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IC Markets、豪国外の顧客向けサービス方針を転換

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update 2022.05.23 10:48
IC Markets、豪国外の顧客向けサービス方針を転換

update 2022.05.23 10:48

顧客の取引環境に一切影響を与えず、追加手続きも不要

IC Marketsブランドを持つInternational Capital Markets Pty Ltd(本社:Level 6 309 Kent Street Sydney NSW 2000 AUSTRALIA[1])【以下、IC Marketsと称す】は経営方針を転換し、引き続き同社オーストラリア子会社であるIC Markets AUにより全ての海外顧客に対しサービス提供を行っていくことを明らかにした。

2019年6月21日、IC Marketsは豪国外の顧客サービスを停止する意向を示すと共に、海外顧客口座を同社のセーシェル子会社へ移管する計画を発表していた。しかしながら、顧客からの貴重なフィードバックを吟味した結果、オーストラリア証券投資委員会(Australian Securities and Investments Commission)【以下、ASICと称す】規制下のIC Markets AUが継続的にサービス提供する決断に至った旨を顧客に対し電子メールで伝えたという。IC Marketsは、今回の決定によって同社オーストラリア子会社のサービスを利用している顧客の保有ポジションや口座履歴といった取引環境に影響を与えることは一切なく、引き続き同国の金融サービス法を遵守すると共に、格付けのトップクラスであるAA格を保有する国内銀行にて顧客資産を分別管理していくと説明している。なお、引き続きIC Markets AUにて口座の維持を希望する場合、手続きは不要とのことである。

2018年10月に、IC Marketsはキプロスにオフィスを開設し、欧州地域の規制下において取引を望む顧客の獲得を試みている。現在、EU地域向けのサイトはリリースされていないものの、キプロスのライセンスを保有するIC Markets EUを通じた口座開設も積極的に受け入れているとのことだ。加えてIC Marketsは、海外顧客口座の移管先として検討していたセーシェル子会社に代わりキプロス子会社を候補に挙げていた模様である。なお、キプロスとセーシェルの両子会社に関しても、オーストラリア子会社と同様に、各国の規制に遵守し顧客資産を分別管理するとのことだ。

2019年4月にASICは全ブローカーに取引データの提出を要請しており、その提出期限は6月30日に迫っている。ASICによる海外顧客向けサービスの規制強化が見込まれる中、Vantage FXが豪国外の顧客サービスを停止するなど複数のブローカーが海外顧客向けサービスの停止を決断する一方で、IC Marketsは豪国外の顧客に対し継続的にサービスを提供していく方針となった。オーストラリアを拠点とするブローカー各社によって顧客獲得戦略に違いが見受けられるため、今後各ブローカーが如何なるソリューションを提供することで、顧客維持・拡大に結びつけるか注目される。

release date 2019.06.26

出典元:

ニュースコメント

顧客の意向を反映した経営方針の転換

老舗の優良ブローカーとして投資家からの人気が高いIC Marketsは、海外顧客口座をセーシェル子会社へ移管するとの意向を今月21日に公表し注目が集まっていた。発表では、移管を希望しない顧客のみオンラインフォームから同社へ連絡する必要があったようだが、今回の方針転換の理由が顧客からのフィードバックによるものと公表されたことから、移管を希望しない顧客数が相当数おり、問い合わせが殺到したものと考えられる。また、同社は顧客資産の分別管理について強調していることから、別ライセンスへの移管によって資産の安全性が脅かされることを不安視する顧客からの問い合わせも多かったのではと推測される。一方、今回のIC Marketsの発表は、ASIC規制下のブローカーにおいて取引が出来なかった国外投資家からの関心も高く、セーシェル移管後に口座開設ができるのかどうかにも注目が集まっていたこともあり、方針転換の発表を受けた投資家達の反応は様々であったようだ。ASICの規制強化に伴いブローカー各社が対応策を打ち出しているが、経営体力のあるブローカーが生き残ることで当局の目指す健全な投資環境が整備されることに期待したい。


Date

作成日

2019.06.26

Update

最終更新

2022.05.23

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

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プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

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