Select Language

ホワイトラベルの大いなる可能性

ホワイトラベルの大いなる可能性

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:26
ホワイトラベルの大いなる可能性

update 2021.08.31 15:26

IBと比較して独自ブランドで包括的サービスを提供可能

イスラエル・テルアビブを拠点とするフィンテック企業であるLeverate Financial Services(本社:Derech Sheshet Hayamim 30 Bnei Brak[1])【以下、Leverateと称す】のサクセス部門ヘッドを務めるPablo Schvartzman氏は、IB(イントロデューシング・ブローカー)とホワイトラベルそれぞれの特徴を示したうえで、将来的に独自ブランドを構築し包括的なサービスの提供を行うブローカーに転身するビジョンを持つ場合、ホワイトラベルの方がより大きな可能性を秘めているとの見解を明らかにした。

新たにFXブローカレッジ業界に参入する際には、IBとして従事するか、もしくは独自のホワイトラベルブランドを立ち上げるという2つのビジネスモデルが挙げられる。基本的にIBとホワイトラベルは似通ったビジネスモデルを採用し、共に既存ブローカーの取引プラットフォームでトレードを行う顧客の獲得・維持を最終目標とする他、顧客取引が増加するほど収益が拡大する仕組みである。既存ブローカーはビジネス拡大を図る上で、他企業とのパートナーシップを締結することが有力な選択肢となり、IBやホワイトラベルにとっては既存ブローカーに対し、短期間で効率的に顧客と収益の拡大機会を提供することが期待されている状況だ。

IBはパートナーであるブローカーに対し顧客を紹介するエージェントとしての役割を担う。顧客が提携ブローカーの取引プラットフォーム上で口座開設するサポートをすることで、紹介した顧客ごとに固定報酬を受け取ることができ、電子メールやマーケティングキャンペーン、IBが運営するサイト上のバナー広告、特別プロモーションなど様々な手法が用いられる。通常、ブローカーがIBに対し、新規顧客の紹介履歴を把握するための専用IDリンクを付与すると共に、様々なプロモーションツールを提供することで積極的に顧客獲得を図ることが可能だ。経験豊富なIBは提携ブローカー用の独自マーケティングキャンペーンを企画し、顧客獲得・維持の管理も行っているようである。IBの運営は一般的なブローカー経営よりも業務運営コストが低く、且つテクノロジーや決済サービスプロバイダー(Payment Services Provider)【以下、PSPと称す】を要しないことから、トレードに関心を持つ多数の顧客を抱えるマネー・マネージャーや投資顧問業者、金融関連サイトもしくはフォーラムの運営業者、成功を収めている個人投資家がFXブローカレッジ業界に参入する上で効果的なビジネスモデルの一つである。しかしながら、Schvartzman氏はIBが手数料を得るために既存ブローカーに依存しており、ブランドアイデンティティや独自インフラを構築できないため、FX業界で大きなビジョンを描く場合には理想的なビジネスモデルではないと指摘している。

一方でホワイトラベルは、独自のリスク・マネージメントやPSP、コールセンター、顧客サポート体制を構築し、包括的なブローカレッジサービスを提供している。また、顧客取引と報酬モデル、バックオフィス機能付き取引プラットフォームのリース契約もしくは独自ブランドでのサービス展開などに関して、既存ブローカーとの契約に柔軟性を持たせることが可能であり、スプレッドや手数料など取引システムにおいても独自性を発揮することができる。更に、自社の会社ロゴをつけた取引プラットフォームを利用できることに加え、バックオフィス機能や取引ツールなどのサポートを受けられる一方で、規制を遵守したレポーティング対応等は提携ブローカーが担当するため管理業務負担を軽減するなど様々なメリットが期待できる。注文執行に関しては、既存ブローカーが取り仕切ることになるが、多大な労力をかけずFXブローカレッジサービスを始めることができるといえよう。

Schvartzman氏は、既存ブローカーの有する様々な機能を利用したホワイトラベルブランドの立ち上げは、FXブローカレッジ業界に参入する効率的な方法であり、独自ブランドの構築や包括的なブローカレッジサービスを提供する独立したブローカー経営を実践できる可能性も大いにあるとコメントしている。また、Leverateが提供するホワイトラベルパッケージであるLXLiteを利用することで、銀行口座や決済サービス機能を自前で備える必要がなくなることに加え、Leverateの専門家チームのサポートを受けながら、ブローカーはCySECの新規制策に対応した独自ブランドのブローカレッジサービスを提供することが可能になるという。

自社が採用するビジネスモデルの最終決定には、初期投資金額やリスク・マネージメント、ビジョンといった基準を検討することとなる。IBが比較的容易にブローカレッジ業務を開始できる一方で、ブローカーとして独自ブランドを構築し包括的なサービスの提供を行うビジョンを持つ場合にはホワイトラベルを選択することになるだろう。今年の初めにはAdvanced MarketsとFortexがパートナー契約を締結したほか、Fullerton MarketsとBeGoldがパートナー契約を締結するなど、ブローカーによるホワイトラベルパッケージの導入が多く発表されていることからも、LeverateのLXLiteなどのレグテックソリューションを有効活用することが、規制に遵守した効率的な業務運営を遂行する上で効果的な選択肢の一つといえそうだ。

release date 2019.07.02

出典元:

