Select Language

世界の金融市場を席巻する仮想通貨

世界の金融市場を席巻する仮想通貨

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:30
世界の金融市場を席巻する仮想通貨

update 2021.08.31 15:30

中国人民銀行による独自仮想通貨発行の実現も間近

仮想通貨を利用した不動産投資プラットフォームを展開するRelexの会長であるKeith Hilden氏は、あるメディアのインタビューでブロックチェーンや仮想通貨が既存の金融市場で十分に活用されていない現状を指摘した上で、これらが投資効率を向上させるための鍵になるとの考えを述べた。[1]

Hilden氏によると、Relexはスマートコントラクトによる契約の自動化を軸に、透明性の高い不動産投資プラットフォームを構築しているという。このプラットフォーム上ではRLX暗号トークン(RLX Crypto Token)と呼ばれる独自の仮想通貨が利用され、資金の追跡やペーパーレスな契約など、先進的な投資スキームの実現に役立てられているようだ。Hilden氏はこのプラットフォームがベラルーシのような銀行サービスが不十分な市場で有効なソリューションになり得ると言及しており、その他にもRelexモデルの「マクドナルド化」を目指してカナダやベトナムなどにもサービスを拡大する可能性があることを示唆した。

RelexのサービスはFDI(直接投資)を受ける国にとって魅力的なものだが、その最大の利点は、仮想通貨やオープンソースアルゴリズムを取り込むことで効率的な資金供給を実現できるところにある。また、Relexのプラットフォームは複製することを前提に構築されているため、他国でも現地企業が独立したサービスを展開して市場成長を促すことができるという。事実、Relexの運営チームには投資ブローカーや投資ファンド、クラウドソーシングコンサルタント、政府機関出身者などが揃っており、これまで同社は中央銀行や政府機関、民間の開発会社とのプロジェクトを成功に導いている。

このような仮想通貨を金融市場に取り込む動きは中国でも活発になっており、Facebook(フェイスブック)のリブラ(Libra)に続き、同国の中央銀行である中国人民銀行も独自仮想通貨の開発に取り組んでいることを公表した。この独自通貨がリリースされる時期に関しては明らかになっていないが、関連の研究機関が行った特許申請は既に52件に達している状況だ。一部では公開の準備が整ったとの報道もあるが、中国の国土や人口規模を考えると、スケーラビリティに問題が生じることは必至なため、通常のブロックチェーン技術では実現困難だと言えよう。

中国人民銀行による独自仮想通貨の発行が実現すれば、仮想通貨市場は未だかつてないほどの衝撃を受けることが予想されるが、中国政府は仮想通貨取引を全面的に禁止するなど、今の所仮想通貨市場との妥協点を見つけられていない。対するRelexはベラルーシで中国資本と工業団地の建設プロジェクトを開始し、民間での技術導入を進めているようだが、これがどのような結果を生むのか、今後の展開に注目していきたい。

release date 2019.08.15

出典元:

ニュースコメント

仮想通貨の研究開発が最重要タスクに位置付けられる

仮想通貨への関心が高まる中国では仮想通貨およびブロックチェーンの開発が進んでいるが、中国政府も仮想通貨の研究開発は国家の最重要タスクだと通達しており、中国人民銀行が発行する独自通貨の実現と併せて、その活動を後押しする動きに出ている。2017年に中国政府は中国人民銀行デジタル通貨研究所を設立し、続く2018年には深セン金融科技、今年に入って南京でも同様の研究機関の立ち上げを行なったという。また、このような政府の取り組みに民間企業も敏感に反応しており、Huaweiなどのグローバル企業を中心に仮想通貨関連事業への興味を示しているようだ。中国銀行もビットコインを紹介する記事を公開するなど、国民に仮想通貨に対する理解を求め、同行にも仮想通貨関連事業に何らかの関与があることをほのめかした。仮想通貨取引を禁止する中国当局は、民間での盛り上がりをどのように見ているのか、今後も中国市場の展開を見守っていきたい。


Date

作成日

2019.08.15

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

もう国内銀行送金は使えない?法改正で海外FXトレーダーを直撃する3つの入出金リスク

資金決済法の一部改正により、海外FXユーザーの間で、当たり前のように利用されてきた国内銀行送金による入出金が使えなくなる可能性が浮上しています。法改正が海外FXに与えるリスクと現時点で考えられる対策を説明します。
update2025.07.01 19:00

海外FX利用で国内銀行口座の凍結が増加?法改正後の入出金リスクとは

SNS上で海外FXユーザーの銀行口座が凍結されたことが話題になっています。本記事では、SNSで話題の凍結報告の背景を説明するほか、海外FX業界に迫る「本当の入出金危機」と今後の備えについて解説します。
update2025.07.09 19:00

海外FX業者Exnessへの入出金で​​銀行口座が凍結されるケースが発生

海外FX業者のExness(エクスネス)で国内銀行送金による入出金を行ったことをきっかけに、銀行口座が凍結されるケースがSNS上で話題になっています。SNS上では銀行送金2によるものとの声が見受けられますが、凍結の原因は収納代行業者と想定されます。
update2025.05.09 19:00

海外FXに仮想通貨で入出金する方法は?規制強化で仮想通貨送金が最適解か

海外FXの入出金ルート封鎖が加速しており、SNS上では「銀行口座が凍結された」といった投稿も見られます。そんな中、注目を集めているのが仮想通貨での入出金です。この記事では、海外FXに仮想通貨で入出金する方法や、仮想通貨送金時の注意点などを解説します。
update2025.07.15 19:00

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2025.06.10 20:00

SBI VCトレードからBybitに送金してみた!手数料や送金時間も解説

Myforex編集部では、国内取引所のSBI VCトレードからBybitに仮想通貨を送金してみました。本記事では、送金手順や手数料、送金時間などを紹介します。
update2025.06.11 19:30

海外FXに「兵糧攻め」、bitbank・エポスの利用規制で仮想通貨送金にさらに注目集まる

bitbankが利用規約を一部改定し、今後は海外FXへの直接送金が難しくなりました。エポスカードもFXの利用停止を発表したほか、国内銀行口座の凍結事例も増加しています。こうした背景から、海外FXユーザーは入出金経路の見直しが急務となっています。
update2025.07.04 19:00

スマホ用MT5でZigZagが使える!iOS版に平均足ほか新機能が複数追加

iOS版MT5に待望の新機能が複数追加されたことにより、平均足チャート、ZigZag、マーケットプロファイルの実装に加え、データウィンドウ強化や取引レポート機能など視認性と操作性が向上しました。アップデート内容とトレードスタイルごとの活用例などを紹介していきます。
update2025.07.09 19:30

FXONが「Nintendo Switch 2 争奪キャンペーン」を開催!入金&取引で豪華賞品をプレゼント

FXONが「Nintendo Switch 2 争奪キャンペーン」の開催を発表しました。本キャンペーンでは「Switch 2」のほか、豪華賞品が抽選でプレゼントされます。取引を重ねるごとに抽選権利がもらえる仕組みで、取引するほど当選確率がアップします。
update2025.07.16 19:00

Exnessでスワップフリーが突如剥奪されるバグ発生、対象者には補償予定

海外FX業者のExnessで突如スワップフリーが剥奪されたとするXの投稿が注目を集めています。Exnessはシステムのバグが原因と説明しており、スワップが発生したユーザーに対して補償する方針を示しています。
update2025.07.18 19:00
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル