作成日
:2019.03.21
2022.07.08 10:39
海外FXブローカーであるFullerton Markets(本社:First Floor, First St. Vincent Bank Ltd Building James Street, P.O. Box 1574 Kingstown, VC0100 St. Vincent and the Grenadines
)は3月19日、マレーシア企業BeGold(本社:Lot 6 Street Wing Sunsuria Avenue, Persiaran Mohagani, PJU5, Kota Damansara, 47810 Petaling Jaya, Selangor Darul Ehsan )にホワイトレーベル(顧客取引機能やバックオフィス機能を提供)サービスを提供するパートナーシップ契約を締結したことを発表した。この度のパートナー契約を通じ、BeGoldの顧客はFullerton Marketsが誇る取引インフラやFullerton Shieldと呼ばれる迅速で安全な顧客資産管理サービスにアクセスすることが可能となる。
ホワイトレーベルサービスの契約締結に際し、Fullerton MarketsのゼネラルマネージャーであるEugene Paik氏とBeGoldのCEOを務めるNazirah Ghazali氏が、それぞれ以下のようにコメントしている。
我々は、BeGoldの全てのお客様に対し、銀行口座の分別管理、Fullerton Custodianによる独立した安心のカストディアンサービス、そして再保険会社であるロイズが開発した専門職業賠償責任保険及び犯罪保険が組み込まれた3段階に亘る資金管理システムを提供できることを喜ばしく思っております。またこの度のパートナー契約を通じ、BeGoldは自社の強みである分野により多くの時間と経営資源を投入することが可能となり、付加価値の高いサービスの提供や事業拡大を図ることができるでしょう。
Eugene Paik, General Manager of Fullerton Markets - Financemagnatesより引用
我々はクオリティ、信用、信頼こそ事業拡大を図るうえで非常に重要なビジネス価値を持つと見ております。Fullerton Marketsが示すFX事業の先行き見通しに共感すると共に、我が社のお客様に対する優れた顧客資産管理サービスやシームレスな取引環境の提供を期待して、この度のパートナー契約の締結に至りました。Fullerton Marketsにとっても、我が社が誇るマレーシアやインドネシアの強固な顧客基盤を活用することで、個人投資家に対するプレゼンスを一層向上させることができるでしょう。
Nazirah Ghazali, CEO of BeGold - Financemagnatesより引用
BeGoldは、Ghazali氏が家具の販売事業から手掛け始め、現在では衣類や農業、コスメティックスといった非金融分野の多岐に亘る商品を販売している。日本の楽天に似た非常にユニークなビジネスモデルを構築するFXブローカレッジファームだ。一方のFullerton Marketsはアジアにおいて強固なプレゼンスを確立しており、中でも東南アジア地域の国々では様々な企業と幅広い関係性を構築している。
欧州で規制強化がなされる中、マレーシアを含む東南アジア諸国は、経済が成長しテクノロジーに精通した人材を多く抱えており、リテールFXブローカーにとって市場開拓を図る戦略地域として位置づけられている状況である。足元ではシティグループがシンガポールでFXプラットフォームをリリース予定であるほか、Tool For Brokersがバンコクに新オフィスを開設し積極的に市場開拓を目論んでいる。Fullerton Marketsとしても、マレーシアに確固たる地盤を築くBeGoldと手を組むことで、マレーシアを始め東南アジア地域の個人投資家との取引拡大を期待できそうだ。
release date 2019.03.21
Fullerton Marketは、かつてはニュージーランド最大の優良ブローカーといわれたが、昨年Fullerton Marketsはセントビンセントへ移転している。今後はその柔軟なライセンスを活かして幅広い地域、とりわけアジアをターゲットにするのではないかとの観測もあり、今回のパートナー契約はそれを裏付ける形になった。記事本文でも触れているが、Fullerton Marketは、銀行口座の分別管理、独立したカストディアン、ロイズを引受人とする専門職業人賠償責任・犯罪保険などが特徴のFullerton Shieldと呼ばれる手厚い顧客資産管理サービスを備えている。小規模であったりFX業界に参入したばかりの経験の浅いブローカーにとって、このような手厚い保護サービスを自前で構築することは容易ではないだろう。Fullerton Shieldについては公式サイトのFAQにより詳細な記載があるが、同社のFAQはとても充実している。また、LinkedInではCEOが情報発信を行うなど、単にサービスの良さだけでなく、わかりやすさや運営の透明性に対するこだわりを感じさせることは、顧客や関係者の多くに安心感を抱かせるのではないだろうか。BeGoldもこのような点を評価し、信用に足る企業との判断に至った可能性も考えられる。安心感を強みとしたFullerton Marketのアジア展開だけではなく、この提携によって「マレーシアの楽天」がどのように飛躍していくのか、両社の動向には今後も注目が必要だろう。
作成日
:2019.03.21
最終更新
:2022.07.08
国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。
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