ニュースコメント

ホワイトラベルの普及で市場の活性化が期待される

FX業界における過当競争の結果、取引のスプレッド幅が狭まる動きの中、IBの受け取る報酬もそれに比例して徐々に減少する傾向にあるようだ。またさらに、最近では各国の金融監督当局の規制が強まり、IBとしての活動に規制が設けられる動きも見られており、こうした背景を受けて、従来IBとして活動してきた事業者がホワイトラベルへと業態を変える動きが活発化している。ホワイトラベルは自らがトレーダーとの契約当事者となることから、IBに比べてより自由に取引条件やスプレッドをコントロールでき、収益幅も大きいため、効率的なビジネスモデルとして注目を集めている。昨今のFXブローカーのトレンドとして、顧客層を明確にし、ターゲティング化する動きが活発となっており、GBE Brokersが新ブランドdiscountFXを始動した事に代表されるように、コールセンターなどのプロフェッショナル顧客が必要としないサービスを削減することにより、割安でより高品質な取引環境を提供するなど、顧客の求めるサービス内容を忠実に反映することが重要視されている。こうした市場の要請にフレキシブルに対応する手段としてホワイトラベルが更に普及し、市場の活性化が行われる事に期待したい。


Date

作成日

2019.07.02

Update

最終更新

2021.08.31

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

arrow
プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

FXDDが破綻間近か?サポートや口座開設の受付が停止

2024年9月20日現在、FXDDがサポートや口座開設の受付を停止しています。MT4のライブ口座へはアクセスできるものの、取引サーバーに接続できなくなるのも時間の問題かもしれません。
New
update2024.09.20 20:00

Vantage Tradingがプレミアム預金を開始!最大年率13%の資金運用が可能

海外FX業者のVantage Tradingが2024年8月19日から新たにVプレミアム預金を開始しました。Vプレミアム預金では、規定量の資金および取引量を達成することで、最大年利13%の資金運用が可能です。
update2024.09.17 19:00

Milton Marketsが9月の1万円FXチャレンジとXリポストキャンペーンを開催!

Milton Marketsで、9月の1万円チャレンジが開催されます。この記事では、開催期間や上位入賞の条件、これまでの1万円チャレンジと変わった点などを解説します。
update2024.09.12 19:00

Titan FX が9月のデモトレードコンテストを開催!賞金最大30万円

海外FX業者のTitan FXが、「長月トレードコンテスト」を9月16日から開催することを発表しました。コンテストでは専用のデモ口座を使用するため、自己資金をリスクにさらすことなく参加できます。上位入賞者には賞金も贈られます。
update2024.09.10 20:00

Milton Marketsがボーナスキャンペーンや口座タイプを一新!

2024年9月1日からMilton Marketsがサービス内容のリニューアルを実施しました。この記事では、新たにリニューアルされた口座開設ボーナスや入金ボーナス、口座タイプなどを解説します。
update2024.09.10 19:00

仮想通貨DOGSの将来性は?テレグラム発のミームコインについて解説

仮想通貨(暗号資産)DOGSは、TONブロックチェーンを基盤とした、テレグラム...
update2024.09.06 19:00

Vantage Tradingが6種類の仮想通貨CFD銘柄を追加!取引時間も24時間365日に

Vantage Tradingは、2024年8月31日から日本円建ての仮想通貨CFD銘柄を6種類新たに追加します。また同日に仮想通貨CFDの取引時間が24時間365日体制に延長され、いつでもVantage Tradingで仮想通貨CFD取引をできるようになります。
update2024.09.03 20:00

XMTradingがシルバーウィーク100%ボーナスプロモを開催!

XMTradingが、シルバーウィークプロモを開催します。今回のキャンペーンでは、期間中に入金したユーザーに付与率100%のボーナスが付与されます。期間は2024年9月3日から9月30日までです。
update2024.09.03 19:00

仮想通貨ORDERの将来性は?DEX向けインフラのOrderly Networkの仕組みや評判を解説

仮想通貨ORDERは、DEX向け取引インフラを提供するOrderly Networkの独自トークンです。2024年8月26日にTGEを予定しており話題となっています。当記事では、仮想通貨ORDERの評判や将来性、使い道、Orderly Networkの特徴などを解説します。
update2024.08.23 19:30

BybitのコピートレードProのやり方|従来のコピートレードとの違いやメリット・デメリットも解説

2024年6月、Bybitはコピートレードの最新プラットフォーム「コピートレードPro」の提供を開始しました。リスクの低い現物取引への対応やシンプルな設定など、従来のコピートレードに比べて初心者でも利用しやすいサービスとなっています。BybitのコピートレードProの仕組みや従来のコピートレードとの違い、メリット・デメリット、やり方を解説します。
update2024.08.23 19:00
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル