Select Language

バイナンスから盗難された資金に新たな動き

バイナンスから盗難された資金に新たな動き

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2023.07.22 18:36
バイナンスから盗難された資金に新たな動き

update 2023.07.22 18:36

少額送金を繰り返し現金化可能な手段を模索

約8,300万ドル相当の7,074BTCが盗難されたBinance【以下、バイナンスと称す】のハッキング事件に関して、最近、犯人のウォレットアドレスから新たにいくつかの送金があったことが明らかになった。[1]

5月上旬、バイナンスはハッキング被害を報告し、APIキーおよび2FA(2段階認証)コード、その他の個人情報を盗み取られたことを原因とし、ホットウォレットで管理する大量の顧客資金を不正流出させている。バイナンスはビットコインのロールバックを検討するなど、事件発生直後から原因解明に努めており、被害にあったユーザーに対しては、内部保険基金から全額補償することが決定しているが、盗難された資金は未だ回収できておらず、犯人のウォレット内に保有されたままの状況だ。ブロックチェーン分析を行うChainalysisによると、ハッカーのタイプは素早く資金を移動させる傾向があるAlpha型と世間の関心が薄れるのを待つBeta型に分類できるが、今回の犯人は後者に該当するという。

典型的なハッカーが盗み出した仮想通貨をマネーロンダリングによって現金化するには、複数回に分けて平均5,000回の送金が必要となるが、現在、バイナンスの資産を保有する犯人はその実行の第二段階に入った可能性がある。当初、バイナンスから盗み出された資金の大部分は21のアドレスに分散、加えてテストを目的に小額の資金が別の23のアドレスに送金され、その後、6つのアドレスにそれぞれ1,060.6BTC、別のアドレスに残りの707.1BTCが移動されたことが明らかとなっている。最近、この犯人は約7万ドル相当のビットコイン(Bitcoin)をKraken(クラーケン)に、約6,000ドル相当をHuobi(フォビ)やBitX.co、BTC-Alpha、CoinGate、BitPayなどに送金し、現金化の手段を探る動きに出ているようだ。

また、マネーロンダリングを試みることを目的に、犯人はこの6.5BTCをコインミキシングサービスであるChipMixerに送金している。調査会社のCoinfirmによると、同じコインミキシングサービスであるCrypto-Landの資金の流れを把握することは可能だが、現在、ChipMixerの新しいアドレスを利用されると追跡は困難になるという。このようなコインミキシングサービスは、匿名性を強化すると同時に執行機関の追跡を妨害する可能性があることから、違法なサービスに分類すべきだとの声が高まっているようだが、各国政府やバイナンスをはじめとする取引所はこの課題にどのように向き合っていくのか、今後の取り組みに期待したい。

release date 2019.08.09

出典元:

ニュースコメント

業界の脅威となるコインミキシングサービス

仮想通貨の犯罪利用を促すことを理由に、多くのコインミキシングサービスが閉鎖に追い込まれているが、今でも世界には100を超えるサービスが存在し、ハッカーの主なマネーロンダリング手段として利用され続けている。例えば、仮想通貨ウォレットサービスを提供するGateHubで発生したリップルのハッキング事件においても、犯人はミキシングサービスを通じて仮想通貨の現金化に成功したという。ブロックチェーンに記録された送金パターンを分析することで、このようなコインミキシングサービスを通じた仮想通貨の匿名化を無効にすることもできるようだが、各国の捜査機関などでは未だ汎用的な技術とはなっていない。先月、ハッキング被害を受けたことを報告したビットポイントも警察組織と連携し、捜査を進めているものの、一部では既にマネーロンダリングが完了しているとの噂もあるようだ。対策として国際的な包囲網を構築してコインミキシングサービスの利用を制限することが望まれるだけに、今後は各国政府の連携が進むことに期待して状況を見守っていきたい。


Date

作成日

2019.08.09

Update

最終更新

2023.07.22

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

仮想通貨KAITOの将来性は?AI活用のWeb3情報プラットフォームKaito AIの特徴や評判を解説

仮想通貨KAITOは、Web3の情報アクセスを変革する次世代プラットフォーム「Kaito AI」のネイティブトークンです。当記事では、仮想通貨KAITOの概要や将来性、Kaito AIが提供するYapsの仕組み、SNSでの評判などを解説します。
update2025.02.19 19:00

Bybitからbitbankに送金してみた!送金手数料やトラベルルールについて解説

Myforex編集部では、Bybit(バイビット)からbitbank(ビットバンク)に仮想通貨(暗号資産)を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験をもとに、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2024.12.27 19:00

FXGTでの出金拒否報告が増加中、これまでとは違う危険な兆候とは?

FXGTの出金拒否の報告・原因のほか、ユーザーの流出状況などをまとめました。SNS上ではここ数ヶ月の間に出金拒否に関する投稿が増加しており、ユーザーの間では「自分も出金拒否されるのでは」「FXGTがつぶれるのでは」といった不安が広がっています。
update2025.02.14 19:30

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2024.12.24 19:30

【全て無料】MT4/MT5を日本時間にできるインディケータのおすすめが決定!

MT4/MT5に表示されている時間は、インディケータを使えば簡単に日本時間へ変えられます。MT4/MT5を日本時間表示にしておくと、各市場のトレンドを把握しやすくなったり、経済指標の発表時間に合わせた取引がしやすくなったりと、何かと便利です。
update2024.12.04 20:00

Bybitからビットフライヤーに送金してみた!送金手数料や反映時間は?

Myforex編集部では、実際にBybitからビットフライヤー(bitFlyer)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、送金手順のほか、送金手数料やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2025.02.19 19:30

VPSではMT4・EAは何個起動できる?複数稼働は可能なのか?

スペック別のEAの起動数の目安のほか、VPSの負担を軽くする方法を説明します。同時に起動するEAの数が多すぎると、MT4が動かなくなる可能性があるので注意が必要です。VPSを使っているならば、MT4やEAをいくつ起動できるかを把握しておくことが大切です。
update2025.01.23 19:00

仮想通貨SOSOの将来性は?AI活用の投資分析プラットフォームSoSoValueがトークン発行

仮想通貨SOSOは、中央集権型金融の効率性と分散型金融の透明性を組み合わせた投資分析プラットフォーム「SoSoValue」のガバナンストークンです。当記事では、仮想通貨SOSOの将来性やSNSでの評判、SoSoValueの特徴などを解説します。
update2025.01.24 19:30

Bybitからコインチェックに送金してみた!送金手数料やトラベルルールについても解説

Myforex編集部では、Bybit(バイビット)からコインチェック(Coincheck)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験をもとに、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2024.12.17 19:00

MacのMT4/MT5はダウンロードしても使えない?文字化けや起動しない時の対策方法や最終手段を紹介!

Mac版のMT4やMT5は不具合が良く発生するため、自分の使い方が悪いのか不安を感じている人もいるのではないでしょうか。本記事では、Mac版のMT4・MT5のトラブルや解決方法を解説します。
update2024.12.04 20:30
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル