armour氏は8月14日に行われた講演内で、同国の個人投資家が店頭(OTC)FX取引への関心を強めていることを明らかにした。

2019年4月、ASICは全ブローカーに取引データの提出を要請し、新たな規制策を導入するための顧客の取引動向調査に乗り出していた。ASICが集計したデータによると、オーストラリアでは現在CFD・バイナリーオプションを提供する業者が60社を超えているとのことだ。店頭デリバティブの年間取引高は21兆ドルであり、過去2年間と比較して2倍に拡大していることに加え、その取引参加者は100万人にのぼり、99%は個人投資家である。また、2018年の店頭デリバティブ取引は6億7,500万回行われ、その内の60%に当たる4億2,600万回はFX取引であったという。前回調査の1億6,500万回と比較して大幅な増加となっており、CFDやバイナリーオプション取引よりも高い伸び率を示していることから、FX商品取引への関心が大きく高まっていると、Armour氏は指摘している。しかしながら、ブローカーの純営業収益に占める各取引の割合を見ると、FX証拠金取引が約32%であるのに対し、CFDは39%を占めている状況だ。

また、Armour氏は、店頭デリバティブ取引を手掛ける個人投資家の80%がオフショア市場に拠点を設け、多くのFX業者が最大レバレッジ400倍かそれ以上の取引サービスを提供しているとし、そのエクスポージャーの大きさはFX取引の問題点であると指摘している。ASICでは、今後も取引データを精査し問題点を抽出すると共に、個人投資家が甚大な損失を被る可能性のある商品については、同委員会が用い得る全ての権限を活用し規制を行う方針であるという。なお、2019年6月にASICは店頭デリバティブ取引規制策を導入する意向を示している。加えて、ASICは一時的な金融商品取引禁止措置を講じる方針も明らかにしており、既に調査を終え、フィードバックを確認次第、バイナリーオプションなどの規制策を導入する見通しである。ASICが様々な金融商品の規制策を強化する方針に変わりはないと見込まれることから、各ブローカーはそれぞれの規制策に柔軟に対応する機動力が求められているといえるであろう。

release date 2019.08.16

出典元:

ニュースコメント

矢継ぎ早に規制策を打ち出すASICの動向に注目

ASICが規制を適用させる際には、まず各金融市場の課題を洗い出し、その後に厳格な規制策を導入する傾向があるため、今回ハイレバレッジなどの問題点を指摘されたFXを含む店頭デリバティブ取引に関しては、今後新たな規制策が適用される可能性が高いと考えられる。また、近々一時的な金融商品取引禁止措置を講じる見通しであるほか、ASICは新規制強化策を2021年から適用開始する方針である。加えて、同委員会がオーストラリアを拠点とするブローカーに対し、海外顧客向けサービスを停止するよう圧力をかけており、Vantage FXが豪国外顧客へのサービスを停止するなど、複数のブローカーが海外顧客向け戦略を見直す状況に追い込まれている。規制強化を推進させる欧州と足並みを揃える形で、今後もASICは個人投資家保護を目的として様々な規制策を打ち出すことが予想されるため、豪州ブローカーはASICの規制動向を注視する展開が続きそうだ。


Date

作成日

2019.08.16

Update

最終更新

2021.08.31

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

arrow
プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

もう国内銀行送金は使えない?法改正で海外FXトレーダーを直撃する3つの入出金リスク

資金決済法の一部改正により、海外FXユーザーの間で、当たり前のように利用されてきた国内銀行送金による入出金が使えなくなる可能性が浮上しています。法改正が海外FXに与えるリスクと現時点で考えられる対策を説明します。
update2025.07.01 19:00

海外FX利用で国内銀行口座の凍結が増加?法改正後の入出金リスクとは

SNS上で海外FXユーザーの銀行口座が凍結されたことが話題になっています。本記事では、SNSで話題の凍結報告の背景を説明するほか、海外FX業界に迫る「本当の入出金危機」と今後の備えについて解説します。
update2025.07.09 19:00

海外FXに仮想通貨で入出金する方法は?規制強化で仮想通貨送金が最適解か

海外FXの入出金ルート封鎖が加速しており、SNS上では「銀行口座が凍結された」といった投稿も見られます。そんな中、注目を集めているのが仮想通貨での入出金です。この記事では、海外FXに仮想通貨で入出金する方法や、仮想通貨送金時の注意点などを解説します。
update2025.07.15 19:00

XMTradingの入出金で銀行口座凍結?海外FX禁止の銀行に注意

SNS上では「XMTradingの出金で銀行口座が凍結された」とする投稿が一部で見受けられます。銀行によっては海外FXとの取引を禁止しているため注意が必要です。本記事では凍結リスクが高い銀行や仮想通貨送金の注意点を説明します。
update2025.09.03 19:00

【独自取材】海外FXで急拡大中のPeskaとは?入金・出金の安全性や運営実態を直撃

当サイトではPeskaの運営に直接取材を行い、安全性やセキュリティなど、トレーダーが気になるポイントを一つひとつ確認しました。この記事では取材から見えてきたPeskaの実像をお伝えします。
update2025.09.17 19:00

Wiseでの海外FX入出金をおすすめできない理由とは?アカウント閉鎖の可能性も

海外FXユーザーの間で、Wiseを利用した送金が話題になっています。しかし、Wiseでの入出金はリスクが高いためおすすめできません。この記事ではその理由を説明します。
update2025.09.08 19:00

【FXON × Myforex】無限キャッシュバックキャンペーン

MyforexではFXONとのタイアップ企画として、取引量に応じて上限なしのキャッシュバックを受け取れるキャンペーンを2週間限定で実施します。
update2025.09.10 19:00

海外FXへの仮想通貨送金にはBybitがおすすめ!FXトレーダーに最適なBybitの使い方

海外FXの入出金によく使われる国内銀行送金が以前より使いにくくなっていることを受け、仮想通貨での入出金が注目を集めています。本記事では、仮想通貨送金をするならBybitがおすすめの理由や、海外FXユーザーに最適なBybitの使い方を紹介します。
update2025.08.29 20:00

【本音で比較】海外FXのドル円スプレッドを3ヶ月徹底調査|数千円も業者によってお得に

Myforex編集部では、2024年11月20日〜2025年2月20日の3ヶ月間にわたり、海外FXのドル円スプレッドを1分ごとに独自調査。その結果、業者によって数千円以上のコスト差があることが分かりました。
update2025.08.01 19:00

海外FXに「兵糧攻め」、bitbank・エポスの利用規制で仮想通貨送金にさらに注目集まる

bitbankが利用規約を一部改定し、今後は海外FXへの直接送金が難しくなりました。エポスカードもFXの利用停止を発表したほか、国内銀行口座の凍結事例も増加しています。こうした背景から、海外FXユーザーは入出金経路の見直しが急務となっています。
update2025.07.04 19:00

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル
close
キャンペーン
今すぐ参加する

次回から表示しない