作成日
:2019.05.15
2022.05.26 13:08
海外FXブローカーであるGKFXを運営するGlobal Kapital Group(本社:Bevis Marks House, 24 Bevis Marks, London EC3A 7JB
)【以下、GKFXと称す】が、経営の大幅な転換を図るべく、英国子会社のGKFX UKをGKPROへとリブランディングし、機関投資家向けのビジネスに注力していく意向であることが明らかになった。GKFXは経営の大幅な見直しを図るべく、ターゲットとする市場及び顧客層を絞り、今後は法人顧客を対象としたサービスを強化するとのことだ。機関投資家及びプロフェッショナル顧客向けにサービスを提供するGKPROは、英国金融行動監視機構(Financial Conduct Authority)【以下、FCAと称す】ライセンスを活用し、6月1日より始動する予定である。一方で、マルタ金融サービス局(Malta Financial Services Authority, MFSA)規制下においてGKFXのリテール部門を担うAKFXは、英国子会社の新規顧客を対象にしたオンボーディング(新規顧客をサービスに反映させるプロセス)を一時停止すると共に、今後はGKFX EUROPEへとブランド名を刷新し欧州域内の顧客へサービスを提供する見通しだ。なおGKFX UKのリテール及び一部のプロフェッショナル顧客がAKFXへの移管を求められる模様である。
経営を大幅に刷新するに際し、GKFXのCEOであるTunc Akyurt氏は以下のようにコメントしている。
我々の目標は、世界中の異なる市場で永続的な成長と高い収益性が期待できるブローカレッジサービスを提供することであります。我が社の経営戦略上の大幅な転換により、GKFX UKは今後機関投資家向けのビジネスに注力することになります。
Tunc Akyurt, CEO of Global Kapital Group - Finance Magnatesより引用
今回のGKFXの経営戦略の転換には、2018年8月に導入された欧州証券市場監督局(European Securities and Markets Authority, ESMA)の新規制策が大きく影響していると伺える。更に2018年11月にはFCAが、ブローカーによる顧客分類方法を把握する目的で、リテール及び一部のプロフェッショナル顧客に関する情報の提出を要請している。GKFXは目まぐるしく変化する規制環境に対応すべく、今回リブランディングと機関投資家向けのビジネスに注力する方針を打ち出しており、今後顧客取引の拡大に繋がる如何なる付加価値の高いサービスが提供されるか注目される。
release date 2019.05.15
GKFXは2010年に設立され、FCAにて認可・規制を受けているブローカーである。取引可能な仮想通貨が豊富であることが特徴となっており、ビットコインはもちろんのこと、リップルなど計5種類を取り扱っており、FX・CFD取引のみならず幅広い銘柄の取引を行うトレーダーから高い評価を得ている。2018年8月に導入されたESMAの新規制策により、EU圏内在住のリテール顧客へ提供可能なレバレッジが最高30倍までに引き下げられて以降、各ブローカーはプロトレーダーの階層を設定し、引き続きハイレバレッジを提供することで収益性の高いサービスを提供することに焦点を当て始めており、その結果プロトレーダー向けの新ブランド設立が活発化している状況だ。つい最近もGBE Brokersが新ブランドdiscountFXの始動を発表したばかりである。最大レバレッジの引き下げはブローカー、トレーダーの双方にとって死活問題となっており、ブローカーがオフショア市場へシフトする動きや、ESMAの規制を受けないスイスにトレーダーが押し寄せる事態となるなど、EU市場が不安定化する中で、各ブローカーも生き残りをかけた苦渋の策として、利益の最適化を目的とした顧客層のターゲティングが本格化しているようだ。EU圏内のブローカーが顧客流出を食い止めるための対策に苦慮する状況はしばらく続くことが予想されるが、今後も各ブローカーの動向に注視していきたい。
作成日
:2019.05.15
最終更新
:2022.05.26
国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。
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