Select Language

バイナンスCEOがビットコインのロールバックを検討

バイナンスCEOがビットコインのロールバックを検討

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:26
バイナンスCEOがビットコインのロールバックを検討

update 2021.08.31 15:26

仮想通貨コミュニティは否定的な反応を示す

大手仮想通貨取引所のBinance【以下、バイナンスと称す】でCEOを務めるChangpeng Zhao氏は、今月7日にバイナンスがハッキング被害に見舞われたことを受け、ビットコインのブロックチェーンをロールバック(過去のデータを更新)することを検討すべきだと発言していることが明らかになった。[1]

今回、バイナンスは、同社が管理するホットウォレットから、約4,000万ドルに相当する7,000BTCが、不正に盗難されたことを報告した。これは、バイナンスが保有するビットコイン数の2%に相当する額だが、同社は、この被害をSAFUファンド(バイナンスの顧客保護プログラム)にて補償することを決定している。そのため、バイナンスの顧客資産に直接的な影響が及ぶことはないものの、バイナンスへの入出金は、安全が確認されるまで一時的に停止となる見通しだ。

今後の対応について、Zhao氏は、ビットコインのブロックチェーンをロールバックすることも辞さない構えを見せていたが、後日SNS上では、専門家と話し合った結果、ロールバックを行わないとの考えを示している。これに合わせて、Zhao氏は、ロールバックを実施することのメリットおよびデメリットを掲載しており、コミュニティでは、それが大規模な議論へと発展している模様だ。多くのユーザーからは、Zhao氏がロールバックの可能性について言及すること自体が、ビットコインやバイナンスの信用を失墜させるとの意見や、ロールバックがビットコインの大量売却を引き起こす要因にもなるとの見解が見られた。

この一連の出来事は、過去にイーサリアム(Ethereum)とイーサリアムクラシック(Ethereum Classic)の分裂を招いたThe DAO事件を彷彿とさせるものとなったが、ビットコインのプロジェクト規模の大きさを考慮すると、今回のロールバックは、現実的な解決策にはなり得ないと言えるだろう。仮想通貨関連企業であるGalaxy DigitalでCEOを務めるMichael Novogratz氏は、Zhao氏の発言に対し、ビットコインのロールバックが、考慮にも値しないということを強調しているが、バイナンスは今後どのような対応に出るのか引き続き見守っていきたい。

release date 2019.05.09

出典元:

ニュースコメント

非現実的なロールバックによる解決

ブロックチェーンプロジェクトのThe DAOは、イーサリアムのスマートコントラクトを利用した自立分散型組織の構築を目指していたが、2016年に脆弱性を抱えるシステムがハッキング攻撃の標的にされたことから、大量のイーサリアムが流出するきっかけとなった。イーサリアムは、ブロックチェーンの情報を無効化するために、ハードフォークを決行しロールバックを行っているが、当時、イーサリアムは、ローンチされてまだ半年ほどしか経過しておらず、利用者も比較的少なかったことから、それほど大きな騒動には発展しなかったようだ。ビットコインのブロックチェーンも、ロールバックを行えば、同様の解決策を取ることができるが、現在、11兆ドルの時価総額を記録するプロジェクトにおいては、リスクが大き過ぎる為非現実的と言えるだろう。特にビットコインのブロックチェーンは、情報を改ざんできないシステム構造が、信頼性の高さにもつながっているだけに、このような局地的な出来事でロールバックさせるべきではない。今の所、Zhao氏にその気はあまり無いようだが、今後も、同氏の動向には注目していきたい。


Date

作成日

2019.05.09

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

もう国内銀行送金は使えない?法改正で海外FXトレーダーを直撃する3つの入出金リスク

資金決済法の一部改正により、海外FXユーザーの間で、当たり前のように利用されてきた国内銀行送金による入出金が使えなくなる可能性が浮上しています。法改正が海外FXに与えるリスクと現時点で考えられる対策を説明します。
update2025.07.01 19:00

海外FX利用で国内銀行口座の凍結が増加?法改正後の入出金リスクとは

SNS上で海外FXユーザーの銀行口座が凍結されたことが話題になっています。本記事では、SNSで話題の凍結報告の背景を説明するほか、海外FX業界に迫る「本当の入出金危機」と今後の備えについて解説します。
update2025.07.09 19:00

海外FX業者Exnessへの入出金で​​銀行口座が凍結されるケースが発生

海外FX業者のExness(エクスネス)で国内銀行送金による入出金を行ったことをきっかけに、銀行口座が凍結されるケースがSNS上で話題になっています。SNS上では銀行送金2によるものとの声が見受けられますが、凍結の原因は収納代行業者と想定されます。
update2025.05.09 19:00

海外FXに仮想通貨で入出金する方法は?規制強化で仮想通貨送金が最適解か

海外FXの入出金ルート封鎖が加速しており、SNS上では「銀行口座が凍結された」といった投稿も見られます。そんな中、注目を集めているのが仮想通貨での入出金です。この記事では、海外FXに仮想通貨で入出金する方法や、仮想通貨送金時の注意点などを解説します。
update2025.07.15 19:00

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2025.06.10 20:00

SBI VCトレードからBybitに送金してみた!手数料や送金時間も解説

Myforex編集部では、国内取引所のSBI VCトレードからBybitに仮想通貨を送金してみました。本記事では、送金手順や手数料、送金時間などを紹介します。
update2025.06.11 19:30

海外FXに「兵糧攻め」、bitbank・エポスの利用規制で仮想通貨送金にさらに注目集まる

bitbankが利用規約を一部改定し、今後は海外FXへの直接送金が難しくなりました。エポスカードもFXの利用停止を発表したほか、国内銀行口座の凍結事例も増加しています。こうした背景から、海外FXユーザーは入出金経路の見直しが急務となっています。
update2025.07.04 19:00

スマホ用MT5でZigZagが使える!iOS版に平均足ほか新機能が複数追加

iOS版MT5に待望の新機能が複数追加されたことにより、平均足チャート、ZigZag、マーケットプロファイルの実装に加え、データウィンドウ強化や取引レポート機能など視認性と操作性が向上しました。アップデート内容とトレードスタイルごとの活用例などを紹介していきます。
update2025.07.09 19:30

FXONが「Nintendo Switch 2 争奪キャンペーン」を開催!入金&取引で豪華賞品をプレゼント

FXONが「Nintendo Switch 2 争奪キャンペーン」の開催を発表しました。本キャンペーンでは「Switch 2」のほか、豪華賞品が抽選でプレゼントされます。取引を重ねるごとに抽選権利がもらえる仕組みで、取引するほど当選確率がアップします。
update2025.07.16 19:00

Exnessでスワップフリーが突如剥奪されるバグ発生、対象者には補償予定

海外FX業者のExnessで突如スワップフリーが剥奪されたとするXの投稿が注目を集めています。Exnessはシステムのバグが原因と説明しており、スワップが発生したユーザーに対して補償する方針を示しています。
update2025.07.18 19:00
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル